2007年8月号  1面
         ナルクの自立する新しいシニア像
        ボランティアの合間に趣味・スポーツも
          友達ができた 介護予防効果も

  ナルクの同好会調査注目を集める
 子育てを終えた主婦や定年退職者が中心になって、全国126の地域で拠点をつくり、事務所を設け、コーディネーターを置いて恒常型ボランティア活動を続けているNPO法人ナルクの理念は、「自立・奉仕・助け合いを通じて生き甲斐を」である。
 環境美化や子育て支援の奉仕型ボランティアと、高齢者の介護を主とした助け合い時間預託ボランティアを並立させながらも、その合間に会員同士が趣味やスポーツ・学びの同好会活動(クラブ)を各拠点で活発に進めている。ボランティアで「出会い」が得られるけれども、それをさらに確かなものにして「心の許せる地域の友」にまで高められるのが同好会活動である。
 ナルクではこのほどこの同好会活動の実態を掴むべく2回目の全国調査を行った。日本が少子高齢化社会の階段を駆け上がっている中で「生涯学習」や「介護予防」の重要性が強調されている。その視点からもこの調査資料を検証してみるべきだろう。

 同好会の種類も参加者も5年で倍増
 ナルクは2002年にも同種の調査を行っているが、それと比べると同好会の種類が118と、前回の64に比べて倍増している。また参加者数も6044人の多くに達している(前回は3745人)。 子どもの世話にならず、社会のお荷物にならないよう自立して生きていくためには、先ず健康であることと、認知症にならないように心がけることである。もちろん「ボランティアをさせてもらう」ことにより「健康と生き甲斐」は得られる。しかし週1〜2回ではややおぼつかない。それをカバーするのが同好会活動である。シニアの居場所として同好会が果たしている役割も大きいものがある。
 団塊世代の大量退職が始まったが、彼らの最大の悩みは、仕事がなくなった空白感と、「居場所がない」という寂寥感を埋められないことだそうだ。「ナルクの同好会に行けば友達もできるし、第一若返ります」という多くの会員の声は定年後、地域で社会貢献活動をしながら、新しい「出会い」を果たしたいと願っている団塊世代に新たな結城を与えるだろう。
 ナルクの同好会の特徴は趣味の会の講師やスポーツクラブのインストラクターが会員の中から得られることである。それだけナルクには多彩な経歴や資格を持った会員が集まっているので講師代なども安価で済んでいる。

 パソコンがトップ
 参加者の多い同好会ベストテンは左図の通りである。
 前回4位だったパソコンが2倍以上の参加者となり、断トツのトップになったのは、ユビキタスの世界がシニア世代にも着実に浸透していることを窺わせる。
 歩こう会(ハイキング)、料理教室、カラオケは相変わらず根強い人気がある。今回目立ったのは「健康麻雀」である。いわゆる「飲まない・吸わない・賭けない」の3原則を守ることを前提とした麻雀だが、従来の麻雀が10位であるのに対し、こちらは堂々の5位。 11位から20位は男性料理教室、絵手紙、囲碁、グルメ、農園、健康体操、歌声喫茶、俳句、蕎麦打ち、筋トレといったところ。  ベスト30までになると、手芸、園芸、トレッキング、歴史探訪、将棋、庭木などが入ってくる。

 参加者の多い拠点
 「東大阪・大東」が群を抜き、以下奈良、かずさと続くが、ベストテンは左表の通り、11位以下は「枚方・方の」「かしま」「船橋」「茂原」「釧路」の順であった。
 1位の東大阪の坂谷代表は「全国1と聞いて驚いています。つまりコミュニケーションの良さも全国1と言えましょう。パソコン教室、料理教室、健康麻雀、カラオケの4つで、ぐっと数字を伸ばしたようです」と言っている。

 種類の多い拠点
 1位の「かずさ」と2位の「奈良」が20種類を越えている。
 ちなみに「かずさ」の同好会を挙げると、パソコン、カラオケ、ハイキング、ゴルフ、グランドゴルフ、旅行、囲碁、手芸、園芸、将棋、
絵画、パッチワーク、編み物、花壇作り、釣り、大正琴、書道、詩吟、コーヒー、手話ダンス、盆栽、刃物とぎ、と実に多彩である。
 また2位の奈良には「投資塾」という変わった同好会もある。

