2007年7月号  1面

ボランティアポイント制(新聞報道)で波紋
ナルクの総会でも質問続出

 ナルクの第12回総会・全国代表者会議は5月25日に本部からほど近い大阪中央区の「阪産業創造館」で126名の参加を得て開催された。
 議長に高橋度正会員を選び、2006年度事業報告と決算報告が行われ、活発な質疑応答を経ていずれも承認された。このあと2007年度の事業計画と予算、および組織拡大5ヵ年計画が提案され満場一致で決定をみた。

厚労省の通達をもとに統一見解を確認
 地元行政へ積極的アプローチを
某日刊紙が報じたボランティアポイント制に質問続出

 総会はこのあと新年度事業計画の「基本的考え方」と主な新規事業の審議に入ったが詳細は2面に掲載した。 会議の中で「4月29日付けで某日刊紙が65歳以上の高齢者が施設や地域支援事業で介護ボランティアをした場合、それをポイント化してそれで介護保険料が払える制度を厚労省が考案し、全国市町村に普及させる方針と報道しているが、ナルクの時間預託とバッティングしないか、また我々のポイントは活用されないのか」という緊急質問が枚方の野村文夫正会員、東横浜の中島豊次正会員より相次いで提出された。

本部 統一見解と今後の取り組みを表明  

 これらの質問に対して高畑会長が本部を代表して「新聞報道を見て直ちに厚労省に問い
合わせるとともに、5月7日付けで出された課長通達を入手した。また枚方市をはじめ、いつかの市や地域包括支援センターの見解を質してきた」と前置きして、次のような統一見解と今後の取り組みについての態度を表明、総会全出席者がこれを確認した。
@新聞記事は少しフライングしている。この件は東京都稲城市から、かねて厚労省に実施したい旨、特区申請していた内容のうち、その一部を修正して認めるとともに、各市町村の裁量で、介護保険ボランティア活動を推進する事業として実施可能であることを、明確にしたものである。
A介護保険料が減額または免除されるのではなく、高齢者が介護施設や地域支援事業で要介護者への介護予防に資する支援ボランティを行ったときに、ポイントが付与され、それに相当する額の範囲内で管理機関が保険料として支払うことができるというもので、稲城市の例では5000円程度になりそう。
B今回の制度は介護予防の「地域支援事業」の一環として行われるものであり、財源として地域支援交付金が充てられる。市町村によっては介護予防を担う地域包括支援センターの予算不足という所もあり、また現在、一般高齢者の介護予防にまで手が回らない包括支援センターが多いので、実施される所は限られるか、実施できても1〜3年先と、かなりバラつきが予想される。
Cナルクとしてはかねてから高齢者の介護支援ボランティア活動を通じて、社会参加、地域貢献を行いながら、高齢者自身の健康と生き甲斐を得ることを、時間預託(ポイント交換)をツールとして全国的にすすめてきた。今回の厚労省通達は、ナルクの理念、活動のシステムに全面的に合致するもので歓迎する。ナルクの各拠点が自主的に管理している介護施設や在宅介護でボランティアした個人別点数も、管理機関を通して把握するポイントと同様に、認めてもらいたい。
Dナルク各拠点は、過去13年間、時間預託システムを実施してきて、個人別ボランティア実績の評価、管理のノウハウを持っており、今回市町村が定める管理機関の業務を担って、この制度の円滑な進行に貢献したい。
E各拠点は、所在する市町村の担当部門に出向いて、厚労省通達に対する市町村の対応を把握すると共にCDについては実施できるよう粘り強く折衝されたい。但し管理機能を担う力のない拠点はDについては申し出しない。

5月7日付厚生労働省老健局介護保険課長
・振興課長の通達要旨

  各都道府県介護保険主管部(局)殿
     介護ボランティア活動への地域支援事業交付金の活用について

 少子高齢社会が進展する中で、高齢者が介護支援ボランティア活動などを通じて社会参加、地域貢献を行うと共に、高齢者自身の健康増進も図っていくことを積極的に支援する施策が求められているところである。
 こうしたことから、今般、地域支援事業実施要項を改正し、下記の通り市町村の裁量により地域支援事業として、介護支援ボランティア活動を推進する事業を行うことが可能であることを明確化したことから、貴都道府県内市町村など関係方面への周知徹底に遺漏なきよう配慮されたい。
                          
