2007年1月号 2面
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             5年以内に300拠点
          組織対策委員会で高畑私案が提案さる

 本部の委嘱を受け地域で拠点の分離独立や新設を担っている組織対策委員の今期初会合が12月20日開かれた。席上会長から2012年の実現を目指し「拠点の分離独立・再編・新設」に関する総合プログラム「高畑私案」が提示された。その根拠になるのは次の4点である。 
@地方分権が進み、包括支援センターの開設など、福祉の小地域ネットワークの時代に入っている。これに対応するためナルク発足の時に定めた「最小行政単位毎に拠点を作り行政・社協と緊密に連携して助け合い社会を作る」、この原点に戻って組織を見直す。
A地域密着・顔の見える拠点にして、団塊の世代を迎え入れる頃、退会者をゼロにする。
B遠く離れて暮らす親の介護に全国どこでも使える時間預託制度を完全実施する。C年金減、負担増などで高齢者の怒りは頂点に達している。格差拡大に歯止めをかけ、高齢者の声をナルクがまとめ、政治に反映させなければならない。そのためかねてから目標にしてきた1000拠点、会員20万人の第1ステップとして5年以内に300拠点、6万人のナルクにする。
 この「高畑私案」はナルクの転機ともなる
重要な提案だっただけに、白熱の論議が交わされたがこれを達成するためには全会員の深い理解と強い協力が必要である、と言う結論になり3月下旬再度組織対策委員会を開き最終的には5月の理事会を経て、6月の総会で全拠点の討議の上、決定されることになろう。
        
         ナルク拠点独立・再編・新設5ヵ年プラン(高畑私案)


T拠点から分離独立する地域
  A 2007年度中に実現 @横浜→平塚、茅ヶ崎、藤沢を中心とした湘南地区
                 A南横浜→三浦半島を中心とした横須賀地区
  B 2008年度中に実現 @豊中→池田、箕面   A枚方→交野  B宝塚→川西
                 C大阪→淀川区、東淀川区、都島区、北区(北部拠点)
                  城東鶴見区(東部拠点)住吉区、東住吉区、大正区、
                  此花区(西部拠点)  
                 D奈良→生駒、橿原  E神戸→東灘、明石  
                 F京都→伏見、右京、左京、舞鶴、福知山 
                 G堺→南区 H福井(鯖江)→福井市、越前 
                 I茨木→摂津J埼玉西→川越  K静岡→焼津  
                 L栃木→日光・今市  M香川→観音寺
  C 2009年度中に実施 @宮城→仙台  A福岡→博多市内 
                 B名古屋→名古屋市内

U拠点が別の地域で新たに拠点を作る(2008年度目標)
                 @寝屋川→四条畷   A東大阪→大東 
                 B宝塚→伊丹   C石川→小松、七尾
                 D富山(射水)→富山市、砺波   E高槻→島本

V拠点を再編成(2008年度目標)
             @東京→5ブロックに再編   長崎→佐世保と長崎に再編

W拠点のない県に拠点を作る
  A 2008年度目標  @鳥取  A秋田  B佐賀  C徳島
  B 2009年度目標  @島根  A山形  B沖縄

X拠点のない市に拠点を作る
  A 2008年度目標 岡山 恵庭 鈴鹿 青森 三原(広島)小樽 四日市 
             高知 高石 上尾 ふじみの 安芸 小諸 上田 
             中津川 石岡 所沢
  B2009年度目標  室蘭 女満別 郡山(福島) 安城 岡崎 一宮 
              府中(広島) 相模原 天理 御所 東生駒 半田 
              長門 泉佐野 泉大津 瀬戸 藤井寺 豊田 大和高田
              狭山 塩尻 

