2007年2月 1面 | ||||
---|---|---|---|---|
飽食の時代になぜ? 食抜きの子どもが全国で激増 ◎新宿CGC拠点の活動を中心に食育の問題を考え 「食育」という活字が新聞を賑わしている。国民の食生活が乱れているのだ。特に子どもの食事が大きくバランスを崩しているのが問題だ。食品の安全にも赤信号が灯っている。政府もこの現状に危機感を抱き一昨年7月、「食育基本法」を策定し、食生活の改善に本格的に取り組み始めた。 ナルクでも子育て支援の一環として、しばしばこの問題に警鐘を鳴らしてきたが、新宿CGC拠点は結成以来「食育問題」に拠点を挙げて取り組んできた。このCGC拠点の活動にスポットを当て食育の問題を考えてみたい。 食抜きの子どもが全国で激増 わが国は世界で最も豊かな食を享受しているにもかかわらず、健全な食生活とは程遠い日常が国民の中で繰り広げられている。 食に関する知識を身につけ、健全な食生活を実践できる人間を育成することを目的に、「食育基本法」は議員立法として提案され、平成17年7月に施行された。そして昨年3月には「食育推進基本計画」が定められ、毎年6月を「食育月間」、毎月19日を「食育の日」と定め、地方自治体による積極キャンペーンも始まった。 その背景には子どもたちの間に広がっている「5食」(誤食)という問題があった。 1 孤食(一人で食べる) 2 小食(食べる量が少ない) 3 個食(おのおの勝手に) 4 粉食(粉を主食に) 5 固食(好きなものだけ) という5つの問題点である。 ◎朝食を作らない母親 朝食を作らない母親が増えているという。こうした親の問題もあり朝食を食べない子どもたちが20%もおり、これらの子は午前中の授業の集中力を欠いたり、切れやすい子になりやすい、という調査結果が出ている。一人で食事をするケースが多いため食事のマナーを知らない子どもが増えているのも問題だ。10代女性の70%がダイエットを目的に食生活のバランスを崩しているという現実もある。 また食に関して根拠のない情報が多すぎて「好き嫌いだけで食品を選択」していたり「何を選択したらよいのか分からない」という悩みも広がっている。 一方、食料自給率の低下は歯止めがかからず、その約6割を輸入に頼っているのが現状だ。 反面、食べずに捨てられる日本の食品の量は、バングラデッシュの食料の消費量に匹敵するとも言われている。 この食の危機的状況に立ち上がったのがナルク新宿CGC拠点である。 ◎新宿CGC拠点の食育の取り組み この拠点は「(株)シジシージャパン」という企 業が母体になっている。この会社は商品開発、情報・物流の共有で、大手スーパーと互角に競争していこうという異体同心の趣旨で設立された中小スーパーの連合体である。 ここのOB会がナルクの理念に共感し、平成16年にナルクに加入、「新宿CGC拠点」が誕生した。 代表に柏木唯男氏、事務局長に仲野嘉一氏を選出、早速食育の問題に取り組み始めた。 まず手がけたのは「親子の料理教室」。商売柄食品メーカーと協働するのはお手の物だった。宣伝はスーパーのチラシだけだったが、20名の定員はアッという間に満員になった。工場見学をセットにしたため、子どもたちはその食品が出来上がる工程にも大いに関心を持ってくれた。肝心の料理教室はメーカー側に立派なキッチンが備えられているのが最大の強みであった。栄養士の先生を講師に、内容の充実した料理教室を開くことができた。 初年度には3回、2年目には小田原などの遠隔地を含め20回以上、そして昨年は37回のイベントを開催したのだからその熱意の程が伺える。 中身も「親子料理教室」の枠を越え、幅広い内容が盛り込まれるようになった。 例えば7月8日は「親子で楽しむ料理教室、バスで行く収穫ツアー」と銘打って千葉県の農場に赴いた。そこで人参やジャガイモを親子で収穫し、子どもたちにも取れたての野菜でカレー作りにチャレンジしてもらった。 途中のバスの中ではタイアップした食品メーカーの課長さんが食の授業を行ってくれた。 