 変わり種同好会
       全国の変わり種同好会をみてみよう。
          「歴史探訪」         (かしま・富山)
          「味噌作り」         (北見・釧路・かしま)
          「気功」            (茂原・宝塚川西)
          「ヨーガ」           (ふくい)
          「オカリナ」          (枚方交野・河内長野)
          「ハンドベル」        (埼玉西・市川・みよた)
          「寿司教室」         (船橋)
          「コーヒー教室」       (かずさ)
          「パン教室」         (日立)
          「三味線」           (水戸・市川)
          「お抹茶」           (寝屋川四条畷)
          「宝くじ購入」         (三重中央・大垣)
          「百人一首」          (富田林)
                                   などが目に付く。
 居場所づくりと介護予防 
同好会に類似した活動として「サロン」がある。全国には、サロン活動でシニアの温かな居場所作りに貢献している拠点も多い。中でも札幌の「さくらんぼあさぶ」は市の助成を受けて、パソコン教室や料理教室などを毎日開催するという本格サロンである。
 その他「豊中・池田・箕面」の「わかばサロン」や大阪の「栄養映画の会」、新しいところでは、4月にオープンした彦根の「ナルクの館」などは、広く市民にも門戸を開放し、地域に於ける高齢者の居場所になりつつあり、ナルクのPRにも貢献している。
 健康志向のクラブとしてはナルク寝屋川(かずきの会)の「早朝ラジオ体操クラブ」がある。これは当初20名の会員だけで始めたが一般市民の参加が増え、今や300人が集う会に発展、注目をあびている。この種の活動は地域のシニアの交流の場となり、改正介護保険が目指す「高齢者の介護予防」の一環になる展望をもっている。新潟県で全県的に広まっている「お茶の間づくり」のような運動と連携をもちながら、これらが高齢者の手による高齢者のための活動として定着するよう期待したい。

2007年8月号   2面
          ナルク2007年海外研修旅行
            英国・パリ 6泊8日の旅

 英国はスコットランドからロンドン そして ドーバー海峡をユーロスターで渡り、パリを巡る6月18日から8日間の研修旅行に、急な事情で参加できなかった高畑会長を除く、総勢40名が関西空港から出発した。
 最初に訪れたスコットランドのエジンバラは、美しい景観と数多い中世の家並みが残る、ユネスコ世界遺産に指定された首都である。
 少し肌寒さを感じる気温の中で、エジンバラ城やその周辺を散策し、歴史の重さに感動した。スコッチウイスキー醸造所を訪れた時は、本場ウイスキーの試飲に笑みが浮かんだ。国立美術館や博物館は、すべて入場無料なのに驚かされた。

 LVK(ロンドン・ボランティアの会)と交流
 ロンドンでは、LVK(ロンドン ボランティアの会)の皆さんと夕食を共にし、高畑会長の心のこもったメッセージが紹介され、良い交流会を持つことができた。
 この会は、ロンドンにおける日本人コミュニティのための相互扶助の会であり、この日は、11人の方々が私たちを暖かく迎えてくださった。日本でのNALCの活動を知ったのをキッカケに、発足したとのこと。 
 ナルクといい関係を保ち、ナルク・ロンドンが誕生することを願った。

 福祉施設を見学
 翌日、高齢者介護に携わる英国最大のチャリティー団体、エイジコンサーンのウエストミンスター支部へ視察研修。ロンドン大学の会場をかり、エイジコンサーンの組織・活動について、話を聞く。 
 英国では、質の良いサービス提供のため、地方自治体が他のセクターとパートナーシップを組む動きがあり、エイジコンサーンもこの行政とチャリティー団体におけるパートナーシップの事例の一つであることなど話された。その後 2組に分かれて、デイケアーサービス施設を見学した。(エイジコンサーンについては、次号に記載)

 ユーロスターでパリへ
 ロンドンからはユーロスターでパリへ渡る。凱旋門・エッフェル塔など市内観光や、それぞれのオプショナルツアーに参加して、心いっぱいパリを満喫した。 フランスの2日目は、限られた時間であったが、日本からのメンバー参加によるさよならパーティーで最後の夜となった。
            (阿部国子)

