2006年12月号 1面
      中国帰国者に継続的な支援の手
 「信州まつもとだいら」が残留孤児と深く交流
   捨 て て お け な い 生 活 困 窮 と 孤 独
 
 中国残留孤児の帰国が始まったのが日中国交正常化後の1972年であった。30余年が過ぎた昨今は、その肉親捜しも帰国も峠を越えた観があるが、日本側の受け入れにも問題があり、各地で裁判沙汰になっているのは不幸なことである。
 日本語が分からないとか、日本の文化や習慣になじめないと言った孤独な悩みを抱える彼らであるが、根本には生活困窮という問題があることに注目せざるを得ない。政府の対応策も急がれるが、ナルクの拠点「信州・まつもとだいら」が設立以来この問題に関わって来て、大きな感謝と信頼を集めている。その様子が去る10月9日の帰国者長野県大会で報告された。
 中国帰国者は信州だけでなく全国各地に定住している。ナルク「信州まつもとだいら」の活動をヒントにして、各地で草の根型の支援の輪が広がることを期待したい。金銭的な支援も大切だが、同時に彼らが日本語を覚え、技能を習得し就労できて生きていけるための生活に密着した交流支援が必要なのではなかろうか。

         中国残留孤児の現状

 昭和47年から始まった帰国事業は今年で34年目を迎える。帰国者の数は全国で2万人を超える。当時平均40歳代だった彼らの年齢も、今は高齢化し、記憶も手がかりも薄くなりつつある。
 帰国者の数は、都道府県別に見ると1位が東京都の1122人で、以下長野県の402人、大阪の387人、神奈川の351人と続く。逆に少ない県は鳥取12人、徳島16人、福井22人といったところ。
 帰国者2世は、日本語も話せ、日本社会にも溶け込んでいるが、高齢化した1世たちは生活保護を受けている家庭も多く、生活は非常に厳しい。
 厚労省も本来ならば「お帰りなさい、よく頑張ったね」というのが彼らを迎える原点だと思うが、北朝鮮からの拉致被害者と違って「特別な措置はとら ない」というスタンスである。そのために全国各地で救済を願う裁判が起こっていることは遺憾なことだ。

         「信州まつもとだいら」の取り組み

 前述のように長野県は全国で2番目に中国帰国者が多い県である。松本市にあるナルクの拠点「信州・まつもとだいら」では拠点設立当時からこの問題に関心を寄せていた。
 ナルクと帰国者との最初の出会いは、昨年の1月、拠点が中国料理の講習会を開いたことに始まる。
 その日のテーマは餃子であったが、長野県の「松本地方事務所」に相談したところ、中国帰国者で作る「陽だまり」という会から帰国者数名を講師として派遣してくれた。
 もちろん言葉も通じないし、最初はぎこちなさもあったが、地方事務所の担当の方が通訳も兼ね、間に入ってくれたことで、2回3回と続けるうちに次第に彼らもうち解けて、心を開いてくれるようになった。
 秋には逆に彼らの方から「日本の家庭料理を教えて欲しい」という要望が出て、おにぎり、みそ汁、漬け物の講習会を開くこととなった。「おにぎりは3角に握る、みそ汁は出汁をとり豆腐は煮込まない」など基本的なことを教えたが、とても喜んでもらえた。
野沢菜の本場だけに漬け物の指導には一段と熱が入った。
 今年の春には稲核菜(野沢菜の一種)の種まきから経験してもらったり、ウオーキングの会にも参加してもらったり一段と交流が進んだ。
 拠点代表、守安威象氏は「お役所の支援策は日本語教室といった頭で考えたものになりがちですが、私たちは目を外に向けたのです。自然と触れ合い、人と触れ合うことで、本音の付き合いができるようになったと思います」と語っている。
 今年は稲核菜の種まきだけでなく、馬鈴薯の植え付け、田植えも共同で行った。田植えには帰国者が25名も自発的に参加してくれた。
 7月には県の方から「ナルクとして正式に支援をして欲しい」という要請があった。拠点としては「陽だまりの集い」という支援活動でその要請に応えることとした。