「食品は血や肉になる赤、体の調子を整える緑、エネルギーの基になる黄の3種類に分かられます。ジャガイモは何色の食品ですか」などのクイズで勉強した。 農場に着くと一行はまず野菜の栽培について学んだ。初めて見るニンジンの花に大人も興味津々。 そしていよいよ収穫。「ワーこのニンジン3つ股!」など歓声が上がる。お母さんに手伝ってもらいながら子どもたちもジャガイモの皮むきに挑戦、カレーを完成させた。 柏木代表は「食育とは『食事で育つ、食事で育てる』と言うことです。料理教室は親子の絆を強めるという子どもに対する教育だけでなく、子どもを通して食に無関心なお母さんたちを啓蒙することに大きな意義があるのです」と語っている。 ◎食をめぐる問題点 確かに最近の若い母親には問題が多い。 彼女らはスナック菓子世代と言われ、成長期に極めて不健全な食生活を送っている(責任は60代、70代の世代にあるが)。 健全な食生活についての知識も乏しい。 ある小学校の教師は給食時に「いただきます」の唱和を指導できないと嘆く。強制すると若いお母さんたちが学校に文句を言いに来るという。「給食費を払っているのだから、食べるのは当然だ」という論法らしい。何をか況やである。 そのほか食を巡る問題点として、子どものしつけの問題がある。箸の持ち方、食事の手伝い後片付けから学ぶこと、恵みに感謝する心、切れやすい子ども対策など、問題は山積している。大人の問題としては食事のバランスや昨今話題のメタボリックシンドロームがある。食の安全、わけても添加物の問題は看過できないところに来ている。 ◎危険な食品添加物 食品添加物に詳しい安部司氏はその著書の中で「廃棄寸前のクズ肉も添加物でミートボールに生まれ変わる」とか「コーヒーフレッシュの中身は水と油だけ、ミルクは一切入っていない」など添加物の現状を暴露している。安部氏は「食品業界は情報開示が極端に遅れているため『添加物=毒』という誤った図式が消費者に広まっているが、利便性という光の部分がある反面、危険な添加物が多いことも事実だ」と言っている。 ナルク「高槻・島本拠点」の水川明氏は永年豆腐にこだわり、オカラの出ない「大豆丸ごと豆生」の企業化に成功させているが、秘訣は無農薬の大豆と無添加のニガリだったという。我々消費者は今後とも添加物には、さらに関心を持たねばなるまい。 |
2007年 2月号 2面 | ||||
---|---|---|---|---|
コーディネーター・レベルアップ研修会 関東地区は12月1日 関西地区は12月6日に 昨年度のコーディネーター・レベルアップ研修会が関東地区は昨年12月1日、関西地区が12月6日にそれぞれ各拠点のコーディネーター約100名が出席して開催された。 この研修会はナルク各拠点でのボランティア活動の橋渡し役として、日夜活動を続けているコーディネーターが一堂に会し、関連する知識を学び、合わせて拠点間の情報交換に努め、日常のコーディネートに活かしてもらうための研修として、毎年開催されている。 本年度は「時間預託による助け合い活動」にスポットを当て、全国122拠点のうちで、この活動が最も活発に行われている拠点による「活動内容の発表」という形で行われた。 関東地区では、年間の時間預託活動が関東で最も多い水戸拠点(発表者・林公英代表)と栃木拠点(発表者・走出政視事務局長)が、それぞれ「ナルク水戸に於ける時間預託活動の実際」「栃木拠点の時間預託活動の取り組み」と題して行われた。 両拠点とも会員個人への助け合いに特化した活動が行われており、時間預託活動に参加する会員の拡大、ボランティアの提供者と利用者のバランスなど、コーディネーターとしての日常活動の苦労話なども交え、中身の濃い内容であった。 一方関西地区では、時間預託活動実績が全国一多い枚方・交野拠点(発表者・近藤秀子副代表)と、近年幅広い活動に取り組んでいる豊中・池田・箕面拠点(発表者・岡部克己運営委員)から「ナルク枚方・交野拠点に於ける時間預託活動の実際」「ナルクわかばの会、時間預託活動と奉仕活動の現状」と題しての発表・質疑応答が行われた。 