2007年9月号 1面 | ||||
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ゆり籠から墓場まで」は健在か?英国高齢者福祉の現状を探る英国最大のボランティア団体「エイジ・コンサーン」を訪ねて 今年のナルク海外旅行は、英国とフランスの歴史ある町並みや、美しい自然と文化を堪能すると共に、「ゆりかごから墓場まで」と世界に評判を呼んだイギリスの高齢者福祉の現状を探るのが目的であった。 サッチャー首相のもとで福祉政策が大きく後退したとされているが、それを確かめるべく英国最大の高齢者ボランティア団体「エイジ・コンサーン」を訪問した。 サッチャーが福祉支出を削減 英国では第2次世界大戦の後、福祉国家路線が労働党政権によって打ち出され、国営の医療保険制度が確立され、医療が無料で受けられることになった。つまり国家が福祉に責任を持つことになったのである(1940年〜1960年)。 その後、福祉コストの抑制と在宅ケアを理想とする考え方から社会福祉は大幅に見直されることになった。 1979年に誕生したサッチャー内閣は、経済の立て直しのため大幅な民営化を進め、福祉部門においても公共部門のサービスコストの削減を図り、1990年にはコミュニティケア法が成立、これによって民間セクターとボランティアセクターがサービス提供の主体となり、公共セクターがオーガナイザー役を務めるというパートナー型福祉の時代に入った。 [註・コミュニティケアとは高齢者や障害者が可能な限り自宅及び地域の中の家庭的環境の中で過ごせるようにするのに必要なケア] また、このコミュニティケア法はケアプランの作成など地方公共団体がやるべきことを明確に義務づけており、政権の移動に関わらず国民のコンセンサスがあることが素晴らしい。そして1991年に制定された市民憲章で「安くて良質なサービスの提供」を公共団体に義務づけている。 しかし現在の英国は高齢化、高失業率、離婚の増加、福祉経費の増大、国立病院の老朽化などに悩まされており、様々な改革を模索中なのが現状である。 エイジコンサーンとは 現在英国には約50万のボランティア団体があり、うち半分の25万団体がチャリティー団体に属し、政治的に独立した内務省管轄下のチャリティー委員会に登録されている。ここが「ゆり籠から墓場まで」と高く評価された英国の福祉を新たに支える役割を担っている。 ボランティア団体の総支出は2兆6800億円に上り、その収入は中央及び地方政府(34%),個人及び献金(41%)、サービス提供などによる自団体に活動による収入(24%)、その他となっており、まさに国の制度としてのボランティアがしっかりと根を下ろしているのである。 その中で特に大きく英国全土で活発に活動しているのが、エイジコンサーン(Age Consern)である。 1940年に設立されたときは全国高齢者福祉協議会と称していたが、1971年にエイジコンサーン・イングランドと改称した。1994年現在、支部1430、デイセンター2650、有給職員4800人、無給奉仕ボランティア25万人の大組織で運営している。 (図T参照) また財政は図Uのように寄付金と政府からの補助金が大半を占めている。 ウエストミンスター支部訪問 ロンドンの中心にあるウエストミンスター区に、エイジコンサーンの支部を訪ねた。 事務所には40人以上の人に説明するスペースが無いということで、なんとロンドン大学の教室を借りて、3人の責任者(有給職員)が説明をしてくれた。 「エイジ・コンサーンは、英国の伝統とニーズに合わせて活動している組織です。英国はイングランド、スコットランド、北アイルランド、ウエールスの4つの王国の共同体ですが、夫々が価値観、歴史など大きく違っています。各支部が夫々独自の運営を行っており、資金面、活動面の格差は大きいのです。 ロンドンにはそれぞれの区に支部がありますが、ウエストミンスター支部は1947年に発足し、今年で60周年になります。活動の3分の2は地方自治体との関わりのある仕事、残りの3分の1の活動は寄付金や収益事業からの収益で運営しています。 スタッフは45名、ボランティアは290名以上、年2万7千時間活動を行っています。 ボランティアの採用に当たっては,身元保証制度、犯罪歴等の調査を行っています。