2007年4月号  2面

4月号 見出し 4月号 1面 4月号 2面 4月号 3面 4月号 4面
第2回拠点リーダー養成講座
 
 3月6日 全国から31名が1泊研修
 本年度のナルク・リーダー養成講座は3月6日7日の2日間、兵庫県篠山市の「ユニトピアささやま」で開催された。
 この講座は拠点運営の中心的役割を果たしてもらえる人材の育成を目的に昨年からスタートし、今後も年1回開催していく予定である。
 本年度は全国の拠点から40数名の推薦があったが、常務理事会で北は北海道、南は九州に至る拠点からの31名の最終受講者を決め実施の運びとなった。講師は本部役員が務めた。
 講座のカリキュラムは、高畑会長による基調講演「ナルク総論」、田邊副会長・青木理事による「ボランティア活動と収益事業」、藤岡副会長・西村理事による「コーディネーターの役割と助け合い活動の実際」を中心に進められた。
 初日は夕食後3つのグループに分かれ「拠点の課題と私の考え」を共通テーマ」として夜遅くまで討論が続けられ、講師陣は3グループを交互に訪問し、コメンテーターを務めた。 
 講座の最終科目として、受講者と講師たちとの意見交換の場が設けられ、受講者から時間預託活動現場での利用者の要望への対処方法、ボランティア活動者と収益事業参加者との関係、地域包括支援センターとの具体的関わり方など、活発な発言が続き予定した時間をオーバーする充実した会となった。
 最後に会長から「受講者の皆さんと再び活動現場でお会いできることを楽しみにしています。頑張ってください」との挨拶があり、2日間の研修を終えた。

「お父さんの料理本」を購入した皆様の声

  ○お母さんにはイ ロハハのイでも・・ この題名がユニークである
  ○表紙のイラストなど図案構成が目を引く
  ○料理の写真が親切で丁寧                
  ○他の料理本と異なり、読むだけでも面白い
  ○いくつかのレシピを試みたがどの料理も美味しかった
  ○友達に勧められて買ったが、得した気分
  ○買って帰ったら、あなたが作ってと妻に言われた
  ○この料理なら俺にも作れる
  ○老人会の料理教室で使いたい etc

 貴男にきっと役立つ料理本です。一家に1冊ぜひどうぞ
 各拠点事務局へ.お申し込みください。本部へはFAXでおねがいします。
              06ー69411530 (税込780円)


        
中国帰国者の皆さんと  三村共子(信州まつもとだいら)

 金銭の取り扱い、数字との向かい合い、朝から晩までどんなミスも許されない緊張の毎日を過ごして40年、長い公務員生活だったが最後の1年は退職後の活動をあれこれ計画し、楽しんでいた。 その日を迎えホッとしていた時、思わぬ方から「小さな子どもたちへの空手の指導をお願いします」というお誘いを受け、いささか戸惑った。
 私の子どもは、小学生の時から空手道場でお世話になっていた。練習日の夜、子どもを迎えに通っているうちに、いつしか私も誘われるまま道衣を着るようになり、30代の後半には有段者の仲間入りをするようになっていた。
 その道場の師範からの頼みだったので断ることもできず、週3回出向くこととなった。
 中に入って気がついたことは、若い母親たちが「食生活をはじめとする家事全般」「お姑さんとの関わり方」「子育て」など悩みを多く抱えていることだった。早速週1回集まり話し合う時間をもつことにした。娘と同じ同年代の母親たちの悩みを聞き、時に叱ったりなだめたりしながら、何か人のお役に立てればと頑張ってきた。
 これが私のボランティアへの道の第1歩だった。
 村の社会福祉協議会のデイサービス、入浴ボランティア、ナルクの活動なども新聞報道で知った。ナルクが中国帰国者の交流支援に力を入れていることを知り、早速拠点事務所を訪ね入会した。代表ともお会いし我が家の休耕田を提供し、米作りを実施してもらうこととした。昔ながらの手作業で、田植から稲刈りまで帰国者と会員が一緒に取り組んだ。収穫時には高畑会長も参加してくださり、一緒に汗を流してくださったことで会員の士気も高まった。その時の模様はテレビや新聞にも報道され、収穫したお米を使った食事会は感無量だった。
 ほかに帰国者との作業は「ジャガイモつくり」「稲コキ菜の種まきから漬け込み」「料理教室」など多岐にわたった。マレットゴルフ、ウオーキングなども一緒に行い、コミュニケーションを深めることができた。
 言葉の壁はあるもの、こうした行動を通じてだんだん会話も弾み、意思の疎通も図れるようになってきた。共同作業の達成感を共に味わったことで心も通じ合えるようになったのだと思う。
 明るく楽しくをモットーにこれからも頑張っていきたい。
 団塊世代の皆様にもナルクをより理解していただき、生き甲斐の1つにボランティアを加えていただきたいと思う今日この頃である。