両拠点の時間預託活動は施設での助け合い活動など、マニュアルに定められている活動範囲内で幅広く行われており、加えて地域での関連団体とのネットワークにも積極的に取り組んでいる実態が詳しく報告された。 関東関西とも、プログラムの後半は高畑会長による「ナルク活動の原点とコーディネーターの力量」と題した講演が行われた。 「自立・奉仕・助け合い」の行動目標が定められた当時の話や、その頃の勉強会でまとめられたノウハウ集を引用し、活動のスパイラルアップを願った熱のこもった熱弁が聞かれた。 ナルク政策提言審議会 本誌昨年11月号1面に掲載された「税金や保険料が何倍も上がる」の記事は各方面で大きな反響を呼んだ。マスコミ各社も「各党に公開質問状を」の件に注目し、紙面でフォローしたいとの要望も届いている。これを受けナルクは「高齢者の声を政治に反映させよう」という趣旨で3月10日(土)15時から「公開質問状内容決定」に関する政策提言審議会を開くこととなった。 ナルク結婚相談所 HOW縁結びスタート ナルク本部では、かねてから要望の強かった会員子弟を対象とした結婚相談所を開設することとしました。名付けて「ナルク結婚相談所・HOW縁結び」。 担当は本部の安藤純子さんです=写真。 安藤さんは今まで個人的に多くのカップルを誕生させているこの道のベテランです。そして10人のお孫さんをもつ素敵なオバアチャンです。 近年、適齢期の子息がなかなか結婚しないという悩みを耳にします。ぜひご利用ください。年齢制限は設けておりません。まずは履歴書を。個人情報の管理は本部が責任を持って対処します。 詳しい問い合わせの電話は06-6941ー5448 Eメールはenmubi@nalc.jpです。 ナルク政策提言審議会 本誌昨年11月号1面に掲載された「税金や保険料が何倍も上がる」の記事は各方面で大きな反響を呼んだ。マスコミ各社も「各党に公開質問状を」の件に注目し、紙面でフォローしたいとの要望も届いている。これを受けナルクは「高齢者の声を政治に反映させよう」という趣旨で3月10日(土)15時から「公開質問状内容決定」に関する政策提言審議会を開くこととなった。 女性の視点 いのち 西本紀美子(かしま) 先日「男女共同参画社会」のセミナーに参加してきました。その中で素晴らしい講演を聞きましたので、その一部をご紹介します。演題は「男と女、ともに豊かに生きる〜報道現場からのメッセージ」というものでした。講演者は某テレビ局のニースキャスターです。 以下はその講演要旨の一部です。 最近イジメに関する子どもの自殺には心が痛みます。学校教育だけでなく、環境、哲学、宗教などの分野で閉塞感を感じます。これを「いのち」という言葉でくくって考えてみたいと思います。全てのものに命があります。この面での女性の感性は素晴らしいと思います。横田早紀江さんの子を思う親の気持ちは頭が下がります。20数年前から「めぐみちゃん、帰っていらっしゃい」と言い続けてこられた毅然とした態度には本当に感心します。 命と向き合っている「救命救急士」の活動にも頭が下がります。救急車の中で医療行為をするという、この制度の導入には私も微力を尽くしました。それにしても最近の医療は真剣に命と向き合っているのでしょうか。 私の父は1年前に肝臓にガンがあることが分かり、抗ガン剤治療を受けることになりました。みるみる体重は減少し、体も弱ってきました。主治医からは3ヵ月ぐらいの命と言われました。そんなとき中国の漢方医と出合いました。父の容体を話すと「中国へ帰って薬を調合して送りましょう。少し時間がかかりますから、それまでは3度の食事に長芋を蒸して食べてください。長芋は山薬という漢方薬です」と言われました。それで早速「長芋療法」を実行すると食欲が出てきました。そのうち中国から漢方薬も届き、今では体重も8キロも増えとても元気になりました。医学には治療医学と養生医学があるそうです。後者は中国が盛んで末期の病気にも効果があると言われていますが、今回のことでよく分かりました。 最近ナルクでは「ピンピンコロリ」という話が良く出ますが、この漢方医も「急激に弱っていくよりなだらかにいってストンと終わる方が良いでしょう」と言われたそうです。そのほかレオ・バスカーリアと言う人が書いた「葉っぱのフレディー・命の旅」のオペラ化の話、90歳をはるかに超えた聖路加病院の日野原重明先生が、最近スケジュール手帳を3年物から10年物に変えた話など、感動と感謝の1時間20分でした。 |