 1具体的な実施方法
  地域支援事業交付金を活用し、おおむね次のような枠組みにより、介護支援ボランティア活動 を推進することが可能である。なお、これはあくまでも介護予防事業の一例であり、任意事業と しても実施可能であることから、具体的な事業の実施に当たっては、各市町村において最も適切 な実施方法を検討されたいこと。
 (実施スキームの1例)
   高齢者の社会参加活動を通じた介護予防を推進する観点から、高齢者が介護施設や在宅等において、要介護者等に対する介護予防に資する介護支援ボランティア活動を行った場合に、市町村は当該活動実績を評価した上で、ポイントを付与する。
   こうした支援活動については介護予防事業のうち一般高齢者施策として、地域支援事業交付金の対象になるものであり、市町村は市町村が定めた管理機関に一括して交付金を支払う。
   管理機関は支払われた地域支援事業交付金を管理すると共に、支援活動の参加者のポイントを管理し、当該参加者からそのポイントを介護保険料支払いに充てる旨の申し出があった場合については、当該申し出に応じて、その管理する資金から当該参加者の蓄積したポイントに相当する額の範囲内で換金し、当該参加者に代わってその額を市町村に対して当該参加者の保険料として支払うことができる。
 2留意点
 ○ 上記スキームを実施した場合、結果的に支援活動参加者の保険料負担は軽減されることになるが、保険料賦課事態を軽減、または免除するものではないこと。
 ○ 介護予防に資する支援活動の基準については、地域支援事業交付金の交付対象の範囲で、各市町村において適切に判断されたいこと。

2007年7月号  2面

定時総会で包括支援センターと連携など新事業計画を発表
15周年記念イベントは京都でー企画実行委員会設置

  1面既報の通り、総会では新たな事業計画が承認された。新しい事業計画の基本的な考え方として、
「声かけ」「さそい合わせ」で心の通った拠点に
@ナルクで「出会いと安心と生き甲斐」が得られるよう組織運営を工夫する。その基盤として諸行事やボランティア活動、同好会活動への声かけ、誘い合わせ運動を展開する。
A地域包括支援センターとの連携を図り、介護保険枠外のボランティアニーズを開発し介護予防地域支援事業を担っていく。
B5年後、「300拠点・会員6万人」の計画を実現させ、社会的影響力のあるシニア組織を目指す。
C高齢者の自立生活を可能にし、福祉を守るための政策提言を行っていく。
D本来事業を支える企業との協働事業(生活アドバイザー)、行政からの委託事業(福祉調査センター・生き甲斐デイサービス・親子つどいの場等)を開発すると共に、これらを各拠点に広げ、内容の充実安定に努める。また自主事業として成功を収めつつある「エンディングノート」「お父さんには初めての料理本」等の出版事業にも力を入れる、等が年間活動の鑑として承認された。さらに具体的な新規の項目として
@今後包括支援センターの要支援1.2や介護予防任意支援事業の活動が増えてくるものと予想されるので、以前にナルクで実施していた「3級ホームヘルパー養成講座」の短縮版コースを実技を中心に本部で企画開発する。モデル実施の後、インストラクター養成講座を漸次拠点に広げていく。
A拠点のホームページ開設を促進し、内容の充実を目的に研修・交流会を関東・関西で実施する。
B2年後にナルク設立15周年を迎えるので、京都で記念総会をはじめ各種行事を行うが、これの企画実行委員会を設置する。

