2006年12月号 4面
12月号 見出し 12月号 1面 12月号 2面 12月号 3面 12月号 4面
                    読者の広場
随想
 延命治療に思う
 60年にわたり医療という世界を歩き、2年前に職を退き、高畑会長のお薦めでナルクに入会した。おぼろげながらナルクの理念も分かった程度の新参者だが、思うことは多々あり、筆をとった。
 本誌8月号に秋山隆二氏の終末期医療についての講演要旨が記載されていたが、患者側、医療側共に指針となり得る記事であった。
 とくにエンディングノートへの記載の問題は、患者さんにとっても重要だが、医師側にとっては、それを自分の責任逃れの材料にしてはならないと考える。
 延命治療というのは誰の造語か知らないが当たり障りのない言葉である。
 そもそも医療の根源は延命であって、その生命が快適に永らえることを願い、それを支援することを目的としている。その役に任じられた者には大きな責任が負わされているので、まず尊い生命の保持、延命が信念としてあるべきである。宣言書を前にして患者さんにもご家族にも胸をたたいて「全力を尽くします」と言うべきだと私は思っている。
 責任を恐れる者、医療紛争を恐れる者は医者になってはならないと思う。医師にはなれても医者になることはなかなか難しいのだ。
 人生の重さを量る秤があるなら、ぜひ計ってみたい。幸いナルクにはいって多彩な人材に囲まれるようになったのだから、その中で揉まれることによりこれからの余生を重い物にしたいと思う。
                               (豊中・池田・箕面)大菅三郎
 
 困ったボランティア
@やってあげるボランティア「やってあげるのだという顔で相手のプライドを傷つけ、感謝を要求する」

Aしぶしぶボランティア「自分はしたくないが義理でやらされていると、愚痴ばかりいう」

Bご都合ボランティア「自分の趣味や生きがいを求めるのが主で、興味のあるもの、楽しい催しのときだけ顔を出す」

C言うだけボランティア「グループに顔を出して色々言うが、自分ではやらない」

Dボス、ボランティア「仲間を支配する事ばかり望み、リーダーを交代しようとしない、また他人のプライバシーに入り込む」ボランティアの基本は「させてもらう」という精神である。無理をせず続けることが一番と思うが。
                                 (奈良・江島利典)

 タクシードライバーの気持も分かるが
 福井日銀総裁は10月の経済財政諮問会議で「規制緩和には苦痛を感じる国民も多い。政府は国民の耳に心地よいことを言い過ぎている」と政府に噛みついている。
 平成14年、タクシー業界の規制緩和を目的とした改正道路運送法が施行されてからは、タクシー業界では、増車と値下げ合戦により運転手の収入が劇的に低下している。
 仙台では運転手の年収が238万円(宮城県平均)にまで落ち込み、業を煮やした彼らが国へ損害賠償を求める裁判を起こした。
 懸命に働いても生活保護のレベルにしかならないのだから、彼らが怒るのは当たり前だ。 作家の矢貫隆氏は「タクシーの運転手さんは京都の場合、月40万円の水揚げがあっても手取りは17万円にしかならない。過当競争の昨今、月40万円の水揚げは、なかなか難しい。毎日246キロ、朝7時から夜9時まで月に22日走って達成できるかどうかの数字である」と語っている。
 そのことを業(なりわい)としないボランティアは、生業を犯してはならないのは当然のこと。タクシードライバーの厳しい状況を知るにつけ、可能な限り応援したいとは思う。しかし色々な事情でタクシーを利用できない方々への送迎にも手を差し伸べたい。
 このような状況を認識したうえでのナルクの「送迎」についての今回の改定は、両者への配慮の結果ナルクにとっても苦渋の選択である。
                                   (本部・藤岡武史)
                     北から南から

かしま 歩こう会 
 8月28日、17名が4台の車に分乗し出発。大洗シーサイドのドライブコースを、右に海を見ながら快適に走り、ひたち海浜公園西口駐車場に着く。水戸射爆場(飛行場)として古い歴史を持つ園内は、東京ドーム25個分の広さ、噴水広場、バラ園、遊園地、赤松林、コスモスがちらほら咲き出した海の見えるみはらしの丘を、シーサイドレインに乗ったり、ウオーキングをし園内を巡る。そよかぜ広場で和気あいあいの昼食。超大型店のジョイフル本田は思い思いに店内探訪。なかみなと魚市場見学買物終了後、各車帰路についた。

埼玉西・入間 ボランティア体験の大切さ
 8月26日、社会福祉協議会の夏休みボランティア体験でロードサポートに2組の母子が参加した。中学生と小学生の男兄弟で、当日はいくらか涼しいものの、汗をかきながら一生懸命ゴミ拾いをしてくれた。清涼飲料水の缶、花火のゴミ、家庭ごみまで川原に捨ててあり、かなりの量になった。ポイ捨てをする人は何を考えているのか。啓蒙活動の一環としてもロードサポートは意義があると改めて感じた。
 
