2007年3月  2面
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          届け!高齢者の声
 ●「公開質問状」に向けて
 本格的な超高齢化社会を迎える中、高齢者に対する社会保障は、ネガティブな先行きを想定した度重なる法改正の下で、非常に不安定なものになっています。 
 ナルクは高齢者を中心とした社会保障に対する各政党のマニフェストを、具体的に「公開質問状」によってただし、参議院選挙に於ける清き1票の行方に資することにしました。
 そのためにこの3月10日、岡本祐三先生(ナルク顧問、国際高齢者研究所所長)、小畑雄治郎先生(ナルク担当弁護士、大阪府人権擁護委員会委員長)を中心に「政策審議会」を開き、過日ナルクの会員約1200人を対象に行ったアンケートを基に、各政党に対する「公開質問状」を作成します。
 論議が予想されるのは、まず年金制度です。合計特殊出生率が現行の1・26、経済成長が04年と同じ条件で続くとすれば、厚生年金の「給付水準」は現役時代の46・9%になると推定されます。これは法律で明記された「現役世代の50%」を大きく下回ります。
 また今後の年金を賄うのは「保険料」か「税金」かの論議が活発になると思われます。
 ナルクは厚生年金の2階部分は保険料として、1階部分の基礎年金と国民年金は現在の6万6千円から12万円程度に引き上げて、その部分は税金で賄うようにすべきだと考えます。その考えに沿った質問を検討します。
 次に医療制度です。高齢者の1割負担が所得によっては3割負担となり、長期入院をした時などは、高齢者は生活を脅かされます。
また収入の低い高齢者に対しては「高額医療費の限度額」を月額2万円にすることの質問も検討します。
 介護保険料は対象を30歳威以上とし、65歳以上の保険料を低く抑える質問を検討します。
 これらの社会保障を賄うために、消費税を10%に値上げして、高所得者の累進課税限度額を50%以上に引き上げることについての質問を検討します。
 ナルクは特定の政党を支持して果敢な「政治活動」はしませんが、超高齢化社会の中で、高齢者が満足と安心のできる生活が保障され「質の高い人生」を送るための「政策提言活動」については、今後とも鋭意努力しなければならないと思っています。
                 政策審議会委員    田邊榮一郎
     
         男の料理本大好評
         ●「お父さんには初めての料理」

  各拠点の料理教室でもお手本に
 2月から発売を開始した「お父さんには初めての料理」が好調である。内容が豊富でレシピはいずれもカラーで分かりやすい。
 最近は拠点でも男の料理教室が大流行だが、そこでのテキストにも最適の1冊と評判を得ている。
 中心になってまとめた藤井靖永さん(寝屋川・四条畷拠点)も、「たまには奥様を楽させたい関白お父さん」「これから料理を始めたいシニアの皆さん」「単身赴任のサラリーマン」「下宿住まいの学生さん」などにお勧めですと言っている。
 また監修に当たったNHK料理教室の初代講師野尻千草さんは「ここに出てくる料理は、作りやすい・無駄がない・おいしそうと3拍子揃った物ばかりです。ご主人が作った料理を囲んで、奥様も嬉しそうに座っている家庭風景なども想像できて、私もとても楽しくなりました」と推薦文を寄せてくれている。
   申し込みは各拠点事務所へ。定価750円(税・送料別)。
     
             知っ得  
     ●続・定点調査による時代の変遷
先月に引き続き博報堂生活総合研究所の「生活定点調査」から、人々が今という時代と将来を見据えて、これからの生活がどのような方向にいこうとしているのかを情報、消費、投資という面を過去の実績から探ってみました。      (白石勝也)
 1)情報処理能力
 めざましく進展する情報化社会、それに伴い人々の情報整備は、情報機器からサービス利用まで幅広く拡充されている。
 情勢生活に於ける重装備化は、人々が豊になったと実感させる。とくに情報処理能力が高い方だと思っている人の数は、調査が始まって以来上昇傾向にあり、パソコンなどの普及が大きく貢献している(図1)。
消費の考え方は「目利き」の力へと変化している。店員のサービスの必要性が調査以来一貫して低下して、購入する人々の知識による感覚での購入が増加している。またオンラインショップでの買い物傾向が増加している。
 2)消費の動向
 情報装備と情報能力の向上が動力となり、自分の選択・多様なルートでの購入の方向となっている
(図2)。


 3)投資の傾向
 「国内旅行」や「お歳暮」は減少し、変わって「映画鑑賞」や環境問題を意識して自動車を買う」など、社会にとって有意義な賢い消費が進捗している(図3)。
 不透明な将来に対して備える生活が動きだした。子どもへの投資と金融商品への投資である。
 厳しい現実を生き抜かなければならない子どもたち、その時代を乗り切るための知恵を装備させるために積極的な投資を行おうという動きが見える。
「子どもの教育にお金をかけよう」と思っている人、及び「実際にかけている人」は年々増加傾向にある。
 さらに子どもだけでなく、不透明な将来に備えるべく銀行や証券会社の金融商品に投資しようという兆しが見える。
 能力主義・増税・年金問題など将来が見えないので、資産運用で安定した老後の暮らしを確保しようとする人が増えているようだ。
      

       女性の視点   
 ●花の60代             岡田範子(ながの)
 ふと目にした「時間預託のボランティア」というのが気に入って、ナルク発足時に迷うことなく入会しました。会員番号635で、長野の第1号ということでした。本部から再三、長野に拠点をと言われ、情熱はあったのですが、その時はちょうど50歳、私の身辺はてんやわんやの大忙しでした。
 3人の子どもたちは進学・就職とそれなりに自分で決めて一段落し、ホッとしたのも束の間、それぞれが生涯のパートナーを連れてきました。
 晴れの結婚式を3回挙げることができて、ようやく親の役目が果たせ安堵しました。その間には仲人も何回かさせていただき、世の中にご恩返しができたと思います。
 これからは自分のやりたいことが自由にできると思うまもなく、孫の誕生です。しかも次々と7人です。
「7人の祖母」という立派な肩書きをいただき育児支援に当たる毎日となりました。生活は孫の年中行事でびっしりです。
 その頃、会社の要職についていた夫が2度に亘り入院をすることになりました。幸い職場復帰もできましたが前にも増して健康管理や会社への送迎なども気を遣わなければならなくなりました。親戚縁者も多く、全てが私にのしかかってきました。
 そんな日常でしたが、20数年来の趣味「油絵」の制作・出展は継続していました。
 搬入の頃は時間の許す限りアトリエにこもり、気力・体力の続く限り頑張ります。孤軍奮闘の甲斐あって中央展や地方展で80号、100号の大作が受賞するという嬉しい出来事も続きました。現在信州美術会会員です。
 静物画を中心とした「花の絵」が好きな分野です。多忙な中ですが、夫と行く国内外の旅先では、その地の風景などに、寸暇を惜しんで絵筆を運んでいます。
 50代の後半には、近くに住みながらも伏せがちだった実家の母の晩年を、長女として心ゆくまで看て送ることができました。「親孝行だね」在りし日の母に言ってもらえたことは、何よりの宝物になっています。
 慌ただしさが凝縮されたような50代でしたが、お陰様で健康で平穏に還暦を迎えることができました。まず夫に感謝の気持ちで一杯でした。
 翌2004年、60歳になった6月に「ナルクながの」が誕生しました。
 いまは花の60代、二人とも身も心も余裕ができましたので、人様のために「できる時に、できることを」をモットーに、さらに楽しみながらアンチエイジングに生きたいーと考えています。


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