地域密着型サービスは地域に密着できるのか

                                   常務理事 青木富子
 昨年の介護保険法の改正では、適用者が地域の中で最後まで安心して暮らし続けることを制度的に保証するための抜本的見直しが行われ、地域密着型サービスが創設された。そのサービスの一つが認知症対応型共同生活介護(グループホーム)であり、もう一つが小規模多機能型居宅介護である。
 この小規模多機能型居宅介護は介護保険制度が制定される前から草の根的活動として始まった「宅老所」がモデルになっている。小規模で家庭的な雰囲気と馴染んだ人間関係の中、「通い(デイサービス)」を中心に「宿泊(ショートステイ)」や訪問など複数のサービスを提供、
 地域のお年寄りが自宅で暮らし続けられるように、必要に応じてサービスを追加し、目の前にいる人を包括的に支援することによって、結果的に多機能型になるものである。 しかし問題も残されている。利用者は1ヵ月単位で利用契約をしなければなりませんので、1日でも30日でも利用料はあまり変わらない。またこの制度を利用中は訪問介護と福祉用具以外、他の介護保険事業サービスは受けられない。
 二つ目は利用登録者数に限界があるという点である。利用者の宿泊が無い日でも毎日24時間体制を整えておかなければならないので、コスト面で大きな課題を残している。
 ナルク福祉調査センターの介護保険事業者調査を通じて、公助の在り方を、継続して監視する必要がありそうだ。



   どうして先に             小里れい子(大垣)
 去年の忘年会もいつものように盛り上げてくれた。ウイットに富んでいた彼、会報の川柳はだから人気があった。「ナルクの葬式を作ろう、僕が有り難いお経を上げてあげるから」と言っていた。「ではここでお経を披露してみて!」そう言っては皆と笑った。
 体調が悪いと1月の月例会を欠席、1週間後には1人で寝返りさえ打てない姿に。病名は胃から骨への転移ガン。奥様からの依頼で私たちも病室に詰めて2週間、あまりの早さでこの世を去った彼。今でも信じられない私たち。
 その名は「森田昌右」さん、70歳。
 ナルク大垣は不思議と皆仲が良い。通称ナルク家族と言われている。失敗あり、成功あり、泣いたり笑ったりのナルクの行事。
 森田さんの頭の中は走馬燈のようにナルクの思い出が駆けめぐっていたのだろう。私は手帳を見ながら彼の体をさすっては語りかけた。普段痛がるのにナルクの話題になると小さく声を出して面白がって笑った。そして静かに泣いていた。
 意識の消えかけるその時までナルクの人たちを呼ぶ。それにしてもモルヒネ以上にナルクの思い出話が痛み止めの特効薬だったとは。
 一人息子さんから「ナルクに関わった父は幸せ者でした」とお礼を言われた。そして「ナルク葬式をしてもらいたい」とも。何?なに? 「そんなことはしませんよ」 家族にも話していたらしい。
 ナルク葬儀の企画を誰にも披露せずに、発案者の本人が一番先に逝ってしまうなんて。「このごろ地獄行きの人が多く、なかなか天国へは行けないらしいよ。運がいいよ僕は。預託点数がたくさんあるから行けるらしい」。そんな彼の声が携帯から聞こえそうです。
 本当にナルクの仲間が好きだった森田さん、最後を委ねてくださった奥様、ナルクの仲間は皆感謝しています。長い間ご苦労様でした。有り難うございました。
 これからも時間預託ボランティアという軸で日々を重ねるナルクのメンバーを心から大切にしていきたい。それがナルク生活10年目を迎える私の決意です。


 
      社会格差に対する生活者の意識@
 小泉政権が残した社会格差、一般的な市民生活者にも、格差を感じる雰囲気になっています。電通総研が実施した「社会格差に対する生活者の意識調査」の中から、年代別・男女別に市民がこの問題をどう感じているのかを探ってみます。(白石勝也)

 1格差を実感しても人生を楽しんでいる生活者 男性30代はややネガティブ
 格差が人生の決定要因として強く作用すると考えたが、現段階では格差が人生と結びついているとは言えない。格差の実感計が7割以上あるものの人生を楽しんでいない計は最も多い男性50代でも2割程度。しかし男性30代は格差を最も感じ人生を楽しんでいるが少ない。