          秋の収穫
 9月16日、帰国者14人とナルクの会員20人が集まり、春に植えた馬鈴薯を収穫し、それを使った料理教室を開催した。出来上がった料理はコロッケと肉ジャガ。
 活動に参加した帰国者の一人、竹内政子さん(73)は「私は10歳の時に黒竜江省にわたり、62歳で帰国しましたが、ナルクの活動を知るまでは家でテレビを見るだけの引きこもりの生活でした。陽だまりの集いに参加するようになってからは、友達もできたし充実した日が送られるようになりました」と語っている。
 9月30日には、皆で5月に田植えをした「秋田こまち」の収穫祭を行った。ナルクの会員、帰国者の家族、ボーイスカウトの小学生などでこの日は総勢80人となった。ナルクの高畑会長も参加した。
 後日この米を精米し5キロ入りの袋に詰め配布したが、80袋もできたのは感激だった。
        
        帰国者の弁論大会

 10月9日には「中国帰国者長野県大会」が開かれ、そこで帰国者たちの日本語による弁論大会が開かれた。残留孤児の皆さんも日頃の日本語の成果を発表したが「陽だまりの集い」に参加されている石坂政敏さんの弁をご紹介しよう。

                    「故郷よ」

 私は昭和20年、旧満州で生まれました。父は開拓村から徴兵され、翌年シベリアで亡くなりました。
 母は病気の私と養父との間に生まれた妹を必死に育てました。故郷、長野県のことは1日たりとも忘れたことはないといっておりました。
 その母も昭和26年の春に貧困と愁いの中、この世を去っていきました。養父もその後すぐに亡くなり、私は本当の孤児になりました。
 その後成人し結婚もしましたが、望郷の思いで一杯でした。
 平成8年、私たち一家5人は、ようやく待ちに待った祖国、日本に帰ることができました。日本に帰ってから一番困ったのは言葉の壁です。運転もできない、言葉も上手く話せない私は、肉体労働の仕事しか見つかりませんでした。
収入が少なく、年金も加入期間が短いので、老後の生活不安と孤独を常に感じていました。
 一昨年、長野県の支援組織を通じてナルクというボランティア団体の皆さんに出合いました。ウオーキング、野菜作り、田植えなどのイベントを通じ皆さんの情熱と親切に接し、孤独の世界から脱することができました。
 ある日、いつも送迎をしてくださる宮崎さんが、雄大なアルプスのよく見える高原へ案内してくださいました。
 山頂に輝く白い雪、青々と茂る目の前の木々、銀河のように流れる川、こういう風景を見て、長野県は山も美しく、木も美しく、人はもっと美しいと思いました。長野県、私の故郷、アイラブユーと心から言いたいのです。

          2006年12月号 2面
    ナルク北海道福祉調査センター旗揚げ

 本年5月のナルク本部総会で北海道内各拠点代表が大阪や神奈川での「福祉調査センター」の活動状況を耳にして、早速北海道庁はじめ関係行政機関や道内のNPO団体からの情報収集に動き出した。
 また本年3月、北海道庁が開催した「介護サービス情報の公表」に関わる調査員の養成研修に函館拠点から4名の会員が受講し、調査員資格を取得した。さらに10月に、道庁の委託を受けたNPO団体が主催する「認知症高齢者グループホーム外部評価」の調査員養成研修を5拠点から23名の会員が受講した。
 時機到来!ということで10月11日に本部から寺井事務局長、青木理事を招き、道内7拠点の代表などが札幌に集まって「ナルク北海道福祉調査センター」を立ち上げ、同センターの代表、事務局長など運営の中心となる役割を決定した。
 今後は同センターの具体的推進について協議を進めるとともに、道庁から各種指定調査機関募集の動きがあれば、いつでも応募できる体制を固めていくこととしている。

