2006年9月号 4面
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読者の広場

随 想 評価員としてのグループホーム訪問

 この度、ナルクが滋賀県のグループホーム外部評価員の資格取得を目指すと言うことで、私もその一人としてにわか勉強をしてきたが、その最後の締めくくりとして現場実習をすることになった。つまりグループホームを訪問し、その実態をヒヤリングしたり、自分の目で確認する訳だ。
 私はYさんとペアになり、大津市黒津にある「マザーレイク」という施設に行くことになった。ここは要介護1〜4までの認知症の方16人が生活されている施設である。
 散歩などで通い慣れた場所だが、恥ずかしながらここにグループホームがあるのは知らなかった。そして驚いたことに辺りに「グループホーム建設反対」の横断幕が掲げられている。ホームの方の話によると、設立当初は周辺自治体からも反対を受けたそうだ。その後、建設の意義や在り方など熱心に説得した結果、今ではむしろ積極的に応援してもらっているとのこと。「しかし個人的にはまだあのように反対されている方もおられるのです」としんみり語っておられた。グループホームに対する偏見と差別が根強く残っているかを思い知らされた。
 早速Yさんと先方に挨拶、自己紹介、訪問の目的などを告げる。ナルクの方から予め連絡がいっていたので、スムーズに本題に入ることができた。とは言っても私たちは素人、認知症のこと、介護のこと、ましてやホームの運営のことなど、私たちが口出しできることは何もない。 
 とは言っても私たちも伊達に年をとってきた訳ではない。親の世話や子育てには結構経験も積んできた。親を預ける立場では話ができるつもりだと、そのことを話すと「それが大事なんです。私たちは確かに色々勉強もして何をどうするかは頭の中では分かっていますが、ややもすると日常の実践の中に埋没し、原点を失いがちになります。むしろ素人の方から見た目が欲しいのです」と言われた。私たちが意を強くした瞬間であった。
 帰り道、Yさんと「私たちの役目ができましたね、素人の目はいつまでも持ち続けましょう」と語り合った。 感情を表に出すことも叶わぬほど能面のような表情になった姿は戦後の荒れ果てた日本の国を支えるために一生懸命頑張って生き抜いてこられた先達の最後の姿である。そして、それは今こうして元気に動き回っている自分達の明日の姿であるのも事実である。
 今回の経験でホームの何たるかを知り、そこに勤める管理者やスタッフの方の並々ならぬ熱き思いにも触れ、本当に清々しい気持ちになることができた。このような経験をさせてくれたナルクに心から感謝したい。(びわこ南東・松本信興)

 今回の訪問を終え、母を預ける子の気持ち、調査員としての筆者の気持ちを歌にしてみました。

○年老いて 母患いし 認知症 ホームの善 意に 託す毎日
○一日が今日一日が無 事に終え そんな気 持ちのホームの介護
○母訪ね 久方ぶりに 笑顔見ゆ ホームの 努力に 只々感謝
○若者の熱意に触れた 調査の日 ホームの 将来 先ずは安堵し
○情熱を福祉の仕事に かたむける 熱き思 いに心打たれん

北から南から

釧路 大フリーマーケット
7月16日、釧路で一番大きなフリーマーケットに初めての参加=写真。 心配した天気もまずまずで、洋服、着物、什器類、小物などを並べ、値札をつけ終わった頃に、周囲の約300の露天も準備完了していた。午前9時の花火の合図で営業開始。寒さのためか、午前中は秋物洋服や紳士物、什器類、小物が飛ぶように売れたが、午後から暑くなると夏物がどんどん売れた。気温の変化によって売れ筋の違いがはっきりわかる一日であった。おかげで売上は54,060円。露天用地代を引いても52,000円余りの収入を上げることができた。
かしま 歴史探訪に参加
3月31日、市内13箇所の史跡を巡った。ちょっと冷たい風の吹く朝、49人の会員が集まり、10台の自動車に分乗して出発した。里山ともいえるのどかな景色の中に、静かに佇む神社やト伝の墓。街中の道路の脇でうっかり見過ごしてしまう所にひっそりと建つ城主の墓。対照的な景色の中にある史跡に、鹿嶋開発の歴史の一端を見ることができた。とても不思議に思えた海に向かって立つ鳥居も、ここから神様が渡ってこられたと聞いて、納得した。掘ればどこからでも遺跡が出てくると言われる鹿嶋の大きな歴史を感じた一日であった。
銚子 パトロールに参加して
子供の暗い事件を知るたびに、よそ事とは思えず、パトロールに参加した。子どもの足で約25分の帰途を見守り。住宅がまばらなため、子どもがいざ助けを求めて駆け込む家が遠い。そのため、車での送迎や一緒に歩いて送迎する保護者の姿を目にする。私達は、徒歩で子ども達から少し離れて見守りながら進む。狭い交差点では、自動車の往来を確認しながら誘導。日を追って、子ども達から「今日は」と挨拶され、道端では出迎えの保護者からも会釈されるなど、コミュニケーションができる雰囲気になった。幸い、不審な車や人に出会うこともなく「異常なし」が続き、これが何よりだと任務を終えてホットするのであった。(鈴木孝一)
びわこ カヤック感動体験
6月28日、ナルクびわこ拠点合同のカヤック教室が開催された=写真。びわこ東南主催で、会場はJR湖西線蓬莱駅の南、BSCウオータースポーツセンター。梅雨の最中と言うのに天候に恵まれ、19名が参加(びわこ湖西4、湖南6、南東9名)で、琵琶湖で感動体験の一日を楽しんだ。午前中はインストラクターからカヤックの基本操作を学んだ後、まず1人乗り、続いて2人乗りカヤックで300〜400m沖まで基本練習セイリング。昼食のバーベキュウを存分に楽しみ、午後は遠出ツーリング。初心者の不安もこの頃には喜びと感動の笑顔に、元気なシニアの顔、顔、顔。琵琶湖ならではのマリンスポーツ体験に全員大満足の1日であった。

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