2007年10月号  4面
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 読者の広場 
  短 歌    谷口和子 (大津中央) 
     春雷のとどろき渡る夕暮れに
                友より新茶の配送とどく

     雨上がりコンクリートの継ぎ目より
                はびこる草に初夏の陽きらめく

     秋たけて刈り込みしたるくちなしの
                数輪の花かすかに香る

   相撲甚句   「金色スズメ」    上間茂信(堺)
    
     ゆうべ見た夢金色スズメヨ 世界一なる長寿国
     うれし目出度も早過ぎて団塊世代も幕の内
                       相撲で言うなら関取よ
     長生するのも楽じゃないお世話する人 される
                       人同じするなら喜んで
     楽しい人生創るため金色スズメといきたいね
     心優しく気を遣い身体も使い人の世の
                 お役に立とうよアクティブに
     人生横綱ヨーホホイ  アア金色スズメよ
  コーディネーター体験発表をお聞きし「金色スズメ」の生き方に感動しました。

   随 想     驚きのエチオピア       小野里純子(南横浜)

 皆さんは国民一人当たり1年間に7千円をODA(政府開発援助)のために負担していることをご存知ですか。私は「受注めぐり高官に贈賄容疑」とか「ODAの薬品横流し」などの新聞記事に大いに憤りを感じていました。
 この度、40倍の難関をクリヤーしてODAの実態をこの目で見る機会が与えられたので、東アフリカのエチオピアに行ってきました。
 エチオピアは世界最貧民国の一つですが3000年の歴史のある国で、アフリカで唯一、植民地化されたことのない国です。人類発祥の地であり、国民は誇り高く、コーヒーの原産地国でもあります。
国土は日本の3倍、首都アディスアベバは標高2600mの高地で酸素が薄く、すぐ息がきれます。周辺はモンゴルのような草原が果てしなく続き、放牧された家畜が草を食む長閑な風景が展開しています。農民の住居は、土間に土壁藁葺きのもので、原始時代そのままです。
 乾季と雨季しかありませんが、乾季には全土が茶色に枯れ果ててしまいます。ことに森林が全くなく、僅かに植林でユーカリの木がヒョロヒョロと点在するだけでした。
 貧しさに喘ぐ一番の原因は、すごい粘着力の粘土の土壌と水の不足のためだと思います。給水率は全アフリカの最低で22%だそうです。
 乳幼児の死亡率が高く、平均寿命は何と47歳です。
 今回は地下水開発、水供給の技術協力、農業支援体制強化、住民参加型の学校建設、幹線道路改修、農業組合の施設などを見学し、エイズ指導に当たっている青年海外協力隊員(保健師)の活動現場を視察しました。
 彼らは地域住民に根気強く技術を指導し、地道な支援をしていることが良く理解できましたが、反面アフリカ支援は焼け石に水の印象はぬぐえません。
 今回最も感動したことは、苛酷な環境の中で日本大使を中心にJICA、JBIC、外務省職員、海外青年協力隊員らが一丸になって現地の住民と一緒になって支援に取り組んでいたことでした。
 エチオピア大使館は何とも貧弱な雑居貸しビルの2階、3階にありました。この国に既に714億円も投じていますが、未だに都心の道路は穴ぼこだらけ、ほとんど未舗装なのはどうしてなのでしょう。 各国が競ってODA支援をしていますが、それは未開発の地下資源が目当てのようです。中国は首都アディスアベバの中心で、ODAのマークを誇示して立体交差の工事を派手にやっていました。
 日本は200キロも離れた奥地で黙々と道路改修や学校建設などに取り組んでいますが、支援の仕方が歯がゆい感じがしました。もっと顔の見える支援をして、一日も早く国連常任理事国の仲間入りをはたしてほしいものです。
 エチオピアの子供の澄んだ愛くるしい目はなぜか悲しみをたたえていました。

 御 礼       唐澤友江(奈良)
 亡夫・唐澤今朝利死去に際しましては、会長様から身に余る感謝状をいただき厚く御礼申し上げます。
 ナルク入会以来、何の働きもしておりませんのに、破格の光栄に浴し、泉下の主人も感激しておると存じます。益々のご発展お祈りします。