ボランティアは週1回程度の人が大半です。 高齢者の課題は,孤独、低収入などです。 国の医療・社会福祉部門と連携して、問題の発生防止や健康面の対策によって、アクティブライフができるような支援をして鬱にならぬように心がけています」、とのことだった。 デイケアセンターとクラブを訪問 講義のあと、ウエストミンスター支部に属するデイケアセンターとクラブを訪ねた。 ケアセンターは65歳以上のやや弱い人が対象で1日定員35名、現在87名が登録されている。私達が訪問した時は体操をしたりゲームをしたりしていたが、暗い雰囲気は全然感じられなかった。私達は一人一人に声をかけ、最後に日本の唱歌「ふるさと」合唱したが大変喜ばれた。 ・続いて元気な高齢者が楽しみながら学び運動する「クラブ」を訪問した。 そこでは皆さんと一緒に食事をしながら話し合った。私たちのテーブルには80歳の元気な婦人を含め3人の方が話をしてくださった。皆さんとても元気でこの施設に毎週2、3回朝から午後まで来て楽しんでおられる。お一人は60歳の時から来ているが、楽しくて年をとらないとおっしゃっていた。 昨年、日本では介護保険法の改正で介護予防が導入されたばかりだが、この考えが20年以上も前からしっかりと当然のように行われていたのは驚き。 食事は英国の代表的なメニュー、フライアンドチップス、それ迄の食事のうちで最高との声がナルクの一行から上がった。ここではパソコン練習、絵描き、ストレッチ体操などが指導され皆さんは楽しく過ごしている。 施設のスタッフは所長一人と少数のボランティアで、来所者で作る委員会のメンバーが自主的に運営を進めている。予算の獲得にはやはり苦労しているとのこと。 英米2大高齢者組織を目標に アメリカでは全米退職者協会(AARP)が最大のNPOであり、会員数3500万人、支部の数は4000といわれている。 ここは高齢者の生活を守り、福祉の向上について政策提言を行い、それを実現させる強い力を持っている。また会員向けのすぐれた共済事業を行っている。AARPについてはナルクとして研究調査し、ツアーを2回も出して接触を図ってきた。 一方イギリスのエージコンサーンについては、大阪で行われた日本の設立準備会に会長以下数名が出席し、はじめてその存在を知り今回の訪問となった。訪問の結果、高齢者福祉に取り組んでいる最大の団体であることも理解できた。また無償ボランティアがその活動の中心勢力になっているのも注目点である。政府や地方自治体からの財政支援(本部支部とも)が大きく、今後もっと接触して内容を詳しく調べ、でき得れば提携したい。そしてアメリカのAARP、イギリスのエージコンサーンと並んで、「日本のナルク」と呼ばれるようになりたいものである。 (野村文夫) |
2007年9月号 2面 | ||||
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ナルク・シニアサポーター(仮称)インストラクター養成講座を開講今年の総会で「ヘルパー3級の実習コースの中から必要なところを抽出して、ナルク独自の研修講座をつくり、会員はもちろん広く団塊の世代を中心とする一般市民に参加を呼びかけていこう」との決定がなされた。 ナルク設立の頃は「3級ヘルパー程度の技を持っていたい」との声に応え、正式な養成講座を一般にも開放して毎年繰り返して行ってきた。しかし介護保険が導入されて、ニチイ・コムスンなどの民間業者が大々的に養成講座を行いだしたので、以来取りやめて今日に至っている。 介護保険の改訂で地域包括支援センターが生まれ、利用限度額の引き下げもあり、今後はナルクに時間預託サービスの要請が高まるので、それに備えようとの主旨である。 この新しい事業を「シニアサポーターの養成講座」と名付け、7月30日カリキュラムを立案する第1回委員会が本部で開かれた。今後検討を重ねて具体的に拠点でこれを進め、インストラクターの募集・研修は10月末頃に実施される見込み。 長崎市に新拠点誕生長崎拠点は「ナルク佐世保」と改称全国127番目の拠点として「ナルク長崎」が誕生した。 設立総会は8月18日(土)午前11時から市内平和町の原爆資料館隣のパークサイドホテルで長崎市長などをゲストに迎え、盛大に開催された。 長崎拠点は以前から存在していたが会員のほとんどが佐世保市在住で、活動の場所も佐世保市であったため、ここは「ナルク佐世保」と改称し、今回生まれた拠点は、名実ともに長崎市を中心に活動する拠点のため「ナルク長崎」(愛称ばってん)と命名された。 今回は従来からの長崎拠点の有志と、4月に放送された「金スマ」を見られた方が中心となり、本部の指導を受けながら設立にまで漕ぎ着けることができた。今後の活躍を期待したい。 代表・村田牧氏 ▼△拠点情報△▼