ナルク公開質問状を読んで

       大阪大学大学院人間科学研究科教授   堤 修三

 ナルクの政策提言審議会で纏められた「公開質問状」を拝見しました。年金・医療・介護保険については具体的な提案も盛り込まれていて、ナルクの皆さんが真剣に論議して纏められた様子がうかがえます。
 「公開質問状」を読んでまず私が感じたことは高齢者の皆さんが、年金制度の改革により今後は年金額が抑えられていくだろうという予測の下で、これまでの生活を維持できるだろうかという強い不安を持っておられることでした。ナルクの会員になっておられる高齢者の皆さん方は、充実した職業生活を送られ、そこそこの年金は受けておられる方が多いのではないかと思いますが、それでも「年金」という自分の選択や努力ではどうしようもない収入によって生活されておられるだけに、若い人々が考える以上に、生活への不安が大きいでしょう。基礎年金額の引き上げ・生活困窮者向け医療制度の創設・介護保険料軽減などの提案は、そのような高齢者一般のお気持ちの表れだろうと思います。
 いま少子化の進行になかなか歯止めがかからない中、社会保障費が高齢者向けに使われ過ぎている、もっと子どものために使うべきだと言う声を耳にします。また高齢者は意外にお金を持っているから高齢者に負担をもっと求めてもいいという意見もあります。そういう世間の雰囲気を敏感に感じ取った高齢者の中には、自分たちは少し遠慮した方がいいのではないかと考える人もいるようです。しかし為政者は、単に費用の多寡を機械的に判断すべきではありませんし、高齢者の遠慮の裏にある生活の不安を見過ごさないように十分注意しなければならないのではないでしょうか。
 ナルクの皆さん方は低所得の高齢者に配慮せよとだけ言っているのではありません。税制の項で触れられているように、所得税の累進税率を引き上げて、持てる者にはより多くの貢献をしてもらおうと提案していますし、消費税を10%に引き上げて社会保障の財源に充てるように主張していることも注目すべきです。逆進性があるという消費税を引き上げるとすれば、その影響を受けやすい低所得者の年金や医療費・介護保険料について手厚い配慮をすることは当然に必要なことですし、その意味で公開質問状の提案は筋が通っていると思います。各党の皆様方には消費税の引き上げという部分だけをつまみ食いすることなく、全体の意をくみ取っていただくよう強くお願いいたします。
 また「公開質問状」では、NPO法人が行うボランティア活動について非課税とするよう要望されています。何らかの方法で認知されたボランティア活動を非課税とすることは高齢者の社会参加への呼び水となり、結果として介護や医療の費用低減に役立つのではないでしょうか。これについてもぜひ積極的に検討していただきたいと思います。

政策提言活動は政治活動ではありません!
    
         ナルク副会長     田邊栄一郎

  ナルクは設立の際、規約で「営利活動、政治活動、宗教活動」をしないと決めましたが、その後、NPO法が制定され、その第2条でも「政治上の主義を推進し支持し、またはこれに反対することを主たる目的とするものでないこと」と書かれています。ナルクはそれに沿って定款細則第7条に「この法人またはこの会員の名をもって政治・宗教その他定款第4条に定める目的に抵触する行為を行わないこと」と明記しました。
 ナルクは様々な履歴と考え方を持った人の集まりですが、それはナルクの理念に共鳴し、時間預託制度の魅力に惚れ込んで、老後に向かう人生を豊にアクティブに生きようとしたからに他なりません。
 しかしナルクの組織が大きくなりますと、それを政党の勢力拡大に利用したり、自分の選挙に会員を使いたいとか、自分の商売にナルクを役立たせたいと考える人が生まれてきます。或いは会員に働きかけて特定の宗教勢力拡大に走る人も出てきます。そうなりますと会の融和が乱れ混乱が起きます。純粋に「人様や社会のためにボランティアで貢献したい」「ボランティアをやらせて貰って生き甲斐と健康と出合を持ちたい」と考える会員は退会し、会はやがて衰退していきます。そうならないように決めたのが定款細則第7条なのです。
 しかし昨年の道路運送法改定の様な本来のボランティア活動が事実上出来なくなるような政治課題が起きたときや、今回のように弱い高齢者にのみ負担が強いられる様なときは、ナルク共通の課題であり、広くは日本の全高齢者の問題ですから各政党に公開質問状をなどは定款第2章の目的・事業に沿った行動として許されるものと考えます。
 ナルクがナルクの目的である高齢社会にふさわしい地域社会実現のために、社会全体の利益と福祉の推進に寄与する政策を掲げ、またそれを実現する政党を紹介して、高齢者の参考に資することは、政治活動ではなく、政策提言活動であり、ナルクのミッションでもあるのです。
(知っ得休載します)

                      見出しに戻る