2007年12月号  3 面

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福祉調査センターだより

 長寿高齢化社会は喜ばしい

 厚生労働省の調べでは、100歳以上の人が、今年初めて3万人を超えたという。生産年齢人口(18歳〜64歳)に対する65歳以上の人口比率(高齢者人口指数)は33・1で、3人で1人の高齢者を支えている計算になる。

 一方、65歳以上で仕事に就いている人は06年時点で510万人いる。ナルクをはじめシニアボランティアが社会を支える側に回っていることも忘れてはならない。
 最近とみに話題になる認知症だが「勤勉さが発症を抑制?」という面白い記事が新聞に出ていた。米ラッシュ大医療センター研究チームの発表だが「勤勉実直な性格や行動的生活様式が脳神経を保護し、アルツハイマーの発症を抑える可能性がある」というのだ。
 11月4日付の日本経済新聞にも「寝たきりや認知症を社会参加で防げ」と言う記事が出ていた。
 東京都老人総合研究所の新開省二部長は、2001年から2年間、新潟県与板町(現長岡市)で、65歳以上の高齢者千人以上を追跡調査したところ、体力の差などを考慮しても、外出頻度が高い人ほど健康が維持されやすいという傾向が顕著だった。(図1)
 米国の心理学者キャッテル教授は、知能を「流動性知能」と「結晶性知能」に大別した。
 前者は新しい場面に適応するために働く知能で、いわば知識の処理知能である。後者は以前の学習や一般的知識によって形成された能力で、いわば知識の蓄積である。青年期から老年期にかけて流動性知能は衰えていくが、結晶性知能は維持される、と教授は言う。(図2)
 長寿、世界1を誇るわが国では、豊かで質の高い生活が求められている。年金などの社会補償は高齢者の生活感覚を取り入れ、次世代にも残せる充実した制度にして欲しいと人々は願っている。
 そして私たち自身は、社会参加の重要性をいつも主張してきた。仲間の自立支援と思って活動しているうちに「自分自身のやり甲斐になっていた」と感じることも多々ある。まさに「情けは人のためならず」、自分のためなのである。寝たきりや認知症が社会参加することで防げる時代になったことに気がついていただきたい。
(常務理事・青木富子)

  茂原拠点  市制55周年で市より表彰
 10月20日、茂原市民会館で行われた市制施行55周年記念式典で、「ナルク茂原いちごの会」が、市政功労者の「善行・篤行部門」で表彰を受けた。
 ボランティア活動が市政発展に貢献したと認められたわけで、会員の喜びは大きい。

            第6回関東会長杯ゴルフコンペ
    日時: 12月13日(火) 雨天決行
                      ゴルフ場に7時50分集合
                             スタートはアウトイン8時28分同時
    場所: ラインヒルカントリークラブ
            栃木県日光市手岡1252   
                 電話0288ー27ー0275
    費用: プレー費六千円(セルフ・昼食付き)   
                     別途会費千円
    表彰: 優勝〜5位 BB NP 当日賞ほか
           申込み:吉川孝人(栃木) 028-648-8635


 中標津拠点
  1年で会員倍増 孫も入会 3世代会員も誕生

     10月13日 会長の講演と記念例会 「釧路新聞」が1面トップで報道

 記念例会は10月13日市内の中標津経済センターで多くの会員の参加のもと行われた。
 発足時71名だった会員が、僅か1年で147名という成長ぶりは「ご立派」の一言。 
 1周年を期にミドル・ジュニア会員を募集したところ、活動中の会員のお子さんとお孫さんが同時入会し、全国でも珍しい3世代会員が誕生した。
 ご本人は丸山弘子さん、お子さんは拓哉さん(ミドル)、お孫さんは玲奈ちゃん(ジュニア)である。中学1年の玲奈ちゃんは、もうお祖母ちゃんの活動先である会員宅で食事作りのお手伝いをするなど、活動開始である。

 近畿南部地区7拠点 交流会開催
 
秋晴れの10月13日、恒例の近畿南部地区7拠点(和歌山・河内長野・千早赤阪・大阪狭山・富田林・泉州・堺)交流会が堺市内で開催された。
 午前中は刃物会館、本願寺堺別院、妙国寺の大蘇鉄など歴史的建造物が残る堺の旧市内を散策した。そのあと拠点事務所を見学し、市内のホテルで昼食会を催した。
 参加者からは「政令指定都市となった堺の底力を見る思いでした。交流会では各拠点の活動を勉強しましたが、とても和やかな良い会でした」と評判は上々だった。来年は泉州が世話役の予定。

