2007年11月号 2面
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ナルクシニア介護サポーター第1回養成講座開講

 近畿の5拠点を対象にインストラクターを養成
 本紙前月号1面でお知らせしたように、ナルクなどボランティア団体に近々要請が増えることが確実視される「要介護TU程度のサービス」に応えるための、表記養成講座の第1回がスタートした。
 今回は近畿の5拠点(びわこ湖西・京都・奈良・大阪・神戸)から選抜された17名が参加、この17名は11月9日の終了式で「修了証書」を受け取ったあと、それぞれの拠点に帰り、インストラクターとして各拠点で「ナルクシニアサポーター養成講座」の講師に当たることになる。
 10月5日(金)午前10時から先ず高畑会長の挨拶を兼ねた講議で講座は始まった。
 講議の中で高畑会長は「今日お集まりの皆さんの目を見ると、いきいきと輝いており、嫌々参加していないことがすぐ分かりました。私も家内と2人でホームヘルパー3級の講座を受けに行ったときのことを思い出します。私のボランティア人世はそこから始まったように思います。どうぞ皆さんもせっかくの機会ですから、頑張って全課程を受講され、第1号のインストラクターとして羽ばたいてください。1回でも休まれると修了証書が出ないそうですから(笑い)頑張ってください」と挨拶、この研修の意義、活動の中での位置付けなどを分かりやすくユーモアを交えて話された。
 午後からは崇嶋講師による「寝たきりにならないための実技」と題する離床指導があり、講師のユーモラスな身振り手振りに大爆笑のうちに初日を終えた。
 なおこの養成講座は今後順次、北海道・豊北・関東・・・と各ブロックで開催され、多くのナルクの会員が身体介助ができるようになり、また会員外にもこの講座を開放し、ナルクの存在価値を高めていく計画である。

団塊世代への次世代育成セミナー

 団塊世代の大量定年がピークを迎えている。
 各種のボランティア団体が、懸命に呼びかけをしているが、ナルクでも「何かのきっかけがあれば、必ず大量の入会が期待できる」として、いろいろな対策を模索している。
 このほどその一環として「こども未来財団」と共催で「次世代育成セミナー」を開催することとした。
 これは子育て世代の要望を踏まえ、団塊の世代が地域の「子育て支援活動」や「次世代育成」に関心をもってもらおうという狙いで企画されたもので、合わせて団塊世代の「企業から地域へ」という流れをスムーズなものにしようという意図で計画された。
 セミナーの内容は、お茶の水女子大学生活科学部の牧野カツコ客員教授の基調講演の後、パネルディスカッションが開かれる。
 これにはナルクの高畑会長もパネラーとして参加する。その他のパネラーはNPO法人子育て広場全国全国連絡協議会奥山千鶴子理事長、大阪警察病院看護師、団塊の世代代表等が予定されている。 なおコーディネーターには、読売新聞の野間裕子編集委員が当たる予定。
          日時:12月8日(土)
                  13時〜16時30分場所:アビオ大阪   小ホール
                  大阪市中央区森ノ宮中央1ー17
                  電話:06ー6944ー1151
           参加希望の方は、拠点を通じて本部に申し込んでください。
     



  ナルクの輪に支えられて  
                            関谷 絢子(江別)
 今年はとても暑い夏でした。そして、私にとっては様々な老いの問題とナルクの「暖かい輪」を感じた夏でもありました。
 私の父母は大阪の寝屋川に2人で住んでいます。父が突然6月に京都の病院に入院しました。近くに身内がいなく、高齢の母が一人で看病するのは大変なので、拠点に相談したところ、ナルクの遠距離介護の利用を勧めてくれました。          
 7月に、「ナルク寝屋川」に伺い代表の竹田さん、コーディネーターの長村さんとお会いしてご相談しました。初めてお会いしたのにナルクの仲間というだけでとても親しみを覚えました。通された事務所の2階に茶道具が並んでいる和室があるのがとてもうらやましく思いました。
 極暑の中、突然の依頼にも拘らず、親身になって色々きめの細かいお世話をしてくださり感謝でいっぱいでした。改めてナルクの暖かい輪を感じました。お陰さまで父は9月から寝屋川の病院に転院できました。その後も何かと母を見守って頂いております。  
 母の介護のお願いに伺ったのに、活動の話で盛り上がり、本部を中心とした幹に沢山の拠点の花が咲き、全国の仲間が頑張っているのを肌で感じ、元気をもらいました。
 ナルク江別は設立して8年、自分や江別の仲間からも忍び寄る老いを感じるときがあります。夫婦で入退院を繰り返している会員、難病と付き合っている会員、昨年の総会後の講演で、お元気に戦争の体験談を聞かせてくれた方が8月に旅立ちました。やりきれない現実に出会うこともありますが、仲間の暖かさ、思いやりのこもった笑顔に「困った時はナルクがあるよ」「ピンピンころり」を心の片隅に、ナルクで出会った友と老いと上手に付き合っていけたらと思います。
 ナルクには色々な仲間がいます。事務所に家庭菜園の野菜を持ってひょっこりと来てくれる仲間がいるかと思えば、ボランティアのやりくりに頭を悩ませているコーディネーターもいます。たくさんの仲間と喜びも悲しみも分け合っていけたらと思います。
 施設で出会う人生の先輩から、黙々と今日も公園を掃除している仲間からも元気をもらい、自分にあった居場所をみつけて、時には夫も巻き込んでボランティア・・・。
 日々起こる様々な問題を、困った時は、あんまり一人で頑張りすぎないで、ナルクに連絡くださいね。そんな思いで一日一日を過ごすこの頃です。



 団塊世代 今後の生活と暮らし方
 今月も博報堂エルダービジネス推進室の「第5回ホープサーベイ」の分析の纏めです。今回は団塊世代(58歳〜60歳)の今後の暮らし方に焦点を当てた調査結果です。(文・白石勝也)
 1 退職後の希望する暮らし方
定年後も働きたいという希望はやはり根強い。しかも「定年前と同じ会社でフルタイムの勤務」は28%でトップでした。2番目が「別の会社でフルタイム」が11・8%、3番目4番目が同率7・3%で会社を問わないパートである。 しかし働きたいという希望よりも「組織に縛られない自由な生活」を望んでいる人が29%近くおり、団塊世代の特徴を見てとれる。(図1)
 NPO活動の7・7%は多いと見るか少ないと見るか。

 2 80%がいまの所に住み続けたい
 定年後の住居地について尋ねたところ、8割の人が今の住居に住み続けたいと答えております。
 最近は、生活費の安い海外のリゾート地に住むのが人気になっていますが、数字的には1・4%と、微々たる数に止まっています。やはり海外は確かに年金だけで十分生活ができるのですが、言葉の問題、病院の問題などがネックになっているようです。 田舎暮らしも人気ですが、「現在の居住地」を希望する人の1割にも満たないのが現状です。(図2)
    

 3 半数以上がリフォームに興味あり  
 リフォームとなると、1年以内の経験者を含めれば全体の5割以上が興味をしめし、「当分はする予定はない」の45・5%を上回っています。 退職し自由になる生活を想定し、積極的に生活を変えようという現れでしょう。
 その内容を聞くと、男女ともに「キッチンの拡充」が半数近くに達していました。
 男女別に見ると、女性はバリアフリー化を望む人が半数を超えています。一方男性は「ホームシアター」「オーディオルーム」といった趣味系に走るようです。(図4)
           

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