||||
知ッ得 定点調査による時代の変遷 博報堂生活総合研究所は、生活者の価値観や行動などを読みとるために「生活定点調査」を行っています。この調査は1996年より隔年で同じ条件の調査エリア・調査対象に同じ質問を聞き続けています。そこから見えてくるものは「継続する不安と安定化願望」といえましょう。10年で同じ質問がどう変わったか見てみました。 (白石勝也) |
||||
@変化の多すぎる社会 余裕のない毎日 今の世の中は変化が多すぎる」という答えは10年前が45・7%であったものが2年後の1998年に8・5%程上がっています。それ以後は横ばいで2006年も56・6%程です。 安定した暮らしを望む声は10年前の29・7%から昨年の42・5%まで、ほぼ直線で伸びています。「毎日の暮らしの苦しさ」は初年度の23・7が直ぐ36・7に跳ね上がり、その後少し持ち直し昨年の34・2に続いています。(図1) |
||||
A習慣しきたりには従い 年功序列は守るべきだ 構造改革の荒波をくぐり抜けてきたためか「習慣やしきたりに従う」「年功序列は守るべき」と言った日本の良いところを見直そうという意見が増えています。「習慣やしきたりに従う」は10年前が27・6%でしたが昨年は45・4%と17・8%の伸びです。 「年功序列は守るべきだ」は調査初年度の14・5%が10年間でゆっくりと21・8%まで伸びました。 (図2) |
||||
B父母同権 夫婦で育児 「社会全般で男女平等が進展した」と答える人が増えています。 「どちらかといえば父親を尊敬している」と答えた人が1998年では53・7%で「母親を尊敬している」との答えより7・3%上回っていましたが、2001年に拮抗し、そこから5年ほど逆転現象を起こしています。しかしまた2006年で両者49%代で並びました。これは何を物語っているのでしょう。 「男性でも育児休暇をとるべきだ」という意見は、調査を始めた1998年が33・3%でしたが、それからじわじわ増え始めて、昨年は39%になっています。これがピークなのか、横ばいで推移するのか要注目です。(図3) |
2007年 2月号 3面 | ||||||||||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
300拠点を目指して @西宮・尼崎のケース 昨年12月20日に発表された「拠点の分離独立についての高畑私案(1月号2面参照)」は、各方面で大きな反響を呼んでいる。 「どうしてうちの拠点が槍玉に挙がるのだ」 「うちは今まさにこの問題に取り組んでいるところだ」「将来を見越した卓見だ」など受け取り方は様々である。 高畑私案によるまでもなく、既に分離独立を果たした地区もある。これらの地区の事例を連載し、その問題点、手法などを探って今後の参考にしたい。 (編集委員会) 尼崎拠点代表 山之内昭夫 平成7年10月開催された「西宮・尼崎拠点設立総会」で、高畑会長は「尼崎の会員が少ないのでとりあえず西宮と合同で活動したらよい、しかし、やがて会員が増えたら分離独立すること、ナルクは全国3300市町村に拠点を作るのが究極の目的であることを忘れないように」と言われたのが、昨日のように頭にこびり付いていた。 拠点設立10周年の平成17年、事務局長だった私は、分離独立の機運が来たと思い、「来年、尼崎が分離独立する」とぶち上げた。 