南横浜 パッククッキング                
 9月26日、内山先生の指導の下、本年2回目の薬膳料理を作った=写真。
 参加者は12名。パッククッキングとは、いわば手抜き料理のこと。例えばロールキャベツを作るには、ポリ袋にひき肉、卵、刻んだたまねぎ、パン粉、塩、こしょうを入れてもみ合わせ、さっと塩茹でにしたキャベツの葉で包み、これをポリ袋に水とコンソメを加えて入れ、電気ポットに30分入れておけばでき上がる。また、ご飯を炊く時、研いだ米の上に、ポリ袋をのせてスイッチを入れると、ロールキャベツも同時に完成と言う具合。コツはポリ袋の空気をよく抜くこと。7種類のメニューを楽しんで作り、たっぷり味わいながら食べた。
 
吹田 エプロン姿がよく似合う
 9月30日、男性のための料理教室が開かれた。 会場では、ガスコンロのセットから包丁、まな板、ボールなど、男性のことを心配して応援に駆けつけてくれた優しい女性軍が、かいがいしくテーブルに道具の取り揃える。参加の男性は、なれないエプロンに手を通すのにモタモタ。でも、現実は甘くない。テーブル設営が終ると「さあ、これからは全て男性軍でおねがいしまあーす」と女性軍は別室に退場。“女人禁制”状態に。「それでは」と小畑講師を中心に「えいえいおおつ!」で気勢をあげて、寒い季節に備えて「生姜ニンニク鍋」。出し昆布でだしを取っている間に次の作業におおわらわ。味は塩味。最後にちょっと色を添えるために醤油を少々。さあっ、できあがり。待機中の“毒見役”(女性軍)による試食。その一瞬、生徒(男性軍)に凄い緊張が走る。「美味しい!」「いける!」の声に安堵の吐息。「先生ありがとうございました!」
 
姫路 豊楽園活動                         
 5月3日から6月3日まで、毎年行っている中津川市のナルク会員西尾さんが経営する豊楽園に、果樹の摘果作業の手伝いに行った=写真。
 何時もの事ながら、休憩時間を含め8時間労働で、自炊生活で過した1ヵ月は、健康管理になり、精神修養にもなった。今年は例年になく、多くの果実が付き、作業は大変だった。標高500mとはいえ、例年になく寒く、ずっと長袖を着用、雨も多く変化の激しい気候だった。なし170本、りんご350本の11月の収穫が楽しみ。
 
芦屋 納涼祭り 
 8月26日、午後4時から7時までの3時間、喜楽苑において、夏を惜しむ納涼祭りがあった。利用者と職員の多くが、浴衣に下駄の風情のある装いで集まり、それに家族を始め多くのボランティア団体が手伝いで加わり、ナルクからも6名が参加した。花笠踊りで幕を開け、来賓などのあいさつのあと、食事が始まり、ステージでは次々と出し物が繰り広げられた。「チーム山彦」によるソーラン節は、小学生から30代ぐらいの男女20人ほどが、鳴子を手に踊るもので、力がみなぎり見事なものだった。唄、フラダンスと続き、なごやかな時が流れ、最後は皆で炭坑節を踊って終った。利用者には楽しい夏の思い出ができたことと思います。
 
奈良買い物ツアー
 7月から始まった「あすなら苑」での活動に「買い物ツアー」の同行がある。入居者と一緒に天理市にある大きなショッピングセンターに買い物に出かけるのだ。最初は、何処にほしい物があるのか分からず、入居者に教えてもらいながらやっと目的の売り場にたどり着いた始末。3回目でやっと店内の様子を把握できたが、入居者とのコミュニケーションはまだまだ。買いたい物がある方はまだ対応しやすいのだが、ない方への対応は難しい。買い物ツアーの目的は、買い物をするだけでなく、外の空気に触れ、買い物を済ませた後、皆でたこ焼きなどを食べ、ジュースを飲んで楽しむことにあるようだ。買い物をしている時は、つまらない顔をしていた方が、食べているときには満面の笑みを浮かべる。その笑顔をみた時は、ホットして嬉しくなる。入居者の要望に応えるにはまだ時間がかかると思うが、気長に、末永く続けたいと思う。
                歌って踊ってゲームして
       レディース・パーティ

      日時:平成19年2月10日 正午から
      場所:池田市文化会館
              (阪急・石橋駅下車・徒歩10分)
      会費:4500円
          生バンドの演奏で歌いたい方は本部西村までお申し込みください。

                      2006年12月号見出しに戻る