2008年1月号  3 面

1月号 見出し 1月号 1 面 1月号 2 面 1月号 3 面 1月号 4 面

福祉調査センターだより

 自立支援にはユニバーサルデザインが大切
 
 介護保険でいうケアマネージメントの1つに「自立支援」がある。
 利用者が「そうしたい」と思う「行動」が、利用者の「力」となり、そこから自立することへの工夫が生まれてくる。
 私の娘は聴覚障害者である。彼女らの自立へのバリアは、音声情報の欠落である。それを補う工夫がバリアフリーのツールを生み出してきた。
 思えば、そのツールは30年ぐらい前までは、補聴器・手話・筆談であった。
 家にいる娘に「帰りが少し遅くなるよ」と連絡をするには、近所の知人に電話をして、娘にメモを渡してもらうことぐらいしかなかった。返事をもらうのは大変なので一方通行である。まさにバリア・アリーである。 
 その後、一般家庭にもFAXが普及し、電話を通じて情報を伝えることができるようになった。面倒ではあるが質問したり答えたり、会話も成り立つようになった。しかし待ち合わせ場所の変更などは至難の業だった。大抵はFAXのない街角などで約束をするから、行き違いも多々生じた。
 ポケベルが普及しはじめると、単純ではあるが数字の語呂合わせで、ポケベル会話もできるようになり、その辺りが一挙に解決されることとなった。大きなバリアが1つ解消されたといえよう。
 今は携帯メールがあり、娘との会話は勿論、聴覚障害者同士の会話も可能になった。驚くほどの速さでメールが行き交い笑いがはじける。
 パソコンメール、ブログ、ホームページを通じて、障害者だけでなく全ての人と情報交換が可能になった。一番喜んでいるのは本人であろうが、母親の私も嬉しいサポート係の廃業である。
 手話・筆談・FAXぐらいまではバリアフリー支援と言えようが、携帯メール、パソコンによる情報収集となると、支援の枠を超え、積極的なツールの出現と言えよう。そのツールには当然、ユニバーサルデザインが要求される。
 ユニバーサルデザインとは、ユニバーサル=普遍的なという言葉が示す通り、「全ての人のためのデザイン」を意味し、例えば多機能トイレなど年齢や障害の有無に関係なく、できるだけ多くの人が利用できるようにデザインされたものをいう。 
 これらの工夫で聴覚障害者のバリアが改善されても、後ろからの声かけ、多人数での議論は依然として無理である。
 この絶対的不自由部分を見つめて補うことが、自立支援の原点だと、娘との生活を通じて悟ることができた。これは高齢者自立支援にも言えることであろう。
                                        (常務理事 青木富子)

 徳島S拠点奮闘記

 新春に129番目の拠点誕生
 
 新春1月13日、全国129番目の拠点として「徳島拠点」が誕生する。
 設立までには、昨年4月の金スマで入会した徳島の元マグロ漁船長の浅野さん、鳴門の母親の元に堺から毎月通っている橋野さんの並々ならぬ努力があった。 2人は初対面から意気投合し、何が何でも1年後にはナルクの活動拠点を立ち上げようと誓い合った。徳島市を始め周辺市町村のあらゆる福祉関係先にナルクの説明に走り回った。反響はすこぶる良いが、ただそれだけの日が続いた。
 これではいけないと、先ずS拠点を立ち上げ、目に見える活動を開始し、説明会を11月11日に開催した。
 そしてマスコミの力も借りようと、走り回った結果、徳島で90%のシエアを誇るT新聞の社会部記者が、2人の熱意と、ナルクという日本一のNPOの理念と活動に興味を持ち、記事を大きく掲載してくれた。
 反響は素晴らしく浅野さん宅の電話は鳴り放しの状態が続き、11日の説明会はナルクの活動に共感した多くの市民、行政福祉、マスコミ関係者で満員札止めの状態になった。
 席上、設立総会を平成20年の1月13日(土)に開催することにした。
 TV局から遠距離介護の取材を受け、11月28日に放映されたのを機に、12月9日に2回目の説明会を開催し、後は1月13日の設立総会を待つだけとなった。2人の熱意でナルク徳島は見事に設立の運びとなった。堅い決意のリーダーが1人でもいると拠点は必ずできる。
 昨年の8月の長崎市は村田さん、今年1月19日の郡山市は鈴木さん、3月予定の行橋市は佐藤さん、同じく3月の鳥取市は西村さん、何れも素晴らしい女性リーダーの熱意が実を結んだ結果である。