 2個人年収と格差の実感や人生を楽しむことの相関は低い
 年収200〜300万円の層が「格差を感じる」との答えが高いが、この層は非正社員が多いのもその原因かもしれない。全体としては年収との相関関係は低いと言えよう。

2007年7月号  3面

300拠点を目指して

 札幌3拠点が活動協議会を設立  E札幌のケース
 今回の組織拡大5ヵ年計画の一環に「政令指定都市は各区に拠点を」という目標がありますが、札幌市は5年前に「札幌中央」が設立されて以来、拠点の設立はありません。
 現在札幌市内には「札幌」「札幌北」「札幌中央」と3拠点がありますが、市内の北部に偏っていて東西の区には会員数も少なく、活動もほとんど行われておりません。
 このような状況の中、本部から「札幌市内2拠点の増設に努力して欲しい」との要請がありました。
 このため札幌3拠点の代表・事務局長が一堂に会し、仮称「ナルク札幌地区活動協議会」を立ち上げ、新拠点設置候補地区の選定と今後の進め方について話し合いを行いました。
 その結果、候補地区としては厚別区を中心とした札幌市東部と、琴似など西区を中心にした札幌西部を重点に設置を目指すことになりました。但し南区や豊平区など札幌南部を全く対象外にするのではなく、設置推進者捜しは行っていきます。
 どのような形態で設置するかについては、
    @いずれかの拠点からの分離独立
    A3拠点の一部の会員が集まっての設置
などを検討しましたが、現存の3拠点とも会員数が少ないこともあり、方法については今後の協議会の活動の中で検討していくことになりました。
 なお協議会の推進責任者には「札幌中央」の坂井代表が、事務局長には同じく中央の下山事務局長が務めることになりました。
 本部としても最大限の援助を惜しまないつもりです。(藤岡武)

拠点リレー訪問28  

 ナルク坊ちゃん訪問記
 ナルク「坊ちゃん」は夏目漱石の小説「坊ちゃん」で有名な道後温泉や小高い山の上にでんと構えている松山城、正岡子規の故郷として知られている愛媛県の県庁所在地松山で活動しています。(6月17日総会で「ナルク松山」愛称 坊ちゃん と改称)
 新幹線で岡山まで行きJR四国の特急で瀬戸大橋を渡り、薄暗くなった瀬戸内海を右手に合計約3時間半走って午後8時に松山駅に到着しました。3つの大橋が出来たおかげで随分四国も近くなったことを実感。松山市は人口約52万人、面積約430平方キロメートル、四国一の都会です
 ナルク「坊ちゃん」は平成15年7月に全国で87番目に設立された新進気鋭の拠点です。
 松山駅でボランティア帰りの赤松事務局長にわざわざ迎えていただき、早速翌日の打合せ。活動を始めるに当たり野本代表は、一番大切な「相互助け合い」を実現するための基本方針を次のように定めています。
1、自由な発言と自主的な行動
2、お互いによく知り合う
3、会計をはじめすべての拠点の運営についてオープンにする

 訪問した事務所にはたまたま野本代表は所用でご不在でしたが、お会いした赤松事務局長、須賀副代表はじめ運営委員の皆さんは、とても活発で明るくお互いの信頼があふれていて、野本代表の思いがよく実現されていることが分かりました。
 この方針はボランティア団体、ナルクのすべての拠点に求められる基本的な考えだと思いますが、実際の場面できっちりと実行しておられることが会員の皆さんの気持ちをまとめて良い結果をもたらしていることがよくわかりました。
拠点の特徴
1、医療法人「椿クリニック」の評価を得て介助や介護支援、事務所の提供、同法人理事長に副代表にもなって頂くなど非常に親密な協力関係を持ち運営の核の一つとなっている。花見,遠足、ソーメン流し、紅葉狩り,クリスマス、餅搗きなど多彩な活動をしている。
2、障害児を預かる介護施設の要請で、送迎活動が新たに加わり今後大きく増える見込み。
3、庭木の剪定と消毒など
4、今年の本部方針の一つ「ナルクHOW縁結び」に先駆けて、出会いからプロポーズ・・・地域のみんなで結婚支援・・・NPO「コングラネット」に参加して日本の少子化対策に貢献!
5、四国の各拠点との交流会を回り持ちで開催中
6、その他会員同士の趣味娯楽などの交流はとても盛んですし、荒れた蜜柑山の手入れと管理を依頼されておいしいデコポンを生産しています。
 などなど活動はどんどん広がっています。会員との情報伝達もユニークでメールとファックスの活用を徹底しています。事務所当番がいなくても電話の転送で事務局長にすぐに連絡できるのは驚きです。事務局長のハードスケジュールは大変なものと思われますが赤松さんは平然とこなしておられました。
 設立5年目の実績は会員数80名、時間預託点数1045、奉仕活動点数1138です。
 今年には時間預託点数が1ヵ月100点を超えるのは確実ですね。
「ナルク松山」のみなさんがますます活躍される事を確信して帰途につきました。
                                       (記・野村文夫)