しかし会員の盛り上がりは悪く、お手並み拝見という感じであったが、私はそれなりに、さりげなく人選と準備を行ってきた。その上で平成18年6月の定時総会で、9月30日に分離独立を発表した。 それからは突貫工事だった。私は住居の関係で尼崎を引き受け、西宮の代表は是石さんにお願いした。活動地域の区分、会員の区分は綿密に齟齬の出ないように苦心した。財産の区分は会費納入人員で預金、現金を案分した。経理の処理、本部報告、会報作成、活動企画処理等々、きめ細かく指導した。 10月5日の西宮の定時総会で会員から、何故分かれたのか、分離のメリット何か、等々過去にない激しい質問が飛びかったが、「根分かれは、やがて芽がふき幹が出る」と言う意見が大勢をしめた。 今言えることは、西宮・尼崎は10周年を迎え、正直なところ制度疲労を起こしていた。分離し二つになれば従来にまして活性化できると踏んだのは間違いでなかった。 このように上手く分離できたのは、運営委員(代表、副代表、事務局長、会計他)の皆さんの人柄、人格、素質が一番だと今になってつくづく思う。 以上が山之内代表の談話だが、そこにはリーダーとしての高邁な信念と綿密にして周到な計画が練られていたと感じた。この分離独立の成功は彼のリーダーシップが最大の要因である。 (組織担当・藤岡)
本部スタッフの紹介 本誌12月号で本部スタッフを募集したところ、数人の応募がありました。そのお一人「繁田豊史」さん(63)が実務についておられます。繁田さんは奈良拠点の所属で平成17年入会です。担当は各種書類の発送、会員外への資料請求対応、生活研究アドバイザー業務等です。趣味は音楽で天理の合唱団に所属されているそうです。 拠点リレー訪問 23 ナルク静岡(ちゃばしら) アイデアと工夫で「ちゃばしら」は立つ あれッ これは何だ! 静岡市中央公民館(女性会館)の2階に上がると、諏訪久世代表以下9名もの皆さんが、一斉に立ち上がって私を迎えてくれるのだ。 「私たちはこれまで掲載された拠点のように、素晴らしい社会貢献も派手なボランティアもしていません。何故私たちが取材されるのか分からなくて、不安一杯で今日を迎えました。ただナルク全体の中では評価されにくいかもしれませんが、新しい拠点のあり方を模索しながら、精一杯頑張っている姿をお伝えでればと思い、大勢でお待ちしておりました」と諏訪代表は言う。 設立は平成16年5月3日。高畑会長以下の「東海道ウオーク」一行の到着日だった。その年の1月15日、NHKの「ご近所の底力、時間預託制度と遠距離介護、故郷の親を世話したい」の番組を見た人からの問い合わせが「静岡東部拠点」に殺到した。 同拠点の絶大な支援で「ナルク静岡」は設立の方向で動き出した。番組を見た30人が中心だった。しかし番組では「拠点の運営と資金確保は自分たちがしなければいけない」と言うことは伝えていなかった。入会すると時間預託の機会が与えられ、マネージメントもしてもらえると思っていた人が大半で、その大変さが分かると一人減り二人減りで、設立時には諏訪代表をはじめ三浦・宮本副代表、津島事務局長などこの日集まった皆さんを中心にした数名になっていた。 およそ3年前、資金も人材も事務所も何もない状態からスタートしたが、現在では会員数117名(80世帯)の立派な拠点に成長した。エリアは東西45キロ、南北10キロ、対象人口は静岡市を中心とした100万人である。 事務所は専用のものはないが、中央公民館(女性会館)の広いスペースが利用でき、郵便物の受け取りは社協が面倒を見てくれる。というのも社協や行政のイベントなどに積極的に協力し、公園の清掃や施設の奉仕活動を地道に実施してきたことが評価された賜物である。 「エリアの広さを克服するために大切なことは、会員同士が顔の見える団体になることです」と皆さんはいう。そのために会員間の情報交換の場として「3世代交流いきいきサロン」の果たす役割が大きい。 このサロンはデイサービス施設での奉仕活動で、野菜の朝市も開催している。