                     来年4月を目途
       千葉もセンター設立を決定

 ナルク千葉 県拠点連絡協 議会は「福祉 調査センター」 の設立に関し 昨年7月以降、 既に活動して いる神奈川 の経過と現状 についてレク チャーを受け、情報収集に努めてきた。
 本年3月の連絡協議会で小委員会を設置しメンバー4名(千葉・かずさ・船橋・東葛拠点)を決定し、東葛拠点の西村代表を委員長に選出した。
 6月には行政から「千葉県の福祉サービス第三者評価・情報公開の検討結果」説明があった。
 10月9日のナルク本部の説明会後、直ちに連絡協議会を開催。「福祉サービス第三者評価機関」への参入と「ナルク千葉福祉調査センター」を千葉県ナルクとして一本の組織で設立することを確認した。
 設立準備委員会は小委員会メンバーに茂原・市川拠点を加え6名とし、委員長に西村寿紀氏を選出=写真。事業開始2007年4月を目途に、来年1月以降の認証手続きや設立総会・役員選出・資金調達を進めていくことになった。
 今回設立する機関は、福祉サービス第三者評価事業で保育所・児童養護施設・乳児院・障害者福祉サービスが評価対象だが、今後は介護サービスを評価対象に拡大する予定。近い将来、「介護サービスの情報公表」そして「認知症高齢者グループホーム外部評価」それらの指定が得られるよう努力していく。
                                      (かずさ・丹村喜維) 
                       女性の視点
                    握手できる自分に
                                      樋口 シゲ(八戸)

 「自分自身と握手」と書かれた本を読んだことがある。日常の仕事、生活の中でいろいろな問題に突き当たるが自分に握手できる行動ならば何も、心配しないで進もうと。
 その本を読んだとき、すごい勇気をもらった気がした。自分を好きな自分になれば、自分が言われたら嬉しい言葉を使うことで、相手の嬉しそうな顔が見られるが、万事こうはいかない。自分が楽しくなければ相手もきっと楽しくないと思う。
 こんなことがあった。    
 その日は私の番で、特に時間の指定のない活動で入院患者の話し相手をすることだった。家を出て少し経った頃、土砂降りの雨が降ってきた。 ワイパーも間に合わないほどで視界も非常に悪い、スピードを緩めソロソロ走った。途中の道路は冠水していた、病院の駐車場のゲートを入った途端に
雨がピタッと止み、晴れた。なんということだろう。
 一時間後の帰り道はもう乾いていた。綺麗な夕日が出ていた。ひとり車のなかで「ありがとうー」と叫んだ。ただ雨が止んだことだけなのに感謝できる、そんな自分がいる。
 また炎天の畑に草取りをしていると、なんと二匹のカメムシが前を通った。この暑さに対でなくとも、と思った途端短歌の材料になった。ちょっと嬉しくなった。(そのときを詠んだ歌は自己満足に他ならない)
 いつもこんな調子の自分であるが、落ちることもある、そんな時、こんな歌を詠んだ
  ○ 言わなけりゃいいのに言ってしまつたの  
                  嫌いな自分が鏡に映る
 この歌のできばえに「ほっ」としてまた、いい自分がいる。いい加減な自分もいるし、棚に上げて置くのもいっぱいあるが、やっぱり自分が好きだ。自分に握手できる自分がいる。
 でも蓬の花粉でグジュグジュしているのも辛い。
         第37回理事会開催

 10月26日(木)13時から大阪中央区のドーンセンターで第37回の理事会が開催された。
 席上、本年上期の事業報告、上期決算報告、福祉調査センターの現状報告が行われ、時間預託、寄付金問題、移送問題などが審議された。
 昨年上期に比べ「拠点の設立」は大きく増加、SN東京、鳥取S拠点といった違う形態の拠点が出来たのも特徴。特筆すべきことは各地で福祉調査センターが設立され活動を開始したことであろう。
         本部スタッフ募集
 