女性の視点
    ラジオ体操の輪       遠藤静江(札幌)
        ♪新しい朝がきた
             希望の朝だ・・・
 毎朝6時30分、NHK第1から流れるラジオ体操の歌です。
 地域の体操会と関わって15年ぐらいになります。当初は主人の単身赴任と子どもの自立で一人暮らしになって町内の公園に足を運び参加するというものでした。しかし、だんだん日にちが経つと、地域の人々との交流の輪が広がっていきました。
 ラジオ体操というと小学生の頃、夏休みに眠たい目をさすりながら庭箒を手に近所の広場に行ったことを懐かしく思い出します。そこにはいつも百名ぐらいの子どもがいて、体操が終わると上級生のお兄さんお姉さんから、首に下げた出席カードにハンコを押してもらい、それから皆で町内の道路を箒で清掃したりしたものでした。
 現在は少子化で早起きして来る子は多くても15名ぐらいです。夏休みの時は一時的70名ぐらいになりますが、残念ながら長続きしません。それでも可愛いしえらいなと思います。
 札幌市内には体操会が各地にありますが、冬は一部を除き休みとなります。私が参加している中央公園も5月から10月までの期間限定です。毎日参加人数を数え記録し、反省会の時に配ります。天気・大人の数・子どもの数、ついでに犬も数えます。犬も首輪にカードをぶら下げていてハンコをもらうのです。子どもたちも犬をなでたり大喜びです。中でも「プー太郎」は一番の人気犬(モノ)です。
 土曜日には、子どもたちは公園の清掃をします。その時はハンコが1つよけにつきます。ハンコが一杯になったらささやかなご褒美が当たるのです。その他に全盲の方をガイドして参加される86歳の元気印の女性がいらしたり、しばらくお見えにならないと思っていたら亡くなられていたなど色々なことがあります。
 昨年10月に拠点で「シニアサロン」を開設した際にパソコン・麻雀・写経などと共に「ラジオ体操」も組み入れていただきました。自分の体力に合わせて無理なく皆さんとご一緒できる喜びを味わっています。全国のナルクの皆さん!それぞれの土地で「いち・に・さん・し」とラジオを通じて元気に体操をしませんか。

  知ッ得    社会格差に対する生活者の意識A
 前回に続き社会格差に対する生活者の意識を探ります。社会への問題意識が高いほど格差を実感するようにも見えますが、それらの人も結構人生を楽しんでいるのが実態です。

 1 格差を感じても当事者意識は高くない
 格差を実感しても、周囲の評価認識(周りにどのように評価されていると思うか)や自己評価では「中流」という認識が多い。格差とは2極化へ向かう現象とだと考えられるが、周囲の評価認識や自己評価はいずれも「中の中」クラスを中心の正規分布になっている(図1)。
 対象者の8割が「格差を実感する」と回答し、7割が自分は中流(中の上〜中の下)と認識している。
 このことから格差を感じても「自分は格が下」という当事者意識はあまりないようだ。
省略したが評価クラスが上がるほど格差の実感が和らぎ人生を楽しんでいることも確認された。その中で下のクラスでは「格差を非常に感じる」が高くなるため、格差はやはり非常に重要な問題と言える。
 下クラス認識の年収は300万円以下が7割である。非正社員と年金受給者が多い。
 周囲の評価と自己評価を比べると概ね一致する。自己評価では周囲の評価と比べ、「中の下」が減少し、「中の中」が増加している。自己評価はより中流意識が強い。

 2 少子高齢社会が最大の社会問題
 社会現象の問題意識では、少子高齢化が最も高く、凶悪事件の増加、社会規範の軽視、モラルの低下、犯罪の弱年齢化が続く。
 それに次いでは労働意欲喪失層(ニート等)の出現、社会への適合が不得手な層(引きこもり)の出現、医療制度年金制度の改革などが50%を占める(図3)。
 一方、村上ファンドやライブドアで言われた拝金主義的風潮問題や晩婚化はあまり高くない。格差問題は犯罪の弱年齢化に次ぐ4番目である。
 社会現象に問題意識を持って反応した数を分類すると5個と答えた人が都市、地方共に10%強で一番高い(図2)。
 都市の平均反応数は7・6個で5個と9個付近に2つの山ができており、問題意識の2層化が生じているようにも見える。(白石勝也)