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2007年9月号 3面 | ||||
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福祉調査センターだより意欲ある介護職員に良い労働条件をAいま厚生労働省の社会保障審議会で「福祉人材確保指針」の見直しが論議されている。福祉・介護サービス従事者は、平成17年現在で約328万人であるが、平成5年と比べて約4.6倍となっている。そのうち高齢者に関連する従事者の伸びは、平成5年の約17万人と比べて、約197万人と、12倍に達している。 従事者の特徴として、 1,女性の占める割合が高く、平成16年の実績で約8割を占めている。 2,非常勤職員が近年増加傾向にあり、平成17年の実績で約4割、このうち訪問看護サー ビスについては約8割を占めている。 3,入職率及び離職率が高く、平成16年における介護職員の数に対するその後1年間の採用者数の割合は約28%、離職者数の割合は約20%である。 4,給与の水準は、一律に比較を行うことは困難であるが、例えば平成17年においては、従事者の給与の平均を他の分野を含む全労働者の給与の平均と単純に比較すると、低い水準にある。 また「介護保険市民オンブズマン機構・大阪」の活動の中から「人手が足りないために一人の職員が二台の車いすを押す」「ナースコールで排泄を知らせるが来てくれる回数が少ない」などの声を聞き、また施設からは職員の応募がままならない現状を知ることが出来る。 介護保険導入6年、現状が明らかになり問題点も見えてきた。利用者として、第三者機関として、この明らかになってきた問題点の改善を見据えたい。 常務理事 青木富子 エンディング・エピソード入選作最優秀賞「星や風になって」 今治市朝倉 矢口利子「私に万一のことがあったら、遺影はこの写真にしてね」 一瞥しただけで再び新聞に目をやる夫に、無理矢理「わかったわかった」と言わせて10年経った。その写真はそれより7年前に日光で撮ったものでお気に入りの1枚である。賞味期限もどこ吹く風といわんばかり、17年もの間、タンスの上に鎮座している。 そろそろ還暦かというころから、やたらと家の中を片付けるようになった。なぜか50代の前半には感じたことのない焦燥に駆られたのである。 私は夫より4歳年上で、世に言う姉さん女房であるが必ずしも私の方が先に逝くとは限らない。万一の時に夫が慌てないようにと常々思っているのである。 友人にその話をしたところ、60代で遺影だの身辺整理だのと縁起でもないと笑われたが、書店に行っても遺言の書き方や、老いを対象にした著書がたくさん並んでいる。新聞にも「転ばぬ先に」と題して遺言の必要性を説いているではないか。 友人は旅行で家を空けるとき、キッチンまわりや整理ダンス、特に下着類はいつ誰に見られても恥ずかしくないようにきちんと揃えておくというから、人それぞれで面白い。 ある日、夫が会社からエンディングノートなるものを持ち帰ってきた。軽い気持ちで頁をめくった私は釘付け状態になった。(これだ!)私が求めていたものはこれなんだ、と心の内で叫んだ。死という暗いイメージや悲愴感がなく、画期的な着想でないかと思う。これほど深い愛情表現が他にあるだろうか。 私は39歳のとき、高校に入学した長男を頭に3人の男の子を残して離婚している。そして数年後、現在の夫と出会い再婚することになった。 あるとき、夫が養子縁組の話を持ち出したこともあったが、私の返事はノーだった。後継者がいないと代が絶えるわけで、いま考えると夫には申し訳ない結果になったのかもしれないが、この世で子どもは私が残した3人以外には考えられなかったのだ。 