 週に2,3日本部事務所(大阪市中央区常盤町・地下鉄谷町4丁目下車・徒歩5分)へスタッフとしてきていただける会員を求めています。
 お願いする業務はユニフォームの注文処理、拠点宛各種文書の発送、会員外からの資料請求対応、拠点からの報告書類の管理とパソコン入力、入会処理業務と生活研究アドバイザー業務のアシストなど。
 協力いただける方は本部寺井事務局長までお電話ください。

          2006年12月号 3面
                  10年目を迎える
          生活研究アドバイザー
 
 早いもので、ナルクの生活研究アドバイザーは誕生して10年になる。 通常メーカーの開発部門担当者は30代、40代が中心である。高齢者の意識、思考、能力を理解せず、ただ利便性や目新しさのみをアプリオリに考えがちであった。しかし松下電器は高齢化社会の到来を見越して、高齢者の精神的・肉体的諸要件を徹底的に分析して、高齢者向きの製品開発に力をいていた(高畑会長もこの部門に関わっていた)。
 わが生活研究アドバイザーも積極的に高齢者のニーズをアピールして、誰でも使いやすいユニバーサルデザインの商品開発を会員の知恵を結集して提案してきた。
 文藝春秋の11月号に堺屋太一氏は「日本が高齢化社会の文化面で先頭に立てれば世界から尊敬を得られるが、その場合に大切なことが2つある。1つは高齢者用の商品開発を今以上に積極的に行うこと、2つ目は寄付を尊重する体制を作ること」と述べている。
 堺屋氏の提言をナルクは10年前から実行してきたのである。
                  ナルク国内旅行
      中標津&世界遺産知床・道東の旅
                                      
  今回のナルク国内旅行は10月18日から2泊3日の日程で実施された。参加者は高畑会長以下関西と関東地区から18名。北海道で11番目に設立される中標津(なかしべつ)拠点の設立総会に参加し、あわせて道東の世界遺産知床などを巡ることがメインテーマだった。
 18日14時、空港まで出迎えてくれた中標津拠点の方々の案内で、今回の第一の目的である中標津設立総会の会場「寿宴」へ向かった。
 会場は釧路や江別などの拠点からも大勢がお祝いに駆けつけ、和やかな中にも、情熱あふれる雰囲気であった。設立総会に引き続き「これからのナルク」という高畑会長の記念講演がもたれた。熱の入った会長の話に聴衆一同深い感動を覚えた。
 懇親パーティーでは各拠点との交流会が持たれた。たとえ遠くに離れていても、同じ目的を持つ、ナルクの仲間として、暖かい心で交流できたことは大きな感動であった。 
 翌日からは、観光へと出発した。酪農を中心とした豊かな町、中標津を後に、遥かに北方領土国後島を望み、地球が丸く見える「開陽台」、そしてサーモン科学館へと見学は続く。
 世界遺産知床は、北の海がもたらす多くの魚類、トドやアザラシ、ヒグマなどの動物、オオワシなどの猛禽類の命を育んできた海と陸が、世界的に評価されたものである。
 知床峠からは羅臼岳が間近に見ることができ、またバスの車窓からは、ヒグマやエゾシカの姿が見かけられた。
 いつも霧がかかっている神秘的な湖、摩周湖は、運良く晴天に恵まれ美しい湖面を眺めることができた。
 姫路から参加された吉田正弘さん、弘子さん夫婦は「待望の摩周湖を晴天の下で観光でき、素晴らしさに魅せられた」と嬉しそう。
 雄阿寒岳を望む湖、国の特別記念物マリモの生息する阿寒湖を遊覧船で一周し、湖をとりまく木々のすばらしい紅葉を眺め、秋の恵を先取りした。
 横浜から参加された壇上玲子さんは「始めての北海道旅行で、私が一番高齢者なので、心配だったが同行の谷口さん、荒井さんに助けていただいて、無事旅行を終えることができ嬉しい」とのこと。
 秋の道東を満喫し、遠いナルクの拠点の人たちとの交流ができたことはすばらしいことであった。
                                           (阿部国子)
      リレー訪問21   ナルク岐阜(かがり火)
               素晴らしい拠点から
            素晴らしい息吹が