2007年8月号  3面
           福祉調査センターだより
 昨年4月の介護保険制度の改定により、これまで要介護1の人たちを「要介護1」と「要支援2」に分け、要介護1の人たちにはこれまで通りの「介護給付」が適用され、要支援1、2の人たちには保健師や主任ケアマネージャーが立てる「新予防給付」が適用されることになった。
 今までのサービス内容を「要介護状態にならないようにする」という視点で見直し、在宅サービスを支援する新地域支援事業(転倒予防・筋力向上・栄養改善・口腔ケア)も地域包括支援センターで行われるようになった。
しかしここに一つ問題がある。介護度が改善されることは介護業者の収入減につながることが明らかになったのだ。
 先般の「コムスン」の不祥事でも、ヘルパーにノルマがあることが報道されたが、業者側は収入が減れば人件費の抑制を考えざる得なくなる。
 特養などの施設でも「職員待遇6項目」の質問に対し、福利厚生・職級・役職・雇用形態については満足と答えた人でも、賃金については不満を持っている人が多い(大阪府社会福祉協議会の「介護職員の業務に関する意識調査」より)。
 厚労省の調査でも、介護職員やホームヘルパーの賃金は日本の全労働者の平均賃金を大きく下回っていることが明らかになっている。
「意欲ある介護職員が働き続けられる労働条件を」と声を大にして訴えたい。
(常務理事・青木富子)

             新拠点情報
     東神戸(仮称)   9月設立を目途に準備中。他に全国22カ所で設立の動き。
     立ち上げ説明会
                  6月18日 宇多津
                  6月23日 長崎2回目    7月14日 長崎3回目

             記者レポート
  [吹田]     第9回ボランティアフェスタに参加 
 第9回吹田ボランティアフェスティバルが5月27日(日)、吹田市役所前広場で開催されました。WAC/NALC協働の「高齢者擬似体験」も主催者からも期待されるようになっており、毎年、スタンプラリーの対象テントに指名されております。今年は大人と子供を合わせると120名くらいの方に高齢者疑似体験をしていただきました。参加された20名の会員も爽やかな思いを胸に家路につきました。      (仲甲三)

  [埼玉西]   顔合わせ!心合わせ!力合わせ!の総会 
 ナルク埼玉西定期総会・交流会は6月10日(日)所沢市文化会館で開かれました。
 テンポのよい司会進行とスムーズな議事進行のおかげで、全議案が全会一致で確認されました。
 その後、秩父地区(現、ちちぶ拠点)から新拠点創設の経緯や今後の抱負、長年埼玉西拠点の仲間として活躍した回想など感慨深いご挨拶がありました。

 総会の後、交流会が開かれ『会員が一堂に集うことによって“顔合わせ!心合わせ!力合わせ”に繋がる。そのことがナルクの活動を盛り上げることになる』という冒頭の挨拶が印象的でした。
 比企地区から一年間の練習の成果であるオカリナ吹奏のメロディ4曲、参加した全員が所沢地区のコーラスサークルと一緒にHow do you do!do!do!を大合唱、その後はトーンチャイムの魅力たっぷりの音色が響き、文字通りの「声合わせ!音合わせ!仕合わせ!の交流会」となりました。(坂田)

  [芦屋]  芦屋市から表彰
 6月19日にナルク芦屋は芦屋市から善行賞「つつじ賞」をいただきました。親切な行為や町の美化など身近な善行を続けている人や団体に6月1日の「善意の日」の前後に贈呈されるものです。
 ナルク芦屋は市内の特別養護老人ホーム等でのボランティア活動、クリーン作戦や1月17日の震災記念日での記帳・献花の受付などの活動が評価されました。
来年設立10周年を迎える芦屋拠点にとっては日ごろの活動に大きな励みになることと喜びを噛み締めています。               (本郷 孝)

        エンディングノート一口メモ @
  生前準備とは
 自分の最後や没後のさまざまな事柄について生前に決めておくことです。
 悲しみに沈む遺族が故人の遺志に沿った葬儀などを行うのは、簡単ではありません。突然のことならなおさらです。
 こうした遺族の負担を軽減し自分らしい最後を迎えるために、また一人暮らしや単身という理由からも、このところ生前準備をする人が増えています。

