2007年10月号  1面
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ナルクシニア介護サポーター創設
   まずインストラクター養成講座から
   要支援から介護度Uを担えるスキルと理論
 介護保険が導入されてから6年目、予想をはるかに上回る利用者で、早くも保険財政は危機に直面している。給付額の抑制を図るため、新たに地域包括支援センターが生まれ、要支援と介護度Tの大半がそこへ移された。サービス利用限度額の引き下げ、保険料の大幅な引き上げも実施された。介護大手業者のコムスンの不正請求事件は、ホームヘルパーの不足をも明るみに出し、今後のサービス提供に暗雲を投げかけている。
   将来に備えナルク独自の養成講座
 このような状況から推測すると、近い将来、「要支援」及び「介護度T、U」程度のサービス提供力は不足し、ナルクのようなボランティア団体・NPOがそれを担わなければならない事態が必ず生じる。
 それに備えてナルクでは独自の「シニア介護サポーター制度」を創設することとした。
 当面は会員対象に養成講座を行うが、早い機会に一般市民や他団体に参加を呼びかけ、行政も奨励認知する社会的な制度に育てあげたい。
   地域包括支援センターからナルクに出動要請しきり 
 地域包括支援センターは中学校区毎に設けるのが原則で、小地域福祉の総合相談、権利擁護の機関を目指す一方、介護予防のプランナーとして期待されているが、すでに地域包括支援センターからは保険外の働き手として、ナルク各拠点に出動要請が頻繁にきている。
 ボランティアで「やれることは何でもできる」のだが、介護の予備知識や経験がないと、どうしても二の足を踏む。
 介護保険の未来に危機感を抱いた厚生労働省は東京都稲城市から申請されていた「高齢者が施設や在宅でボランティアをした時間をポイント制にして、その一部を介護保険の支払いにあてる」案件を正式に認めると共に、これに見習って各市町村の裁量でポイント制を実施するよう呼びかけている。
 最近打ち出した政府の施策によれば、政府は退職高齢者・団塊世代を対象に再チャレンジ支援のための簡易な資格制度として「介護サポーター」「育児サポーター」などを2009年度までに創設するという。
 未だ若々しくて元気な退職高齢者が介護のボランティアに大量に進出するという好ましい社会を招来するためには、「金や資格で釣る」という発想だけでは成功しない。必要なのは「最小限の介護理論と実技」を学ぶ事前研修である。
 介護保険が導入される以前、ナルクは厚生省認定のヘルパー3級研修を会員に課してからボランティア活動に入ることとしていた。同時にこの研修を会員外にも解放して、ホームヘルパーの社会的充足に協力した。
 3級に代わる、しかも、もっと簡易な研修を開発しようとナルクはそのための委員会をつくり、拠点で「介護の経験を十分積んでいる会員」に集まってもらい、検討を重ねた末、下表のようなカリキュラムをつくった。
   旧ヘルパー3級を参考に
 養成講座は、旧ホームヘルパー3級課程の中から「絶対必要」と思われるものを中心に作成した。
 週1日午前講義、午後実技、これを2回実施して、あと1日は受け入れていただける特養かデイサービスセンターでチームに分かれて実習する。メニューは@入浴後の着脱介助A食事介助B移動介助となっている。
 全てのチームの実習終了後、全員集まって終了式を行い、修了証書を渡す(但し午前中は最後の講義)。
 終了式とお祝いの会には拠点代表、本部役員も出席する。
   まずブロック毎にインストラクター講座を開講
 シニア介護サポーター養成講座は拠点毎に実施されるが、それを企画・運営するインストラクターの講座を先行して実施する。
 第1回は、びわこ湖西・京都・大阪・奈良・神戸の拠点を対象に表の左欄に示した日程で本部が主催して実施する。
 拠点の規模に応じて1〜5名の受講者派遣を要請している。
 そのあと第2回、第3回で近畿地区のインストラクター養成を終了し、漸次北海道、東北・・・と全国各ブロック毎に展開していく。
 インストラクターは終了式が済んでから、代表・運営委員に諮りながら、拠点の全員を対象に「シニアサポーター介護養成講座」を
逐次開催する。全会員が受講することを願っている。

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