毎回30人〜40人の会員が参加し、時間預託の記録と情報交換の場としても活用している。 何よりも大切な運営資金の確保は、次の4つによっている。 一、会員の預託活動 二、週5日の洗濯のお手伝い 三、バザーの出店 四、イエローシート・キャンペーン イエローシート・キャンペーンというのはスーパーの「イオングループ」が毎月11日、ボランティア団体と協働し、黄色のレシートを発行し金額の5%が参加のボランティア団体に「お買い物券」として還元される、というボランティア育成事業である。 同好会活動も増えてきて、男の料理教室などは年3回ぐらい開催され、女性にも大人気とか。「預託活動」「奉仕活動」「会員の親睦」を3本柱に、楽しみながら少しずつ前進し、預託点数を気軽に利用できる真の相互扶助の会を目指したい、と皆が目を輝かしている。 拠点の愛称「ちゃばしら」は縁起の象徴、「日本の中心、静岡に大きな福祉の茶柱が立てば、きっと日本はもっと良い国になることでしょう」と諏訪代表はいう。 ナルクのあり方の幅の広さを教えてもらった今回の訪問だった。 (日比野昌弘) 記者レポート ◎浜松 フリーマーケットは大賑わい 浜松拠点では11月19日、小雨の中フリーマーケットを実施した。大きなテントを張ったので雨宿りを兼ねたお客さんで大賑わいとなった。15人で頑張って12,000円余りを売上げて一同大喜びだった。普段参加しない方も商品の提供に協力してくれたり拠点一丸となったイベントとなった。 谷口賢祐 ◎水戸 利用者の声から 利用者の声から 私は、何人かのボランティアの皆さんに支えられております。私が自立に至るまで、Iさんご夫妻には、市役所での諸手続き、家電製品の購入・取り付け、布団・家財道具の取り揃えなどをしていただきました。私が新しい住居に入る時には、皆さまのご尽力で、準備万端ととのい、つつがなく新しい生活に入ることができました。昼食の食事介護には、何人もの方が交代で入って頂き、楽しい会話とともにご飯が頂けるのは、また格別です。時には苦言を呈してくださることもありますが、皆様と会える時間を楽しみに待ち望んでいる次第です。 Hさんは、調理がお得意で、書の造詣も深く、大変見事な書を書いてくださいます。Oさんは大変な文学ファン。私も文学好きなので、食事をしながらの会話はとても楽しいし、またNさんはやさしい笑顔が印象的。何時も夕食の焼きおムスビを作ってくださいます。私の好みを分かって、私に合った味付けをしてくださいます。皆さん、何時もありがとう。これからもよろしくお願いいたします。 おもしろ京都学 (座禅2) 京都五山第一位の寺挌をもつ、臨済宗「天龍寺」は足利尊氏が創建した禅寺です。寺僧曰く「接して漏らさずも修行のうち」、いろいろな修行があるものです。座禅の足の組み方は、座ったときに膝がはみ出さない大きさの座布団を敷き、その上に「坐蒲(ざぶ)」と呼ばれるお尻の下に敷く物を乗せます。座布団を二つ折りにしても良いでしょう。足の組み方は右足を下、左足を上にしてモモに乗せる結跏趺坐(けっかふぎ)が本式ですが、片方の足だけ乗せる半跏趺坐でもかまいません。立つ姿勢で行う座禅もあり、足の組み方にこだわる必要はありません。 ナルク記者の皆様へ 長く続けてきました「北から南から」の欄を近々終了し「記者レポート」の欄を拡充します。 ナルク記者の皆様は従来以上に積極的に拠点のニュースを「編集委員会」宛に送ってください。 また活動の中で感じた感動的な出来事なども「読者の広場」他でとりあげますので送稿してください。記者が決まっていない拠点は至急選任してください。(編集長) 旅行委員会 今年の海外研修旅行はイギリスとフランス ナルク旅行委員会は1月22日本部会議室で委員会を開催、今年の海外研修旅行の行き先をイギリスとフランスに決定した。 イギリスにはボランティア団体も多く学ぶことも多くあるが、ガーデニングの盛んな事でも知られている。ゆったりとした田園風景も観光スポットだが、話題のユーロスターの乗車も企画している。ロンドンからドーバー海峡をくぐり、列車は3時間弱でパリに到着する。 パリの日程は多くは取れないがお買い物を堪能するも良し、グルメを楽しむのも良し、ご自由に。 詳しいことは3月号でお知らせするが、出発は6月の中旬から日程は約1週間、費用はおよそ30万円を見込んでいる。 |