あれからすでに23年の歳月が流れ、私も名実ともに高齢者の仲間入りをした。 先日、カーラジオから何となくユニークな詩が流れてきた。「お墓の前で泣かないでください。私はそこにいません」という言葉で始まり、「星や風になって皆を見守ってあげます」という内容の詩で軽い衝撃を受けた。 という訳で帰宅後、私たちはお互いのために遺言を書いた。戸籍上子どものいない私たちは墓も葬儀も不要、遺骨も残さないという思いが心の底に澱んでいた。思い切って夫に打ち明けると、全く同じ思いだった。そんな会話のあとで夫の横顔にふっと一抹の寂しさを垣間見たのは西の空を染めた残照のせいだったろうか。 (著者のご了解を得て原文を抜粋しました) ▼△エンディングノート一口メモ A△▼生前準備の範囲は非常に広く、臨終の迎え方から葬儀の形式や規模、墓地、墓石、法要さらに相続に関することまで非常に多岐にわたります。また尊厳死に対する考えや献体や臓器提供の意思、万一の際に連絡して欲しい人のリストや遺族、友人などへのメッセージを残すのが大切な生前準備です。特に財産に関することは公正証書にしておくべきです。 ▼△生涯学習センターニュース△▼@J&Bコーラス第2・4金曜13時 大阪産業創造館15F 075・712・4012広部 A劇団ナルク 第2・4金曜15・30 大阪産業創造館15F 06・6351・0733 茶谷 B司馬「街道を行く」 9月23日(日) 今井・橿原散策 06・6876・1832 藤岡 Cケアメイク出前講座 拠点・施設 応相談 インストラクタ終了研修 講師:赤木久子氏 10月3日(水)10時 12時〜14時 交流会 ▼△HOW縁結び△▼年内に一組は成功させたいとの思いで、只今奮闘中です。引き続き独身男女募集中です。まずは本部までお電話ください。 06・6941・5548 安藤順子 巽豊子 拠点リレー訪問30ナルク堺(ひまわり会)訪問記ナルク堺は昨年、政令指定都市になったばかりの大阪府堺市を中心に活動しています。堺市は人口83万人、面積150平方KMで大阪市に隣接する大都市,歴史的には仁徳天皇陵をはじめとする多くの御陵や茶道の創始者千利休を生み、鉄砲鍛冶から包丁に至る産業で栄え、最近も石油基地や鉄鋼プラントなどで日本の産業を引っ張っています。 大阪の南、難波から南海電鉄高野線の急行で20分足らずで中心部の堺東駅に到着します。 早野副代表に迎えて頂いて駅から5?6分のところにある総合福祉会館2階の事務所に案内され、待ち構えておられた神田代表、大上事務局長、古野監事の皆さんと早速懇談に入りました。 ナルク堺(ひまわり会)はナルク本部発足の約1年後、本部の設立時から関わられた神田代表を中心に設立され、今年は第13回の総会を迎えました。現在の会員数217名、時間預託点数1711、奉仕点数3506と着実に活動されています。 今迄の活動の特徴 ・会員の方のご好意で設立当初から格安で事務所を持つことができ、安定した活動を展開できたのが大きい。 ・時間預託活動は家事援助、庭の手入れ、移送、パソコン指導など。 ・奉仕活動は福祉施設との協力関係を大切にしてきた結果、幾つもの施設で大きな成果が上がっている。 ・趣味・スポーツなどの「自立と相互交流の会」はとても大切な活動と位置づけている。各施設や市民会館での「民舞の祭典」に年間延べ185名が参加、「民舞の会」(日本舞踊)やカラオケ同好会(90名),ウオーキングの会(122名)などとても活発。 ・本部の福祉調査センターへの参加をいち早く始めて、賛助会員の方々のご支援も頂いた結果、収支決算は黒字となり安定した拠点運営を達成。 ・これらの活動の成果として昨年度の会員数は大幅に増加。 今後はどうする ・顔の見える集団、地域に根ざした集団に変身しようと「まず地域に根ざした貢献を行う」という方針をいち早く打ち出した。 ・堺市は政令指定都市施行時に7区に分けられたが福祉行政としてはまだ1体の運営である。しかしナルク堺としては既に拠点を4つのブロックに分けて地域リーダーを決め、コーディネートも自主的な運営を始めた。その結果、地域施設との結びつきが強まり、早くもあるグループホーム運営推進会議の構成員に早野副代表が参加されるまでになった。 ・今年から堺市総合福祉会館に立派な事務所を借りることができた。駐車場、室料、光熱費等も格安なうえ、会議室、事務機器利用ができ、ボランティア情報にいつでも触れられる天国のような事務所である。これも地域との連携を熱心に進めた成果だった。正に「求めよ、さらば与えられん」である。 取材当日は,リーダー研修会が行われていましたので、傍聴させていただきました。運営委員と各地区の方々が16名参加されて、コーディネートと活動の実際について研修されていましたが、報告は詳細で質疑もとても熱心で真剣な雰囲気で「さすが」と感激でした。 皆さんの熱意と力が新しいブロック制への挑戦を必ず成功されるであろうことを確信して台風4号が近づいた堺を後にしました。(野村文夫) |
2007年9月号 4面 | ||||
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読者の広場俳句 栃木 小林正治五・七・五を楽しむ会 六月例会入選句 杜若絞り鮮やか雨の中 遊閑 法螺貝のひびき一山春めきぬ 風花 柿若葉母屋を隠し田に浮かぶ 昌 夏空に煩悩の如煙噴く 瀧水 木漏れ日に凛と浮かびし水芭蕉 灯七 雲雀舞う閑雲野鶴空高く 鹿之助 山笑ふ我の輪廻を思ひけり 竹華 股のぞき一筋の松風渡る みほこ ふと見るとそこにあなたの花がある 風鈴 行く雲や北はふるさと花の頃 桜子 見ぬうちに裏の卯の花萎みけり 珍念 母の忌の豆粒ほどの実梅かな まさゆき 陸奥は百千の花の季となりぬ 堅香子 緑陰や水琴窟の音澄めり み ち 特養でのピアノ演奏 埼玉 島野光男 定年退職後、大学時代の寮友から誘われて、ふらっとナルクに入会して8年がたちました。一日80円の食券にも事欠く貧乏学生の時代を経験しましたから、無意識のうちに他人様の苦労は看過できない性癖があったのかもしれません。 今は月に一回程度、特養ホームへ行って、道楽の「ピアノ演奏」をし、高齢者の方々と楽しいひと時を過ごしています。お歳を召された方は、カラオケではテンポや音域がついていけません。そこでピアノの脇に来てもらって、その方の歌に合わせて童謡、古い歌謡曲、民謡などを弾いてさしあげるのです。 この施設では70歳の私も「お兄さん!あれ弾いてちょうだい」と呼ばれて、今やおばあちゃんたちの「アイドル」なのです。 これってこちらが「生きがい」をもらっているようなものですネ。 また、この地方の公民館活動で講演を依頼され「老いを心豊かに生きる」と題して、2時間ほどお話した中に「エンディング・ノート」の話題に触れたところ、すぐに購入したいとの申し込みがあり、即座に10冊近くが売れました。今後もこんな機会を持ちたいと考えています。 生涯に残るナルク海外視察研修旅行 かずさ 小畑繁巳 昨年のNALC海外研修旅行は私用で涙を呑んだので、今回は締め切りの午前0時と共にFAXで申し込みをした。しかし成田からの申込者が6名以上いないと成立しないので、祈る気持ちで待つこと数日、JTBより説明会に来るようにとの案内が来た。 説明会では成田から8名ロンドンに向かうように言われる。成田より出発するつもりで準備していたところ、チケットの都合で羽田・関空と飛んでくれとのこと。羽田に前泊するか早朝羽田に行くか迷った挙句、羽田に向かい、関空で関西組みと合流、ホットする間もなくイギリスへと飛び立つ。 ロンドンで乗り継ぎエジンバラへ、君津を出て20時間かけて念願であったイギリスへ着いた。 今回の参加者は40名で、目的は日本人ロンドンボランティアの会との交流、英国介護福祉の現状視察と現場の人達と交流がメインである。日本食を囲み日本人ロンドンボランティアの会との交流は興味津津であった。 代表の在英47年牧師の園田氏と話したが皆さん広範囲に住んでいて1箇所に集まって日本人だけでNALCを立ち上げるのは無理だとおっしゃっていた。 エイジコンサーンウエストミンスター支部の福祉施設現場で通所者と一緒に昼食、談笑、エアロビクスを元気にやった。81歳のおばあちゃんがボランティアで我々の食事の世話をしてくれた。 観光はエジンバラ城、ロンドン市内観光(バッキンガム宮殿、ピカデリーサーカス等)フランスへは列車ユーロスターにてドーバー海峡を渡る。 