 ナルク岐阜は平成16年7月に「ナルク大垣」から独立する形で結成された。10月現在、会員数107名、69世帯に成長し、人口45万人の岐阜市を中心に生き生きと活動している。
 独立前は「社会貢献」「親睦」などを重視する傾向があったが、独立後は「時間預託」に関心を持った人が多数入会し、団塊の世代をはじめ、今後とも活動できる会員を増やすためにも、10年後を展望できる明確な方向性を打ち出す必要がある、と山口弘代表、小島力事務局長は言う。
「私たちが目指す方向性が、会の愛称『かがり火』に込められています。鵜飼いの華麗なショーでは誰もが鵜庄と鵜に注目しますが、陰で支えているのはかがり火です。かがり火がなければ鵜飼いは成り立ちません。私たちも鵜や鵜庄のような派手な存在ではなく、地味であっても社会から必要とされる存在、継続性のある存在であることが必要だと思っています。10年後にも時間預託制度が堅持されているという継続性が大切なのです」
 現在事務所は会員の身内の方が所有するマンションを格安で借り受けて、会の運営に当たっている。会員間の信頼関係は厚く、人間関係も良い。会の運営に新しい人を増やし、新しい感覚で取り組んでもらったのが活性化に繋がったようですと、集まってくれた戸高哲子・池田龍彦副代表、小島力事務局長、佐藤三五子会計担当、山口孝子会員が異口同音に言う。
 「時間預託制度を大切に」「人間関係を大切に」「居場所を大切に」「社会貢献を大切に」この4つが会のベースになっているという。
 現在の主な活動は障害者支援・高齢者支援・子育て支援として「スポーツ大会の協力」「花火大会の手伝い」などを行っているが、その地道な活動が評価され、来年2月から1ヵ月間にわたって岐阜NPOセンターの常設ブースが提供されることになったという。ここでナルクのPRが思う存分できますと、皆さん目を輝かしていた。   
 当面、岐阜として2つの夢がある。1つは高山・多治見の新拠点作りである。県下に5箇所の拠点を作り、ナルクの社会貢献を広げたいという計画を練っている。
 もう1つは3拠点連絡協議会(岐阜・大垣・各務原)で出ている話だが、生涯参加できるナルクにするためにも、会員が生涯一緒に生活できる施設を作り、元気なうちは活動をして、将来は介助を受けながら、気心の知れた仲間と一緒に暮らすことを考えたいという話である。こちらの方は蕾の蕾みたいな話だが、夢は大きいほどいいですねと、両副代表も力説する。
 この2年間を振り返り、「個人宅でない独立した事務所の確保」「資金の目途」「暖かい気持ちを持った人(人のためにする、一緒にする、人にお返しする)が集まること」この3つが、新しい拠点作りの必須条件だと代表は言う。「我々は幸運にもこの3つが満たされたのです。高山・多治見もこの3つが満たされるよう我々なりにこれから努力していきます」との力強い発言もあった。
 長良川のかがり火は、明日も10年先も川面を赤々と照らしていることであろう。
                                  (日比野昌弘)
          記者レポート
浦安中央
 10月19日、韓国の政府代表が当拠点の「浦安市堀江つどいの広場」を視察に訪れた。これは日韓の政府間で少子化問題の情報交換をしようというメンバーで当日は約1時間にわたり広場の実態を見学、活発な質疑応答が行われた。
 当拠点がこの広場の運営に携わったのは3年前、以来「おもちゃの病院」「学びの広場」「支え合いの広場」などの活動を続けてきた。
 席上ナルクについての質問も多く出され、こちらも関心をもっていただけたようだった。
                                         (戸沢昌子)
丹波
 兵庫県青少年本部がナルクに運営を委託している「子どもの冒険広場」は当拠点の活動の目玉である。本誌10月号「拠点訪問」でも詳しく報道されたが、今回は丹波篠山市の広報誌にも2頁にわたり取り上げられ、一段と責任の重さを感じている昨今である。
                                         (笹倉武史)