  ナルク亀岡が市の都市緑花協会から表彰さる


 ナルク亀岡「丹の里」は去る4月30日、財団法人「亀岡市都市緑花協会」からナルクの定例行事である「クリーン活動」が「緑豊かな安らぎに満ちた街づくり推進に貢献した」と言うことで表彰を受けました。おめでとうございます。


生涯学習センター ニュース
○J&Bコーラス
  設立5周年記念公演
  7月5日(木) 13時30分開演
  吹田市文化会館・メイシアター小ホール
  (阪急千里山線・吹田駅下車目の前)
  問合せ 京都・広部  075ー712ー4012
○劇団ナルク
  拠点のイベントに出前公演受付中
   寸劇 朗読劇 一人芝居など
   問合せ 西宮・茶谷 06ー6351ー0733
○司馬「街道を行く」
  7月22日(日)
   奈良・今井町散策
   問合せ 吹田・藤岡   06ー6875ー1832
○DVD貸し出し中
 渡辺謙・樋口可奈子主演の「明日の記憶」
  (若年認知症を扱った作品)を
 ご希望の拠点にお貸しします。藤岡まで
HOU縁結び
 2月発足以来、多くの問い合わせをいただきました。北海道から九州まで51名の応募がありました。現在31名の方と面接もいたしました。
 5月11日から東日本地域は、2名の担当くださる方もできて、きめ細かなフォロー体制が確立しました。
 各拠点からのご推薦をよろしくお願いいたします。
夏休み  文楽 特別公演
特別公演は7月21日〜8月9日迄です。
 ナルクの会員には1等席が千円割引きになります。チケットは拠点にある用紙に記入して窓口でお求めください。今回は1部がお子様向け公演となっています。(窓口販売は6月12日から)
        第1部 (午前11時開演)
            金太郎の大ぐも退治    瓜子姫とあまん じゃく
        第2部 (午後2時開演)
            鎌倉三代記          釣女
        第3部 (午後6時30分開演 金曜のみ7時)
            契情倭莊子          伊勢音頭恋寝刃

 

2007年7月号  4面

読者の広場

  俳 句    4月入選作(茂原)

         椎若葉 いすみの里を明るくす       (千世子)
         春田打ち 始めたるらし川濁り        (武男)
         おにぎりも 食べ新緑も味わえり      (徳弥)
         藤の花 古道の木立掩ひけり        (暁)
         春雨や 桂林の嶺雲に浮く          (光)
         先輩の 後ろに駆ける新入生        (美恵子)
         里山の 一歩一景草萌ゆる         (コウ)
         葉桜や記帳して入る美術館         (金子)
         尾をたれて 風待つ里の鯉のぼり      (広)
         鼓草絮毛も遊ぶ風の道            (佐代子)
         池の鯉 水音たてて花見かな        (ハル子)
         鳴き止みて 礫の如く雲雀落つ       (光夫)