ナルクシニア介護サポーターインストラクター養成講座  

 第1期生 修了式

 10月5日にスタートした同講座は、受講者全員が予定通り全ての課程を修了したので、去る11月9日(金)、本部会議室で修了式を行った。
 この日集まったのは第1期生16人と、講師陣および受講生の出身拠点の代表が5人。
午前中に最終講義があり、それぞれがレポートを提出、午後からの修了式に臨んだ。
 終了式は午後1時に始まった。各人に修了証書が渡された後、高畑会長から今後に期待する励ましの言葉があり、各拠点代表もエールを送り受講生たちの晴れの門出を祝った。
 記念撮影の後、各人の感想と意見交換の場が設けられたが、非常に有意義な講座
であったこと、自分の人生にプラスになったという感想が多かった。反面、拠点に帰ってどのように講座を進めていくかが不安という意見もあった。 いずれにせよ第1回の講座は成功裏に修了したと言えよう。
       

拠点リレー訪問 34

       埼玉中央(ゆずり葉)
            子育て支援の原点は親支援

 
 ナルク「埼玉中央」は、平成17年3月に「埼玉」から分離独立してできた、まだ新しい拠点です。現在の会員数は169名ですが、その内訳は桶川市約100名、上尾市約40名、その他北本市、鴻巣市などで約20名といったところです。
 上野から高崎線に乗ると約40分で JR桶川駅に到着します。そこから徒歩で約10分、「ナルクの家」という看板を掲げた1軒家がありました。
 そこが「埼玉中央」の拠点事務所です。
 聞けばその看板は高畑会長の直筆とか。
 ナルクの理念「生きがい・自立・奉仕・助け合い」の実践は当然のこととしながらも、「高齢
者間の助け合い」「3世代交流と助け合い」を活動の2大目標としています。「3世代交流」のメインになるのは、やはり子育て支援です。
 「私たちは子育て支援の原点は親を支援することだと思っています」と、高橋利夫代表をはじめ副代表、事務局長などお集まりの6人の皆さんがきっぱりとおっしゃいます。この考えに基づく活動が「つどいの広場」です。
 会員が学齢期前の子どもたちと紙芝居や玩具で遊んだり、お母さんたちの相談相手にもなり、彼女たちに息抜きと交流の場を提供する目的で、月1回2時間、団地の大きな集会所で開いています。玩具を修理する「おもちゃの病院」も、ここだけでなく、社協の福祉祭りなど、いろいろなイベントで活躍しています。  
 もう1つ大きな活動として、埼玉県と滋賀県だけで実施している「障害児・者生活サポート事業」への参入があります。
 これは当拠点が不断の地道な活動が評価され、桶川市の厳しい審査にもパスして「支援認定団体」として登録され、市からの受託事業として取り組んでいるものです。活動内容は学校や施設への送迎、移動介助、1時預かり、といったもので、年間500時間もの障害児支援をしています。
「団塊の世代をはじめ、次代を担う仲間の加入」「活動会員の増強」「ナルクのPR」などが今後のテーマとのことですが、「依頼は決して断らない」を 信条としてきただけに「会員に負担がかかりすぎているかな」、といった反省の弁もちょっぴり聞かれました。とにかく元気一杯、夢一杯の埼玉中央でした。
                                      (日比野昌弘)

         レディースパーティーご案内

 日時:1月26日(土)12時〜16時
 場所:松下電機労連ホール「ミューズプラザ」

                        京阪電車「西三荘駅」下車すぐ
            会費:4500円
           女性が企画・運営するという、男性大歓迎の会です。
           近畿の拠点が一堂に集まるまたとない機会です。
           是非拠点交流の場としてご活用下さい。


                 

         全国から良縁殺到中。ぜひお問合せを。
                             06-6941-5448 安藤
文 楽

          1月公演のご案内     (1月3日〜24日)

  第1部(午前11時開演)

       七福神宝の入舩     祇園祭礼信仰記 
       傾城恋飛脚 
                    =14日より1部2部演目入替

   第2部(午後4時開演)
       国性爺合戦 
             平戸浜伝いより唐土船の段他 
 


 拠点にある「時間預託利用」用紙に記入のうえ、劇場チケット売り場に提出すれば、ナルクの会員と同伴者は1等席5800円が4800円になります。
 文楽は日本が世界に誇る伝統芸能です。この機会にグループ観劇をお勧めします。各種特典あり。詳しくは本部佐藤までお問い合わせください。

 トップへ