Y 2012年度目標に政令指定都市は区毎に拠点を(数字は現状にプラス)
              東京8 大阪6 神戸4 福岡3 名古屋3 
              札幌2 仙台4 堺3 横浜5 京都5
               女性の視点
       一番楽しいとき      松本久美子(福岡)
「主人が退職したの、のんびり二人で旅行をしようと思っているけど、お宅にお邪魔してもいいかしら」。
 20数年前、高松に住んでいた頃仲良くしていたOさんからの突然の電話でした。
「いつでもOKよ、待っているわ」と、再会の約束をしたのです。
 それから何日かして彼女はご主人と一緒にやって来ました。お互いに白髪やシワは隠せないものの、優しい声と笑顔は昔のままでした。
 当時、私たちの趣味は絵を描くことでした。夫たちは仕事一筋で、挨拶を交わす程度の付き合いだったのですが、私たちはスケッチブックを片手に遍路巡りをしたり、美味しい讃岐うどん屋さんを案内してもらったり、いま思っても楽しい思い出がいっぱいです。
 今のOさん夫妻は御尊父が残された田畑やぶどう園で、食べる分だけのお米作りと葡萄の栽培に精を出しておられるとのこと。秋にはお友達を招いて賑やかに収穫祭をやるなど、まさにスローライフを実践されております。
 話に花が咲くうちに、また二人に、「陶芸」という共通の趣味があることが分かりました。それでは小石原流の窯元にご案内しようと、早速出かけたのです。
 窯元では、遠く四国からのお客様を同伴したということもあって、わざわざ作陶のの実演までしてくださいました。まるで10年の知己のようなお話しぶりで色々な技法を披露してくださいました。「あっ、それって企業秘密じゃないの」と、こちらが心配するほどでした。おまけに近所の名所まで案内してくださいました。ご自分の腕に自信がおありなのでしょう、この太っ腹な陶芸家との出会いは、思わぬ実り多い一日となりました。Oさん夫妻もすっかり感激され、大変喜んでお帰りになりました。
 この度の旧友との再会で、「人との出会いが如何に心を豊かに幸せにするか」が実感できました。来年の収穫祭には必ず参加することを約束してお別れしました。
 今回のようにこれからも「今が一番楽しい」と思えるような思い出をたくさん作れる人生を送れたらと思います。
                         知ッ得  
                 団塊世代のライフスタイル
 
 ナルクは2004年に大規模な「団塊世代の意識調査」を行った。その中で明らかになったことは「定年後は時間にとらわれず働き、趣味とボランティアに時間をさきたい」という彼らの意識だった。博報堂エルダービジネス推進室が同社の調査パネルを使って、同じようなテーマを少し違った角度から捉えているので紹介したい。(白石勝也)

1定年を表す言葉は「新たな出発」    
 団塊世代に「あなたの定年にふさわしい言葉は何ですか」と質問したところ、従来から言われてきた「第2の人生」を抜いて「新たな出発」が1位となった。そのほか「自由」「自分の再発見」など定年後も前向きに活力をもって生きようという意欲的言葉が上位にきている。
 老後、引退、黄昏、卒業など「余生」をイメージする言葉は下位になった(図1)

2定年後の男のロマン
 定年前後で団塊男性のアイデンティティを比較すると、定年前は「職業人としての自分」が圧倒的であったのに対し、定年後には「男としての自分」「夫としての自分」の数値が大幅に伸びている。目指すライフスタイルは、「年齢に縛られない生き方」「夢中になれる物をもちたい」などである。
 どのような気持ちで定年後の生活に取り組みたいかを聞いたところ「男のロマン」や「男らしさ」を追求する答えが多かった。
 反面「年齢に応じた暮らし方をしたい」や「年をとったらできるだけラクをして生きたい」といった静かに、ひっそりと余生を送る気持ちは薄いようだ(図2)。

3他世代との関わり
 定年後どのような世代と付き合いたいかを聞いたところ「年代にこだわらず色々な人と知り合いたい」という人が67%で第1位であった。「同世代の人たちだけと気兼ねなく付き合いたい」は40%で「年下の人と親しくなりたい」より下回った。
 具体的にどのように関わりたいかを聞いたところ「地域・趣味・スポーツなどを通じて色々な刺激を受けたい」という答えが一番多かった(図3)。

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