         生涯学習センターニュース
   @J&Bコーラス    第2 4金曜13時     大阪産業創造館15F
                  問い合わせ 広部    075ー712ー4012
      去る7月5日(木) 午後1時半から吹田市メイシアター小ホールで
      結成5周年記念コンサートを行った。(1面写真参照)
   A劇団ナルク      第2 4金15時30分   大阪産業創造館15F
                  問い合わせ 茶谷    06ー6351ー0733
   B司馬「街道を行く」  暑気払いパーティー
        8月25日(土)   心斎橋「梅の花」
                  問い合わせ 藤岡     06ー6876ー1832
   Cケアメイク講座
     出前講座受付中   問合せ 安藤・巽     06ー6941ー5448

             HOW縁結び
    現在素晴らしい女性が多数申し込まれています。男性の勇気ある申し込みを
    お待ちしています。安藤順子     06ー6941ー5448

        高畑会長より30万円の寄付
 当会会長の高畑敬一氏のご母堂ふきゑ様が6月14日、老衰により大阪府枚方市の自宅で逝去された(享年98歳)。
葬儀は6月16日長年住まわれていた郷里の富山県射水市でしめやかに執り行われた。
高畑敬一氏は全国各方面から寄せられたご芳志を関係各方面に寄贈されることとし、ナルクに対してもこのほど30万円を寄付金として贈られた。

          拠点リレー訪問29
    「ナルク京都・ことの会」   全ては健康から始まる
 ナルク京都の事務所は京都の北部、宝ヶ池国際会議場の近くのマンションにあります。1K(6坪)の部屋を2室使っているため、トイレや風呂も2つあります。
 4月現在、会員数は439名で京都市を中心に13市2町約200万人のエリアをカバーしています。
 ナルク京都は緩やかな集合体のブロック制を採りながらナルクのミッション(自立・奉仕・助け合い)を「会員の健康が社会貢献の第1歩、全ては健康から始まる」に集約し、会員の活動の原点にしています。
 もともと京都人は「団体に縛られるよりも、自由を好む」という傾向があります。「良き個人主義」というのが京都人気質と言えましょう。長い歴史が培った京都人たちの生活の知恵かもしれません。
 「ブロック制によって広いエリアをカバーでき、地域の特性に配慮したきめ細かな活動を可能にし、全体として大きな素晴らしい力を発揮できるのです」と生駒信三代表をはじめ取材に応じてくださった5人の運営委員の方が異口同音におっしゃっておられました。
 ブロック制の特性を発揮するために、各ブロックの独立性をできるだけ大切にしているのが京都の特徴です。奉仕活動などはブロックの責任でやっています。ブロックの名称も「かもがわ」「レインボー」など設立時の思いを大切にしておられます。
 一方で、施設の大きなイベントなど1ブロックで手に負えないときは、ブロックを超えて知恵と人員を出して、互いに助け合い柔軟に運営しているとのことでした。
 「健康こそが社会貢献」という自立第1の拠点ですから、同好会活動は活発です。「健康料理教室」「健康麻雀」「山歩会(ハイキング)」「オンチ教室(カラオケ)」「映画とおしゃべり」「なあルック(写真撮影)」「ヨーガ教室」など多彩な同好会があります。 その中で異彩を放つのが「健康ふれあい麻雀」です。毎週木曜日、車椅子の方や酸素ボンベを使用中の方も含め10時から4時まで30人の人が集まると言うから驚きです。忘年会など年4回の大会には延べ170人の方が脳の活性化に励んでおられます。 また「仲良し会」という同好会もあり、特養の見学・芋掘り・バス旅行・札所巡りなどを実施、会員募集にもつなげているとのことでした。 時間預託活動も昨年度は1500時間と順調に伸びています。一方の奉仕活動は、老健・特養・デイサービスなど4施設で行い(外出介助・話し相手・入浴後の整髪・車椅子サポート・喫茶・夏祭りの手伝いなど)河川や駅前清掃などと共に地道に続けております。
 「ことの会」の「こと」には古都・琴など色々な意味を込めておりますが人との結びつきを意味する「8弦琴」の音色もイメージ「会員同士が色々な意見を出し合って京都らしい素晴らしい発想を生み出す」という期待も込められているとのことです。
 今後ブロック制を目指す拠点に「拠点事務所はブロックの独立性を大切にし、縁の下の力持ちに徹することです」というアドバイスもいただきました。「2009年に京都で行われるナルク15周年記念行事に全力を尽くします」という皆さんの力強い言葉を耳に帰途につきました。        (記・日比野昌弘)
           ネパールのホテル
 下の広告はナルクの会員が経営するホテルです。ナルクの会員は1ヵ月10万円で滞在可能です。5月から10月のベストシーズンにどうぞ。

