2006年10月号 3面 
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              ご存じですか
          マイケアプラン

 介護保険を使う時は、必ずケアマネージャーにケアプランを作ってもらうものと決めていませんか。

 ところが今回の介護保険法の改正で、ケアマネジャーがプランを作るのは「要介護」に限定されたため、「要支援」の方のプランは包括支援センターが作ることになりました。
 しかしセンターでは希望者全員に対応できないのが現状です。巷にはケア難民が出始めています。 厚労省はケアプランの自己作成と言うことを言い始めましたが、要支援の高齢者が自己作成できるはずがありません。
 そこで元気な頭脳明晰な会員の皆様は、ケアプラン作成に挑戦してみませんか。拠点でケアマネや、地域包括、支援センターの専門家などを招いて勉強会を開いてください。
 高齢者による高齢者支援はナルクの原点です。すでに京都には「マイケアプラン研究会」という組織があります。こちらに相談するのも良いでしょう。電話は075ー313ー0661です。ケアマネからも見放されたケア難民を救いましょう。                                                                             (藤岡)

         記者レポート
  芦屋  ある会員の軌跡を追って

 ナルク芦屋の会員S夫妻が長年住み慣れた芦屋を離れ、淡路島のホームに転出されました。

 Sさんの歩んだ道は「元気なうちは奉仕活動、動けなくなったら仲間の助けを借りる」といった「自立・奉仕・助け合い」のナルクの理念を地でいく一つの見本です。 Sさんの7年間の軌跡を追ってみました。 (芦屋・本郷孝) Sさんご夫妻は平成11年、設立間もないナルク芦屋に入会されました。ご夫妻は2人暮らしでご子息は海外在住でした。温厚で誠実なお人柄。人のお世話が大好きですぐに会にも溶け込まれ、エルホーム売店での活動にも活発に取り組まれていましたが、3年ほどたつと、とっさの応対や商品の計算に戸惑われるようになりました。
 平成16年、ご子息からナルク芦屋にご本人の預託点数を使った助け合い、「話し相手」「散歩時の介助」の依頼があり、もちろん拠点としても喜んでお引き受けしました。旧知の会員同士なので双方何の抵抗感もなく2年半にわたり、総勢13人が携わりました。
 当初はお二人とも軽度の認知症(ご主人は介護度1、奥様は要支援)はみられるものの、いたってお元気でケアマネージャーをはじめ多くの専門家のアドバイスと地域の支援に支えられて、住み慣れた芦屋での生活が続きました。
 しかし日が経つにつれ、症状は少しずつ進んでいきました。ご子息は外国で一緒に住もうとも考えられたようですが、専門家の薦めもあり、ご夫妻が一緒に暮らせる介護付有料老人ホームへの転居を決意されました。
 新しいホームは海に面した建物で、7階の部屋は眺めも良く快適で、お二人は旅行にでも行くようなルンルン気分で過ごされているとのことです。
 お二人が新しい生活に早く馴染まれて、幸せな第4の人生を送られますよう祈って止みません。

  横浜  高木敏之初代代表追悼の記

  ナルク横浜、初代代表で本部の副会長も勤めた高木敏之氏が平成18年6月29日多臓器不全で81歳の生涯を閉じられ、横浜の大林寺で多くのナルク会員、同窓会会員に見送られてしめやかに告別式が行われました。ご霊前にはナルクの顕彰制度に基づく3人目の表彰状が額に入れられて飾られていました。
 高木さんは定年後、東海短期大学の教授を務めながら10年以上大学の同窓会長をされ、その間に関東で初めての拠点「ナルク横浜」の設立に格段の努力をされてこられました。
「自立・奉仕・助け合い」というナルクのモットーに加えて、「広げる・固める・続ける」の横浜独自の行動指針を示され、関東22拠点の先導役を果たされてきました。
 だがこの頃から、重度の狭心症を患っておられ、ナルク横浜の設立総会の翌日に入院され、6ヵ月の闘病生活を送られました。しかし入院中にも運営委員会の資料と議事録に目を通され、指示連絡されるというこの会に寄せる思いは人一倍のものがありました。
 病気快復後は以前にも増して精力的に活動され、温顔に微笑みをたたえながらも運営に対する厳しい指摘をされていました。
 東横浜・南横浜の独立総会や各拠点の設立総会には欠かさず出席されていました。いま振り返ればこれからのナルクに大きな期待と希望を持っておられたと思います。どうぞ安らかにお眠りください。
                                       