 ナルク堺「ひまわり会」は、泉北ニュータウンの市民を対象とした「活動内容説明会」を10月15日(日)開催した。予想を上回る40人余りの参加を得て、たくさんの入会希望をいただいた。
 現在、会員は200名余りだが人口83万人の政令指定都市としては、ブロック制活動が課題になっている。
 そんな折、市の南区で高畑会長の講演会が
行われた。この好機を
逃さずに、他地区でも地域に合ったイベントや懇談会を実施し、会員拡大と活動ニーズの把握をする予定でいる。
                                         (橋野喜紀)
         おもしろ京都学
                 京の座禅
 南禅寺の僧侶は冬でも素足に草鞋で、大声を上げながら托鉢をする。その行動はきびきびしていて隙がない。これは日頃の座禅の賜物。
 座禅は日頃私たちが行っている吸気中心の呼吸ではなく呼気中心の腹式呼吸を行う。腹式呼吸は息を全て吐ききるので腹筋の力が鍛えられる。座禅では線香が燃え尽きるまでその呼吸法を行うので有酸素運動と同じく心身をリラックスさせる効果もあるという。
         「ないすらいふの会」のご案内

 ナルク東京本部は厚生労働省の認可団体(社)中高年齢者雇用福祉協会(通称:JADA)が運営する「ないすらいふの会」と連携をし、いろいろな活動を続けていますが、簡単にJADAの特徴をご紹介をします。「健康」「経済」「いきがい」の3つを柱とし、多彩な特典を付して全国で約3万名の登録会員とその家族が利用しています。   
【特典の一部】
   @官公庁等の提携宿泊施設が手軽に安い予算で利用できる。
   Aカルチャ−センタ−(NHK・朝日等)の入会金が全額または半額免除。
   Bレンタカ−が20〜51%割引。
   C主催講演会が無料など。 http://www.jada-prep.jp参照
                入会金:500円 会費:4,000円(2年間有効)
【問い合わせ・資料請求】E-mail:sogo-nlc@jada-prep.jp
 〒105-0004 東京都港区新橋5-22-10 松岡田村町ビル 
          「ないすらいふの会」事務局・ナルク係
              TEL 03-3432-6381FAX 03-3432-3370 
生涯学習センター ニュース
@劇団ナルク
   第2/4金15時30分
         産業創造館15F
 ナルク創立15周年 記念公演に向けて
 楽しい喜劇稽古中 男女団員大募集
       問合せ  本部  田邊
AJ&Bコーラス
   第2/4金 13時
         産業創造館15F   
  5周年記念公演を来年7月に予定。
B文章教室
  講座終了を記念して「分かりやすい 
      文章を書くコツ」という冊子を発行。 
      拠点会報担当者必携。
   頒価送料込み 千円。 問合せ:山田