凱旋門、エッフェル塔などを観光、最終日はオプションでベルサイユ宮殿とトリアノン1日観光に参加、夕食は凱旋門近くのレストランでお別れパーティーで盛り上がった。 大きな思い出に残る事が2点ある。エッフェル塔観光に11名で行きホテルへ帰るのにタクシーが拾えず、地下鉄で帰ることにしたが言葉が分からず1時間くらい四苦八苦、夕食のお別れパーティーに遅れそうになる。 また帰国の際、パリでチケットの関係で2班に別れた。関東組みを含めた17名は理由の分からないまま1時間遅れるはめになったが、ロンドンで待つ先発組みに知らせるすべがない。通りかかった日本人スチュワデスに聞くと「ロンドン発成田行きには間に合わないでしょう」と言われた。 ロンドンに着くと成田行きの飛行機も1時間遅れだったため、結果はセーフだった。 今回一緒に旅行したNALCの皆さんと友達になり、各拠点の事が少しでも分かりお近づきになれたことを生涯の宝物としたい。 記者レポート[USA] 日系夏祭り7月8日、日系コミュニィティー誌主催の夏祭りがトーランスで行われ、私たちナルクUSAも輪投げと活動の説明ブースで参加しました。10時の開場と共にたくさんの方が来られ、「これは何をする団体ですか?」、本部の旗を見て「日本のナルクを知っています。同じものがこちらにもあるとは知りませんでした」という方もおりました。 私たちは暑さも忘れ、1日を楽しく過ごしました。多くの方にナルクUSAの存在を知っていただき、これから確かに活動が広がっていくだろうと言う確信を得て、疲れはどこかへ飛んでいきました。 翌日早速問い合わせのお電話を頂き、今後もますます会員の皆様と力を合わせ、これから来る私達の高齢化時代に向けて助け合いの輪を広げていこうと、改めて思いました。 ナルクUSA 会長 <ツエ恵子> [千早赤阪] 地球温暖化防止活動 ナルクの会員や子どもたちと一緒に小学校の窓に「ゴーヤのグリーンカーテン」づくりを行い、地球温暖化防止の活動をしました。 これは大阪府が2002年から始めた「地球温暖化防止活動推進員」による活動の一環で、記者もナルクの会員として、活動に加わっています。 当日はゴーヤの植え付け作業だけでなく、スライドを使って環境問題の大切さを学ぶ勉強もいたしました。子どもたちは「光合成」については理科で学んでいますが、それが環境問題になかなか結びついていないようです。村の二酸化炭素削減運動に今後も取り組んでいきます。 <松岡昭夫> [茂原] シニア料理教室開催 7月13日、ナルク茂原では初めてのシニア料理教室を中央公民館で開催した。テキストにはナルク発行の「お父さんには初めての料理」を使用、講師の指導が好評で参加者は料理に自信を深め、今後毎月1回開催し、参加者を増やすとともに一人暮らしの高齢者を会場に招き、できたての料理をご馳走し楽しさも味わってもらうことにした。 <森 可昭> [高槻・島本] 活動フェスタ大盛況 JR高槻駅前で7月12日から始めた「高槻・島本ナルク活動フェスタ」は期間中400名を越える来場者があるなど、盛会裡に終えることができた。プロ並みの絵画・写真・陶芸の展示に加え、活動状況を細かにお伝えしたところ、即刻入会された方、「先日テレビで紹介された団体ですね」などの問い合わせも相次いだ。今後ともナルクのPRに務めていきたい。 <田中雪夫> [札幌] サロン1周年記念 昨年オープンした「シニアサロン・さくらんぼ」は地域の高齢者からも支持され順調に発展してきたが、10月14日にめでたく1周年を迎えることとなった。高畑会長もセレモニーに出席し、古着のリメイク作品展、男の料理教室などが賑やかに開かれる。結果は後日またご報告します。 <河上道子> [亀岡] 山を広葉樹で一杯に 6月23日、亀岡拠点の会員や地元の小学生ら40人がクヌギの苗木1300本ほどを近くの休耕田に移植した。 これらの苗木は会員らが木の実から育てたもので、20〜40センチに育ったが、3年後には1bぐらいに成長させ、今度は本格的に山に植林する予定という。 この運動の発案者である石川禧子さんは「日本の山には広葉樹が少ないので、山の保水力が減少しています。これらクヌギなどの広葉樹はドングリが採れますので、動物たちの餌としても貴重な存在です。何年か後には動物の食堂や市民の遊び場になる森を再生させたいのです」と夢を語っている。 <平岩久和> |