     時間預託利用   文楽へのお誘い

 国立文楽劇場がナルクの時間預託ボランティアを評価し、これを支援する制度の一環として平成12年から特別価格で鑑賞することができ、好評を得ています。
11月公演は芸術の秋にふさわしい大作揃いですが、この制度が利用できます。 拠点で5名以上揃えば高畑会長との夕食懇談会や楽屋・舞台裏見学も可能です。
           【11月公演詳細】
      期間:4日(土)〜  26日(日)まで  但し15日は休館
               第1部 (11時開演)  心中天網島
               第2部 (16時開演)  伊賀越道中双六   紅葉狩
                      16日から1部2部入替
     料金:取扱いは1等席のみで4800円(通常5800円) 
 チケットは申し込み用紙に会員名などを記入して文楽劇場チケット売り場でお買い求めください。同伴は何人でも可。 グループ観劇の場合は事前に本部佐藤までご連絡ください。 
 後日チケット1枚に付き2点清算。
                                         (横浜・谷口幸造)

   ナルクの歌のテープと楽譜をどうぞ

 ナルクのテーマソングともいえる「輝く未来へ そして愛」のカセットテープと楽譜を希望の拠点にお分けします。
 数に限りがありますので個人ではなく拠点単位でお願いします。
 申し込みは本
部中島まで(郵送費拠点負担)。
 この曲は江別の斉藤正志さんが作詞作曲をし、大阪の松下仁美さんが編曲をしました。
 斉藤さんの曲は素晴らしく、ナルクの精神を謳った詩も感動的です。松下さんの編曲もシニアが歌いやすいと評判です。

斉藤正志氏のプロフィール
 北海道二期会に所属、オペラ公演など音楽活動に従事。北海道国際音楽交流会会員。
松下仁美氏のプロフィール
 83年大阪芸術大学卒。アンサンブルピアニストとして多数のステージで活躍。J&Bコーラスをはじめ合唱団伴奏者としても著名。

     拠点リレー訪問R

丹波 
  子供たちに挑戦と創造と発見の場

 7月下旬の梅雨明け間際、大雨注意報が発令中の里山の中、子どもたちの歓声が飛び交っています。「危ないよ」「気をつけてね」、お母さんお父さんの声も明るさが一杯、そして笑顔が一杯。
 靴も服も泥んこの3つの女の子に誘われて、私も雨でできた流れから石を拾い、カメさん作りに挑戦しました。
 ナルク丹波の会員は102世帯、165人。エリアは篠山市と丹波市の2市からなり、「農山村地域の唯一の拠点」と自認するように、水田や黒豆などの田畑が一面に広がるのどかな風景が自慢です。活動範囲も広く、車の運転が会員の必須条件とも言われています。免許がないために活動できないという人もおられるのです。
 和田道春代表のもと、ナルク丹波は「子育て支援」では、兵庫県内はもちろん色々な所で脚光を浴びています。
 実働グループの牽引役は、挑戦心に燃え気が優しくてパワフルな笹倉武史事務局長です。それを支えるのがたくましいパワーの女性陣とフットワーク抜群の男性陣です。
 今回は運営委員の岩垣加代子・木下裕子・笹倉千代・柳川咲笑子に集まっていただきました。
 まず注目の「子ども冒険ひろば」について、笹倉事務局長は「多世代が助け合う社会の実現を会の目標に、地域とのネットワークや他団体との関係の強化、行政との積極的な協働をベースに、会員のたゆまざる努力と活動の結果が、多方面から高い評価をいただくことに繋がったと思います」といわれます。
 地元の篤志家から千坪の里山を無償で借り、自然の生態系に詳しい「バイオマスフォーラムたんば」と協力して、1年かけて里山を再生しました。そして子育て支援事業の「子どもの冒険ひろば」の内容を充実させ、月1回のイベントを含め、毎週土曜の午後を子どもたちに開放しています。ここでは「少々の怪我はいいじゃないか、子どもたちを自由に遊ばせ大人は遠くから見守ろう」というのが原則です。自然の中で子どもたちが「自由に挑戦し創造し発見してもらおう」という精神で運営しています。
 毎週水曜の午後に行っている同種の子育て支援と合わせ、この活動は兵庫県青少年本部支援事業、丹波県民局補助事業、国立青少年教育振興機構の子どもゆめ基金の助成事業として、全国的にも高い評価を得ております。
「自然という環境が色々な面で子どもも親も変えるのです」と柳川さん。
「この冒険ひろばの道具(ターザン遊びの滑車ロープ・回転ブランコ・滑り台・モンキーロープなど)は全て会員の手作りです。遊びも子どもたちが創っていきます。先日も保育園児など90名が団体で遊びに来られました」と岩垣さん。
 「私たちは子育て支援と同様に通院支援にも力を入れています。この2つが支援の2本柱です。でも悩みはあります」と皆さんはおっしゃいます。
 「悩みの1つは会のエリアが広いことです。車社会なので新年会もお酒抜きのお好み焼きパーティでした」と笑顔で笹倉千代さん。
 「会員は順調に増えていますがボランティアに参加するのはUターン組が多いようです。会費を払ってボランティアに参加するという感覚はまだ地元の方に理解されないようです」と木下さん。
 「活動できる会員を如何に増やしていくかが今後の課題、待つのではなく行動によって解決したい」、という笹倉事務局長の力強い発言がとても印象的でした。                    
              日比野昌弘

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