 記者レポート 
  [南横浜]  スイスナルクのメンバーと交流
 7月12日に小野里代表宅で、スイスナルクの運営責任者である神谷未夏さんとの交流会を開催した。
 神谷さんはヨーロッパでビオラ奏者として活躍されている傍ら、ナルクスイスの責任者として時間預託方式のボランティア活動を推進されている。
 鎌倉のご両親を訪ねた帰途、南横浜の皆さんと懇談したいというご希望で、今回の催しとなった。
 当日は11人の会員が集い、双方の活動状況、遠距離介護の実例など活発な意見交換が行われた。
 「機会を作ってスイス観光に伺います」との申し出に、神谷さんも「観光ガイドはぜひ預託点数で」と双方大いに盛り上がった。(佐藤文俊)
  [大分]  市民も参加して国体マスコット作り
 来年大分で開かれる国体のマスコットは「メジロン」。それをペットボトルで作ろうとナルク大分が広く市民に呼びかけた。地元日刊紙にも取り上げられたので、7月21日の当日は高齢者から小さな子どもまで40人以上の参加者で会場は超満員。
 このペットボトル製のメジロンを考案したのは、副代表の岩男稔さん。製作の指導にも当たったが、国体だけでなくナルクのPRにも一役買えそうな見事なグッズである。
                                        (荒巻信子)

  [茨木・摂津]   市民対象の学習会を計画
 住み慣れた街で、快適に暮らせるようにという願いで、地域住民を対象に講義と実技を組み合わせた学習会を開催する。
    日 時:10月20日(土)  午後1時〜4時
    場 所:あいおい損保ビル3F大会議室    茨木市東中条町1
    講 演:「助け合いの街づくりの提言」
    講 師:山田稔代表他
    参加費:無料
    申込み:拠点事務所    072ー620ー5088   (奥村妙永子)

  [伊賀名張]  介護予防サポーター養成講座
 同拠点では9月1,2の両日、デサントヘルスマネージメント研究所と提携して表題の講座を開催した。これにより10名の新会員が入会した。

 エンディング・エピソード 
  優秀賞  愛知県豊田市  長谷川知子
   大切な宝物
 財布の中のおびただしいカードの片隅にいつも入っているドナーカード。「脳死後、臓器の提供を希望します」そう書かれた文字の下に私と主人の署名が仲良く並んでいる。
 このカードを記入して間もなく、私は胎盤早期剥離の状態で子どもを出産した。
 出産は一刻を争う危険な状態だった。もうろうとする意識の中で、手術室にこだまする看護師さんたちの声と、あわただしく聞こえる足音を耳にしていた。
 麻酔が切れかけた頃、先生がぽつりぽつりと話し始めた。「赤ちゃんは1610グラムという未熟児で、母体は極めて危険な胎盤剥離状態でした。もし家で出血が始まっていたら母子ともに助からなかったかもしれません。きっと赤ちゃんが陣痛を起こして危険を知らせてくれたのですよ」
 2週間後、保育器越しではあるが赤ちゃんと面会が許された。「1秒でも早く、我が子の体温をこの手で感じたい」。私が手を伸ばした瞬間、まるでガラス細工のような細い指が私の手に触れ、さらには私の指をギュッと握りしめてきた。
 何とも言えない幸せな温もり。「私を救ってくれたのはあなただったんだね」
 しかし間もなく、我が子は早急に手術を要する心臓病であることが判明した。
 主治医の言葉に従い、すぐに大学病院に入院した。
 小児病棟では、生と死の狭間で懸命に生きようとしている多くの子どもたちがいた。普通は垣間見ることもできない世界である。私は人間の死について改めて深く考えさせられた。  我が子が私の命を救ってくれたように、このドナーカードで誰かを救えたらどんなに素晴らしいだろう。そのとき我が子は何歳になっているのだろう。何歳でもいい。そこにいてくれるだけでいい。私にとってこの子は大切な宝物なのだから。
                 (作者の了解を得て原文より抜粋させていただきました)

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