  随 想

    TBSの取材を受けて        横浜 後アキ子
 ナルクの活動は全国ネットを活用した「遠距離介護」が特徴の1つで、これまで度々テレビでも報道されてきました。
 今回は私たちの活動がTBSの「金スマ」で取り上げられました。月に2,3回茅ヶ崎で一人暮らしをされている会員のお母様を介助に参りますが、その模様が電波に乗ったのです。今回はコミュニティバスに乗って「開高健記念館」に行ってきましたが、その時の模様とか、私が行っている施設での活動、海外旅行中の犬の世話なども映像で紹介されました。
 茅ヶ崎の利用者の方は私の老後の理想のモデルの方で、介護と言うよりは、私が楽しみながら勉強させていただいています。

   子どもたちの囲碁大会に参加して   銚子 斉藤勝巳
 
関東地方で一番早い桜の開花宣言があった日に、私たち一行14名は市ヶ谷に降り立ち、「ジュニア本因坊戦・東日本地区予選」に参加すべく、日本囲碁界の総本山である日本棋院を目指しました。
 旭市「子ども囲碁教室」は市の社会教育課の要請で3年前にスタートしました。私は自分自身の自立活動と将来のナルクの会員増に結びつけばと思い、そこの世話役を買って出ました。
 囲碁というゲームの面白さ、楽しさを子どもたちに伝え、子どもたちの居場所作りに役立ちたいという思いからでした。
 教える側は市内の2つの囲碁会の有志7名が当番制で務めます。
1ヵ月に2回のペースで土曜日の午前中、ビデオ、紙上ドリル、大盤解説など工夫をしながら続けてきました。
 お隣の韓国には囲碁の学校が1000以上もあってかなりの人気です。中国でも国を挙げて普及に取り組んでいるようです。日本ではアニメ「ヒカルの碁」で子どもの囲碁ブームに火がつきましたが、最近はやや下火になった感があります。
 さて日本棋院での予選大会、参加者800名、私たちの出場する初級クラスは300名の激戦です。
 結果は4名のトータルで9勝12敗でした。多くの課題を抱えながら続けてきた教室としては十分すぎる成績でした。子どもたちもプロ棋士(山下敬吾棋聖)から賞品をもらい、これからも続けたいと張り切っておりました。
 靖国神社の桜並木は蕾が一杯で、私もほのぼのとした気分を味わうことができました。
 
   拠点リーダー養成講座で学んだこと    吹田 仲川昌宏
  3月6日、篠山のユニトピアで開かれた第2回拠点リーダー養成講座に参加しました。
 講座の目的は次代の拠点リーダーを養成することで北は旭川から南は福岡まで、全国から32名が参加しました。 2日間の研修の内容は高畑会長の基調講演(予定を1時間もオーバーする熱演)、田邊副会長と青木常務理事の「ボランティア活動と収益事業」、藤岡副会長と西村理事の「コーディネーターの役割と活動の実際」とナルクの基礎から実務まで盛りたくさんでした。
 初日の夜は全員参加の交流会(会費3千円)の後、3分科会に分かれ、「拠点の課題と私の考え」をテーマにフリートークが行われました。拠点によって違いはあるものの、問題や悩みを持ちながら活動している様子がよく分かりました。
 研修の中で強調されたのは
 @組織が大きくなり活動が広がるほど理念(自立・奉仕・助け合い)が忘れがちになる。
 A会の運営費を賄うため収益事業を増やさなければならないが基本はボランティア活動である。
 B介護保険の給付が減り、助け合いのニーズが増えているので、社協や地域包括支援センターなどから情報を集めること。などでした。
 多くの仲間と知り合え、ナルクが信頼できる組織であることを改めて実感できました。

記者レポート

 [びわこ彦根]
  ナルクの館 お披露目
 4月25日彦根に「ナルクの館」がオープンした。これは彦根市が進める「各小学校区に一つの宅老所を」という介護予防運動の一環で市としては8番目の「やすらぎふれあいの館」となる。
 当日は市の介護福祉課長や地域包括支援センター次長、ナルク側からは高畑会長ほか県内の拠点代表等が参加、賑やかに開所式を行った。佐々代表は「ナルク彦根は発足したばかりでまだ小さな拠点ですが、この館を本拠地として本年度中に会員100人を目指して頑張っていきたい」と挨拶した。    (木下二二男)

