2007年10月号  3面
10月号見出し 10月号 1面 10月号 2面 10月号 3面  10月号 4面
 福祉調査センターだより 
   意欲ある介護職員に良い労働条件をB
 ナルクは第三者評価調査機関として次のような評価活動をしている。
     @「福祉サービス第 三者評価」
     A「地域密着型サー ビス外部評価」
     B「介護サービス情 報の公表」
 2番目の「地域密着型サービス外部評価」の評価対象は「地域に暮らす高齢者のための小規模多機能型居宅介護」と「グループホームで暮らす認知症対応型共同生活介護」の2種類に分かれている。
 グループホームの調査では、入居者家族からは「本人が入所している自覚がないため、無理を言ったり感情的な態度になるが、職員は笑顔で細やかな気配りをしてくれる」「散歩、買い物など外出もさせてもらって笑顔が戻ってきた」「重度の入居者に手がかかるのか、介護が遅れることがよくある」「医者が来ているが毎回のように診断を受ける必要があるのか」等の意見が寄せられている。
 一方ホーム側からは「外部評価の意味・目的を教えてもらって感謝している」「運営推進会議の意味を教えてもらい、よく分かった」「具体的にとても分かり易く指摘をもらった」「今回もナルクさん
を選んで良かった」などの評価をもらっている。
 我々はこの評価活動の中から多くのことを学んだ。「人生の最後をいかに過ごすか」という問題は、
ナルクの会員一人一人の目前の問題だが、終の棲家を模索するだけでなく、介護職員の労働条件の改善をさらに訴えていかなくてはなるまい。
 「ひょっとしたら認知症?」とお思いの方、下図をご参考に。
                                   常務理事   青木富子

 △▼会員の著書▼△
     絵本・ムツとわたし    著者:大和田啓子氏
        繪: 郡司みはる氏     定価:1200円
 
 著者の大和田さんは芦屋拠点の会員。太平洋戦争中、愛犬を当局の命令で供出しなればならなかった悲惨な体験を、戦争を知らない孫たちの世代に伝えたいと絵本にまとめた。
 二科会会友の郡司さんの繪と相まって、ほのぼのとした素晴らしい内容になっている。
申し込みは「ムツと私を読む会」まで  06−6316−0370

 △▼生涯学習センターニュース▼△
     @J&Bコーラス    第2・4金曜13時
       大阪産業創造間15F     拠点など出演応相談
                               075ー712ー4012 広部
     A劇団ナルク    第2・4金曜15時30
       大阪産業創造間15F     拠点など出演応相談
                               06ー6351ー0733 茶谷
     B司馬「街道を行く」     10月28日(日)
       丹波篠山を歩く
        ・さりげなく風林火山 富士と河口湖温泉を 巡る旅
         11月26日(月)27日 ウインレイクヒルホ テル1泊(先着20名) 
                               06ー6876ー1832 藤岡
     Cケアメイク
        拠点・施設など出前           06ー6941ー5448

 △▼エンディングノート一口メモB▼△
   生前予約
 葬儀の内容や費用を予め業者に予約しておく、または葬儀だけでなく様々な事務処理も公正証書化しておくことが生前予約です。但しこれを保護する法律は現在のところありません。契約の際は家族、親族の同意を得ておくことが大切です。

 △▼文 楽▼△
     11月公演のご案内    11月3日〜11月25日
         電話予約:10月11日から
       第1部(11時開演)
          近江源氏先陣館    (吉田玉男1周忌追善狂言)
          艶容女舞衣
          面売り
        第2部(4時30分開演)
          源平布引滝
          曾根崎心中       (吉田玉男1周忌追善狂言)
     料金:会員及び同伴者は1等席5800円が4800円に 
 拠点で5名以上揃えば、高畑会長との夕食懇談会や楽屋・舞台裏見学も可能です。
                                 (本部佐藤までご連絡ください)
 チケットは拠点備え付けの申し込み用紙に記入し、文楽劇場でお買い求めください。

 拠点リレー訪問 31    ナルク小山(たんぽぽ)
     暖かい心の共有を目指して 
 ナルク小山は栃木県の交通の要衝小山市を中心に、栃木市・下野市・茨城県築西市の30万人をエリアとしています。新幹線を使えば東京まで40分という便利な場所でもあります。
 6月現在の会員は96名で9割の方が小山市在住です。
 女性会員が66%でナルクの平均を上回っています。活動会員もほとんどが女性で、リタイヤ組の男性はあまりおりません。
 会員構成は非常に特徴があり、障害者の方が50%もいらっしゃいます。一方で子育て中の現役の方が15%を占めるなど大変ユニークです。全体の80%が利用目的の会員だそうです。障害者や高齢者の会員の多くは「会報・たんぽぽ」や「情報誌ナルク」によって、社会との繋がりと将来の不安への備えをされております。
「いま私たちが取り組んでいるのは市民病院でのボランティア、資源保護のためのマイバック運動等ですが、社会的に光の当たりにくい方々にナルクが手を差し伸べることにより、在宅生活の実現など社会性の強い活動にも結びつくと思っています」と、大山千加代表は語っております。
 その特徴的な例としてミニデイサービス「おはようの家」での活動があります。重度で多重障害の方が多く利用されている施設なので緊張の連続です。しかし達成感も大きいとのことです。
 また内田邦子事務局長は「一方で軽度生活援助事業もやっております」とおっしゃいます。これは小山市からの委託事業で、家の掃除、庭の草取り、話し相手が主な内容ですが、介護保険を利用できないが在宅で頑張っている方の生活支援です。「安易な行政との協働ではありません。ナルク小山もこういった在宅支援こそが最も大切と考えるからです」と内田さんは強調されています。しかし民間施設での活動については色々と内部でも意見があり、今後の検討課題とのことでした。
 愛称「たんぽぽ」の由来は、「たんぽぽは地味な花ですが、花の終わった後の綿毛が軽やかに種を広げるように、華やかさは無くても、信頼される活動の輪を地道に広げて、エリアの中の全ての人から必要とされるナルク小山を目指して命名した」とのことでした。
 入会の動機は80%が口コミとのこと。この日集まってくださった皆さんから、自信を持っての勧誘の弁を教えていただきました。
「社会に貢献もできますが、仲間が支え合うことにより、人と人との心の通い合う暖かさを共有できますよ。これがナルクの最大の魅力です」
 「ナルク栃木」から独立して5年、「社会的弱者へのサービスの提供」を最大の目標に「ナルク小山」は順調に発展、市民からも大きな信頼を得るまでになりました。これからの課題は、行政や社協との関係を一層強化すると共に、活動会員と男性会員の増強、手づかずの同好会活動の実施などです。
 拠点の最大の誇りは会員の持つハード面(資格や技術)とソフト面(気配り・心遣い)だそうです。それによって「ナルク小山=安心の会」として市民の皆さんから一層の信頼を得られたのでしょう。皆さんの素晴らしい笑顔を後に帰路につきました。
                                       (日比野昌弘)

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