 茨木市の職員が研修のため拠点訪問

 茨木市でのこの秋の職員研修は「NPOの活動を実際に見学すること」というテーマで実施された。
 ナルクが対象団体に選ばれ、研修を受ける市の職員5名と、大阪ボランティア協会の職員1名、計6名が、去る9月19日(木)、ナルク茨木拠点を訪れた。
 拠点では山田代表以下役員が、会のミッション・組織の成り立ち、財政規模などを資料を添えて丁寧に説明した。
 市側からは「ナルクの特質やミッションがよく分かり、今後とも協働による政策立案や事業を推進して参ります」という意向が表明された。
 また11月3日には恒例になった高校生との「共同クリーン作戦」を実施した。参加した高校は茨木・春日丘・茨木西・福井・北摂つばさの5校。

 生涯学習センター ニュース

  @劇団ナルク
      第2・4金曜日15時
          本部3F会議室    団員至急募集
                            06-6351-0733 茶谷
  AJ&Bコーラス
      第2・4金曜日13時
          大阪産業創造館15F     075-712-4012 広部

  B司馬街道を行く

      12月16日(日)       橿原 今井町を歩く     
                    06-6876-1832 藤岡

  Cケアメイク

     拠点・各施設出前ご相談ください。
                            06-6941-5448 安藤 
     10月3日「インストラクター終了検定」を行った。
                        検定後には交流会で懇親を深めた。

拠点リレー訪問33

 ナルク神戸(あじさい) 東神戸独立を新たな起爆剤に

 地下鉄海岸線「御崎公園駅」を降りると、雲一つない青空が六甲山頂一杯に広がっていた。神戸拠点を訪ねたのは、そんな晩秋の1日だった。
 ちょうどこの日は、神戸拠点のメインの活動である「楽々大学」の開催日だった。
 楽々大学とは、7年前からナルク神戸が神戸市から委託を受けて運営する「生きがい対応型」のデイサービスである。地元の自治会館を借りて実施するもので、風呂や送迎はない。昨年の介護保険法の改正により「閉じこもり予防」から「介護予防」を目的としたものになった。
                                   (たわし作りに取り組む皆様)
担当の木下節子さんを中心に考案された一日のスケジュールは、その内容が充実していると評判を呼び、この日も30人以上の方が、いきいきと参加されていた。
 ちなみに、この日のスケジュールは、
        ・受付、挨拶
        ・お話し(学童の見守り推進員)
        ・歌(青春サイクリングほか)
        ・口腔体操   昼食
        ・お話し(栄養について)
        ・手作りタイム(台所用たわし)
        ・タオル体操  誕生会 おやつ
        ・終りの歌(リンゴの唄の替え歌で)
           ♪遙か彼方の六甲見れば雲を見下す
               青い空 貴方も私も元気に行こうよ
            今日のふれ合いは何でしょうか
               楽々大学 楽しい大学(おっ!)
 おっ!と、雄叫びを上げ、足取りも軽く各自家路へと帰るのである。
 ナルク神戸が生まれたのは、平成11年3月であった 前年の秋、高畑会長の講演を聞いて感激した有志数名が設立に奔走した。その後、現代表の崇嶋幸子氏もそのメンバーに加わった。
 57名でスタートしたナルク神戸は、以後彼女の強力なリーダーシップのもと、着実に発展していった。
 平成15年には奉仕点数9003点となり、全国1位の栄冠に輝いた。
 神戸を語るときに、もう一つ忘れてはならないのが、自立活動の充実ぶりである。特に「歴史探歩」はその道の専門家が会員にいるため、質の高い説明が人気である。また行き先を発表しない「日帰りバスツアー」、田植えから始める「酒作りを楽しむ会」などユニークな同好会が揃っている。そのほか会員を対象とした「生き生き大学」もユニーク。これは活動ができなくなった高齢の会員を対象としたミニデイサービスといったもので、会員の「居場所づくり」としての存在価値は大きい。
 最近の話題は何といっても「東神戸」の分離独立である。9月30日、会長私案が発表されてから僅か10ヵ月、該当3区(中央・灘・東灘)の会員の努力が実を結んで、全国128番目の拠点が誕生した。会員数104名、事務所は手作りというこの拠点は、いま全国から熱い注目を集めている。
 東神戸分離前の会員数は287名、崇嶋代表以下役員全員は、なるべく早い段階でこの数字に戻すべく「各区毎の交流会の実施」など色々な施策を打っている。
 「私たちは東神戸の独立を起爆剤として、また新たな分離独立に向かってチャレンジしています。そして本体の神戸(あじさい)をさらに発展させ、高齢者が生き生きと暮らせる地域社会の実現に向かって頑張っていきます、そのための新たなスタート台に立ったのだと思っています」。
 小柄な代表が語る大きな夢は必ず近い将来花開くのであろう。(山田芳雄)

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