2007年8月号   2面
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          ナルク2007年海外研修旅行
            英国・パリ 6泊8日の旅

 英国はスコットランドからロンドン そして ドーバー海峡をユーロスターで渡り、パリを巡る6月18日から8日間の研修旅行に、急な事情で参加できなかった高畑会長を除く、総勢40名が関西空港から出発した。
 最初に訪れたスコットランドのエジンバラは、美しい景観と数多い中世の家並みが残る、ユネスコ世界遺産に指定された首都である。
 少し肌寒さを感じる気温の中で、エジンバラ城やその周辺を散策し、歴史の重さに感動した。スコッチウイスキー醸造所を訪れた時は、本場ウイスキーの試飲に笑みが浮かんだ。国立美術館や博物館は、すべて入場無料なのに驚かされた。

 LVK(ロンドン・ボランティアの会)と交流
 ロンドンでは、LVK(ロンドン ボランティアの会)の皆さんと夕食を共にし、高畑会長の心のこもったメッセージが紹介され、良い交流会を持つことができた。
 この会は、ロンドンにおける日本人コミュニティのための相互扶助の会であり、この日は、11人の方々が私たちを暖かく迎えてくださった。日本でのNALCの活動を知ったのをキッカケに、発足したとのこと。 
 ナルクといい関係を保ち、ナルク・ロンドンが誕生することを願った。

 福祉施設を見学
 翌日、高齢者介護に携わる英国最大のチャリティー団体、エイジコンサーンのウエストミンスター支部へ視察研修。ロンドン大学の会場をかり、エイジコンサーンの組織・活動について、話を聞く。 
 英国では、質の良いサービス提供のため、地方自治体が他のセクターとパートナーシップを組む動きがあり、エイジコンサーンもこの行政とチャリティー団体におけるパートナーシップの事例の一つであることなど話された。その後 2組に分かれて、デイケアーサービス施設を見学した。(エイジコンサーンについては、次号に記載)

 ユーロスターでパリへ
 ロンドンからはユーロスターでパリへ渡る。凱旋門・エッフェル塔など市内観光や、それぞれのオプショナルツアーに参加して、心いっぱいパリを満喫した。 フランスの2日目は、限られた時間であったが、日本からのメンバー参加によるさよならパーティーで最後の夜となった。
            (阿部国子)

女性の視点
    ラジオ体操の輪       遠藤静江(札幌)
        ♪新しい朝がきた
             希望の朝だ・・・
 毎朝6時30分、NHK第1から流れるラジオ体操の歌です。
 地域の体操会と関わって15年ぐらいになります。当初は主人の単身赴任と子どもの自立で一人暮らしになって町内の公園に足を運び参加するというものでした。しかし、だんだん日にちが経つと、地域の人々との交流の輪が広がっていきました。
 ラジオ体操というと小学生の頃、夏休みに眠たい目をさすりながら庭箒を手に近所の広場に行ったことを懐かしく思い出します。そこにはいつも百名ぐらいの子どもがいて、体操が終わると上級生のお兄さんお姉さんから、首に下げた出席カードにハンコを押してもらい、それから皆で町内の道路を箒で清掃したりしたものでした。
 現在は少子化で早起きして来る子は多くても15名ぐらいです。夏休みの時は一時的70名ぐらいになりますが、残念ながら長続きしません。それでも可愛いしえらいなと思います。
 札幌市内には体操会が各地にありますが、冬は一部を除き休みとなります。私が参加している中央公園も5月から10月までの期間限定です。毎日参加人数を数え記録し、反省会の時に配ります。天気・大人の数・子どもの数、ついでに犬も数えます。犬も首輪にカードをぶら下げていてハンコをもらうのです。子どもたちも犬をなでたり大喜びです。中でも「プー太郎」は一番の人気犬(モノ)です。
 土曜日には、子どもたちは公園の清掃をします。その時はハンコが1つよけにつきます。ハンコが一杯になったらささやかなご褒美が当たるのです。その他に全盲の方をガイドして参加される86歳の元気印の女性がいらしたり、しばらくお見えにならないと思っていたら亡くなられていたなど色々なことがあります。
 昨年10月に拠点で「シニアサロン」を開設した際にパソコン・麻雀・写経などと共に「ラジオ体操」も組み入れていただきました。自分の体力に合わせて無理なく皆さんとご一緒できる喜びを味わっています。全国のナルクの皆さん!それぞれの土地で「いち・に・さん・し」とラジオを通じて元気に体操をしませんか。

  知ッ得    社会格差に対する生活者の意識A
 前回に続き社会格差に対する生活者の意識を探ります。社会への問題意識が高いほど格差を実感するようにも見えますが、それらの人も結構人生を楽しんでいるのが実態です。

 1 格差を感じても当事者意識は高くない
 格差を実感しても、周囲の評価認識(周りにどのように評価されていると思うか)や自己評価では「中流」という認識が多い。格差とは2極化へ向かう現象とだと考えられるが、周囲の評価認識や自己評価はいずれも「中の中」クラスを中心の正規分布になっている(図1)。
 対象者の8割が「格差を実感する」と回答し、7割が自分は中流(中の上〜中の下)と認識している。
 このことから格差を感じても「自分は格が下」という当事者意識はあまりないようだ。
省略したが評価クラスが上がるほど格差の実感が和らぎ人生を楽しんでいることも確認された。その中で下のクラスでは「格差を非常に感じる」が高くなるため、格差はやはり非常に重要な問題と言える。
 下クラス認識の年収は300万円以下が7割である。非正社員と年金受給者が多い。
 周囲の評価と自己評価を比べると概ね一致する。自己評価では周囲の評価と比べ、「中の下」が減少し、「中の中」が増加している。自己評価はより中流意識が強い。

 2 少子高齢社会が最大の社会問題
 社会現象の問題意識では、少子高齢化が最も高く、凶悪事件の増加、社会規範の軽視、モラルの低下、犯罪の弱年齢化が続く。
 それに次いでは労働意欲喪失層(ニート等)の出現、社会への適合が不得手な層(引きこもり)の出現、医療制度年金制度の改革などが50%を占める(図3)。
 一方、村上ファンドやライブドアで言われた拝金主義的風潮問題や晩婚化はあまり高くない。格差問題は犯罪の弱年齢化に次ぐ4番目である。
 社会現象に問題意識を持って反応した数を分類すると5個と答えた人が都市、地方共に10%強で一番高い(図2)。
 都市の平均反応数は7・6個で5個と9個付近に2つの山ができており、問題意識の2層化が生じているようにも見える。(白石勝也)

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