          2006年12月号 4面
                    読者の広場
随想
 延命治療に思う
 60年にわたり医療という世界を歩き、2年前に職を退き、高畑会長のお薦めでナルクに入会した。おぼろげながらナルクの理念も分かった程度の新参者だが、思うことは多々あり、筆をとった。
 本誌8月号に秋山隆二氏の終末期医療についての講演要旨が記載されていたが、患者側、医療側共に指針となり得る記事であった。
 とくにエンディングノートへの記載の問題は、患者さんにとっても重要だが、医師側にとっては、それを自分の責任逃れの材料にしてはならないと考える。
 延命治療というのは誰の造語か知らないが当たり障りのない言葉である。
 そもそも医療の根源は延命であって、その生命が快適に永らえることを願い、それを支援することを目的としている。その役に任じられた者には大きな責任が負わされているので、まず尊い生命の保持、延命が信念としてあるべきである。宣言書を前にして患者さんにもご家族にも胸をたたいて「全力を尽くします」と言うべきだと私は思っている。
 責任を恐れる者、医療紛争を恐れる者は医者になってはならないと思う。医師にはなれても医者になることはなかなか難しいのだ。
 人生の重さを量る秤があるなら、ぜひ計ってみたい。幸いナルクにはいって多彩な人材に囲まれるようになったのだから、その中で揉まれることによりこれからの余生を重い物にしたいと思う。
                               (豊中・池田・箕面)大菅三郎
 
 困ったボランティア
@やってあげるボランティア「やってあげるのだという顔で相手のプライドを傷つけ、感謝を要求する」

Aしぶしぶボランティア「自分はしたくないが義理でやらされていると、愚痴ばかりいう」

Bご都合ボランティア「自分の趣味や生きがいを求めるのが主で、興味のあるもの、楽しい催しのときだけ顔を出す」

C言うだけボランティア「グループに顔を出して色々言うが、自分ではやらない」

Dボス、ボランティア「仲間を支配する事ばかり望み、リーダーを交代しようとしない、また他人のプライバシーに入り込む」ボランティアの基本は「させてもらう」という精神である。無理をせず続けることが一番と思うが。
                                 (奈良・江島利典)

 タクシードライバーの気持も分かるが
 福井日銀総裁は10月の経済財政諮問会議で「規制緩和には苦痛を感じる国民も多い。政府は国民の耳に心地よいことを言い過ぎている」と政府に噛みついている。
 平成14年、タクシー業界の規制緩和を目的とした改正道路運送法が施行されてからは、タクシー業界では、増車と値下げ合戦により運転手の収入が劇的に低下している。
 仙台では運転手の年収が238万円(宮城県平均)にまで落ち込み、業を煮やした彼らが国へ損害賠償を求める裁判を起こした。
 懸命に働いても生活保護のレベルにしかならないのだから、彼らが怒るのは当たり前だ。 作家の矢貫隆氏は「タクシーの運転手さんは京都の場合、月40万円の水揚げがあっても手取りは17万円にしかならない。過当競争の昨今、月40万円の水揚げは、なかなか難しい。毎日246キロ、朝7時から夜9時まで月に22日走って達成できるかどうかの数字である」と語っている。
 そのことを業(なりわい)としないボランティアは、生業を犯してはならないのは当然のこと。タクシードライバーの厳しい状況を知るにつけ、可能な限り応援したいとは思う。しかし色々な事情でタクシーを利用できない方々への送迎にも手を差し伸べたい。
 このような状況を認識したうえでのナルクの「送迎」についての今回の改定は、両者への配慮の結果ナルクにとっても苦渋の選択である。
                                   (本部・藤岡武史)
                     北から南から

かしま 歩こう会 
 8月28日、17名が4台の車に分乗し出発。大洗シーサイドのドライブコースを、右に海を見ながら快適に走り、ひたち海浜公園西口駐車場に着く。水戸射爆場(飛行場)として古い歴史を持つ園内は、東京ドーム25個分の広さ、噴水広場、バラ園、遊園地、赤松林、コスモスがちらほら咲き出した海の見えるみはらしの丘を、シーサイドレインに乗ったり、ウオーキングをし園内を巡る。そよかぜ広場で和気あいあいの昼食。超大型店のジョイフル本田は思い思いに店内探訪。なかみなと魚市場見学買物終了後、各車帰路についた。