2007年8月号  4面
               読者の広場
         都々逸  
           雨も上がった  田舎の夜風  月が笑った水たまり
           何の取り柄の   ない人だけど  嘘のつかないとこが好き
           老いているけど  まだまだ捨てぬ  夢は今でも追いかける
                                    水戸・助川浩史

       随 想 @ 
         とても少ない病児保育サポート
                                    東京 賀川祐二
 私が地域の仲間と行っている子育て支援活動についてお話しします。
 私が行っているのは「病児保育」です。病児保育とは普段保育園などに通っているお子さんが風邪を引いて熱を出したりしたとき、保育園が預かってくれないため、保育園に代わって保育を行うというものです。 現在、都内東部と埼玉県西部で40人のサポートスタッフと共に、約200人の利用者のサポート活動をしています。
 ほとんどの親は風邪の時ぐらい子どもを自分でみてあげようと思いますし、周囲もそう思います。しかし大きな仕事を任され、責任ある立場に立っているお母さんがとても多くなりました。そして都会ではほとんどが核家族で、おばあちゃんおじいちゃんが近所にいません。地域社会にも深い関わりがなく困っている人が大勢います。中には看護休暇をとり過ぎてクビになったという人もおります。
 そのような社会環境の中で私たちは病児保育を多くの人が利用できるよう、子育てと仕事が両立できるよう、日々その普及とサポート活動に励んでおります。
 病児保育には心ある小児科医が院内に保育室を併設しそこで看護と保育をする「病児保育室」か、私たちのように利用者のお宅に伺う「派遣型病児保育」か2種類があります。病児保育室は全国で600ヵ所弱、保育園の3万ヵ所と比べるととても少ない数です。
 私たちはそれを補完する意味で3年前に試験的に川越市でこの活動を始めました。所沢市では今年の6月から埼玉県の委託業者と協働してその一部を運営するようになりました。厚労省も「緊急サポートネットワーク事業」として展開し始めましたが、予算も少なく首都圏全域を網羅するには至っておりません。
 大変なのは「依頼はいつも突発的だ」ということです。何人かに連絡をとっても既に他の用事が入っているというケースが多々あります。そのため依頼の何割かはお断りしているというのが現状です。サポーターの方を時間拘束して謝礼をお渡しする体制をとれば、可能かも知れませんが、利用料金が高くなってしまいます。まずサポーターの数を増やすのが先決です。
 ナルクには色々な人生経験を積まれた方がたくさんいらっしゃいますので皆さんのお声も参考に、協働で子育ても仕事もできる地域社会を作っていきたいと思っています。
    「NPO法人・病児保育を作る会」    電話047ー401ー0804

    随 想 A
        脳卒中で倒れない方法
                                  美弥 千葉 武
 福岡市の小学校の校長会で配られた面白い資料をご紹介します。中身は「脳卒中で絶対に倒れない方法」というもので、脳卒中予防のための飲み物の作り方が書かれています。国分寺市の「慶昌園」という養護老人ホームで試されたほか、数千人の方が飲まれていますが非常に良く効くそうです。
   作り方(1人分)
      1 鶏卵の白身1個分
      2 フキの葉汁小匙3杯
        生のフキの葉を3枚ほどすりつぶしそれ を漉したもの。ツワブキはダメ。
      3 清酒小匙3杯(焼酎はダメ)
      4 梅漬1個-
        塩漬けにして柔らかくなった梅をすりつぶす(土用干しした梅はダメ)
  厳重注意
     必ず番号順に入れること。1品を入れる毎に良くかき混ぜること。ツワブキ、
     焼酎、干し梅などダメなものは絶対入れない。
     この飲み物は古くから伝えられているもので、ご存じの方もおられるかもし
     れません。
     何杯飲まれてもいいのですが、一生に1度飲むだけで良いそうです。早速試
     されては?

  お詫び
 5月発行の本紙1面で公開質問状に対する各政党の回答中、共産党の保険料国庫負担3%とあるのは30%の誤りでした。お詫びして訂正します。(編集委員会)