 [富田林]
  青パと誕生
 このほど下校時見守り活動を続けるナルクの会員の車2台にウサギ型の青色回転灯を取り付け、パトロールに使用することになった=写真。
 5月17日、その出発式が高野辺台小学校で行われ、在校生に加え市の関係者、マスコミ取材陣も多く訪れ、賑やかなセレモニーとなった。なお運転するナルクの会員ら有志20人は改めて府警の講習を受けたという。
    (久保義和)

 [茂原]
  エコクラフトで子育て支援
 茂原いちごの会は、子育てに忙しいお母さんに「エコクラフトをしませんか」と呼びかけている。
 エコクラフトとは梱包用の紙紐を使って籠や小物入れを作る工作作業(材料費一〇〇円)。お母さんたちは楽しくストレスを発散しながらお互いに子育て情報の交換をする。子どもたちにはナルクのスタッフが絵本を読んだり、お話しを聞かせたり、紙人形を見せたり楽しい時間を過ごしてもらう。
 6月13日から事務所2階で始まったが大好評。(渡辺光夫)

 [北海道千歳]
  復興の森作りにナルクも参加
 平成16年秋、大きな台風が北海道を襲い、支笏洞爺国定公園内の樽前山麓に広がる美しい樹海が何本も根こそぎ倒され、大きな被害を受けた。
 このほど大手スーパーが店頭に置いた「緑の基金箱」を財源に復興の森作りとして「10万本のアカエゾ松を植えて育てよう」という運動を起こした。千歳拠点もこの運動に拠点として積極的に加わろうと、5月20日、数人のメンバーが駆けつけた=写真。
 ナルクに割り当てられた場所は標高1040bの樽前山麓の一角。そこにアカエゾ松の苗木400本を植えた。
 いま北海道は山菜の時期、ワラビ、コゴミ、タラの芽などに歓声を上げ、支笏湖を望む温泉で汗を流し「地球温暖化に少しでも貢献できた」と満足の1日だった。 (小西良夫)

 [びわこ南東]
  カヤック教室開催
 カヤックというのはカヌーの一種ですが、水が入りにくいように上面に覆いがあるボートです。パドルを使って前向きに漕ぎます。法律の規制もほとんどないので、他の方法では近づけないような場所にも容易に行くことができます。
 当拠点ではこのカヤックのミニツアーを兼ねた教室を開催します。
 7月11日10時半、JR湖西線「蓬莱駅」南600メートルの「BSCウォータースポーツセンターへ集まってください。駐車場もあります。参加費5250円です。水に濡れても良い格好と靴、着換えをご用意ください。
お問い合せは門脇迄。T&F077ー534ー3571kadowaki@hi-ho.ne.jp   (門脇宣孝)

 [函館]
  函館観光は預託点数でどうぞ
 全国のナルクの皆さん、預託点数を使って観光スポット一杯の函館に遊びに来てください。私たち拠点のメンバーが心を込めておもてなしを致します。
・函館観光ガイド
   2時間:点数2点    車付きの場合は1キロ30円加算
・特産品の紹介、観光のお問い合わせなどお気軽にどうぞ。6月1日から実施しております。
・事前連絡はFAXでお願いします。  0138-31-2048 
〒040ー0012函館市時任町12ー23ナルク函館はまなす事務局長 鎌田佳勝

 [高槻・島本]
  ナルク活動フェスタ開催
 7月12日13時から16日17時までの5日間、JR高槻駅南口にある「高槻市総合市民交流センター1階・多目的ルーム」で会員の絵画・陶芸・絵手紙・写真などの作品展を行います。同時にナルクの時間預託活動と奉仕活動の状況を写真パネル等を展示して団塊世代のみならず、若い方々にもボランティアへの関心を持っていただき、会員の加入促進を行います。
 当日「エンディングノート」や「お父さんには初めての料理」の即売も実施します。
                                  (田中雪夫)