2007年2月号 4面 | ||||
---|---|---|---|---|
読者の広場 ◎随筆 みんなで筋トレ 奥本志朗(岡山日生) 高齢者の60%は腰痛、膝痛などに悩まされていると言われています。二重腰で歩いているお年寄りに出会うと、胸が痛みます。このような状態は「寝たきり」につながる可能性があります。病院に行っても鎮痛剤などの一時抑えの処置しかしてくれません。私の体験では根気強く、半年、一年のスタンスで、自力で治す以外に方法はないと思います。厚労省が推薦した「マシンによる筋トレ」も、どうも結果が思わしくありません。そこで私は「寝ころんで筋トレ」を開発することになりました。これは、いつでも、どこでも(ふとんの中でも)、だれでも(高齢でも、腰痛などがあっても)やれて、素晴らしい効果が期待できる自力療法です。18年間の脚のむくみと疼痛が完治した例さえあります。生きる意欲が湧いてくるのも見落とせません。くわしくは本誌101号に紹介された拙著『寝ころんで筋トレ』をご覧ください。 誰もがPPK(ぴんぴんころり)で死にたいと言います。そのためには、自分のからだは自分で健康にすることが第一です。「寝ころんで筋トレ」の継続は「寝たきり予防」に最適です。しかし、意志強固な人はともかく「一人で筋トレ」を続けるのは難いようです。 そこで私はナルクのサークル活動の一つとして10人〜30人のグループで、毎週1回(できれば2回)定期的に「みんなで筋トレ」をやられることをお薦めします。そうすれば連帯感が生まれ、励みが出て、家庭での「ひとりで筋トレ」も習慣化されやすく、お互いの切磋琢磨によって素晴らしい効果が現れるでしょう。クチコミで「みんなで筋トレ」の効果が伝わり、ナルクの会員が増加したという例もあります。「みんなで筋トレ」をやって、元気にボランティア活動を続け、与えられた人生を輝いて生きようではありませんか。 北から南から ◎中標津 事務所が決まったよ 中標津 事務所が決まったよ 昨年10月拠点が設立され、11月から活動を開始した同拠点の事務所が決まった。=写真。 事務所は「伝成館」と言う建物の1画12坪。この建物は昭和2年に北海道根釧農業試験場として建てられたが、このたび取り壊しの運命にあったところ、歴史的価値がある建物の保存をすべく町の有志が立ち上がり、NPO法人伝成館まちづくり協議会を発足させ、運営保存していくことが決まったという由緒ある建物である。 ◎栃 木 結成五回目の公演 11月7日、「アットホームさくら」で、「とちの実演芸一座」の第5回公演を行った。出し物は、詩吟・民謡・日本舞踊・歌謡曲・マジック・紙きり。始めに施設長から一座の紹介の後、拠点副代表からあいさつに含めてナルクの活動について話があった。プログラムに沿って、詩吟民謡、歌謡曲、日本舞踊、マジック、紙きりと。施設側からの飛び入りもあり、アカペラでの歌もあった。施設にお集まりの皆さんには喜んでいただいた。今回はナルク会員11人が協力したがこれからもボランティアを通じて、少しでも皆さんのお役に立てればと思い、ナルク一座を続ける意向。 ◎亀 岡 歩こう会 11月27日、前日からの激しい雨でほとんど諦めていたところ、当日朝には止み、降水確率10%ということで、13人が集まった。南禅寺・永観堂・法然院・真如堂と京都市内の紅葉の名所を歩くコースなので、多くの人出を覚悟していたが、雨上がりが幸いしたのか、たいした混雑もなくゆっくりと見物できた。どこも見ごろで、赤や黄色と鮮やかに染まった木々を古の都人になった気分で堪能した。手入れの行き届いた庭、歴史を物語り人々を和ませる多くの寺や風景・・・。一同、京都の近くに住む幸せを改めて実感した。 |