埼玉西・入間 ボランティア体験の大切さ
 8月26日、社会福祉協議会の夏休みボランティア体験でロードサポートに2組の母子が参加した。中学生と小学生の男兄弟で、当日はいくらか涼しいものの、汗をかきながら一生懸命ゴミ拾いをしてくれた。清涼飲料水の缶、花火のゴミ、家庭ごみまで川原に捨ててあり、かなりの量になった。ポイ捨てをする人は何を考えているのか。啓蒙活動の一環としてもロードサポートは意義があると改めて感じた。
 
南横浜 パッククッキング                
 9月26日、内山先生の指導の下、本年2回目の薬膳料理を作った=写真。
 参加者は12名。パッククッキングとは、いわば手抜き料理のこと。例えばロールキャベツを作るには、ポリ袋にひき肉、卵、刻んだたまねぎ、パン粉、塩、こしょうを入れてもみ合わせ、さっと塩茹でにしたキャベツの葉で包み、これをポリ袋に水とコンソメを加えて入れ、電気ポットに30分入れておけばでき上がる。また、ご飯を炊く時、研いだ米の上に、ポリ袋をのせてスイッチを入れると、ロールキャベツも同時に完成と言う具合。コツはポリ袋の空気をよく抜くこと。7種類のメニューを楽しんで作り、たっぷり味わいながら食べた。
 
吹田 エプロン姿がよく似合う
 9月30日、男性のための料理教室が開かれた。 会場では、ガスコンロのセットから包丁、まな板、ボールなど、男性のことを心配して応援に駆けつけてくれた優しい女性軍が、かいがいしくテーブルに道具の取り揃える。参加の男性は、なれないエプロンに手を通すのにモタモタ。でも、現実は甘くない。テーブル設営が終ると「さあ、これからは全て男性軍でおねがいしまあーす」と女性軍は別室に退場。“女人禁制”状態に。「それでは」と小畑講師を中心に「えいえいおおつ!」で気勢をあげて、寒い季節に備えて「生姜ニンニク鍋」。出し昆布でだしを取っている間に次の作業におおわらわ。味は塩味。最後にちょっと色を添えるために醤油を少々。さあっ、できあがり。待機中の“毒見役”(女性軍)による試食。その一瞬、生徒(男性軍)に凄い緊張が走る。「美味しい!」「いける!」の声に安堵の吐息。「先生ありがとうございました!」
 
姫路 豊楽園活動                         
 5月3日から6月3日まで、毎年行っている中津川市のナルク会員西尾さんが経営する豊楽園に、果樹の摘果作業の手伝いに行った=写真。
 何時もの事ながら、休憩時間を含め8時間労働で、自炊生活で過した1ヵ月は、健康管理になり、精神修養にもなった。今年は例年になく、多くの果実が付き、作業は大変だった。標高500mとはいえ、例年になく寒く、ずっと長袖を着用、雨も多く変化の激しい気候だった。なし170本、りんご350本の11月の収穫が楽しみ。
 
芦屋 納涼祭り 
 8月26日、午後4時から7時までの3時間、喜楽苑において、夏を惜しむ納涼祭りがあった。利用者と職員の多くが、浴衣に下駄の風情のある装いで集まり、それに家族を始め多くのボランティア団体が手伝いで加わり、ナルクからも6名が参加した。花笠踊りで幕を開け、来賓などのあいさつのあと、食事が始まり、ステージでは次々と出し物が繰り広げられた。「チーム山彦」によるソーラン節は、小学生から30代ぐらいの男女20人ほどが、鳴子を手に踊るもので、力がみなぎり見事なものだった。唄、フラダンスと続き、なごやかな時が流れ、最後は皆で炭坑節を踊って終った。利用者には楽しい夏の思い出ができたことと思います。
 
奈良買い物ツアー
 7月から始まった「あすなら苑」での活動に「買い物ツアー」の同行がある。入居者と一緒に天理市にある大きなショッピングセンターに買い物に出かけるのだ。最初は、何処にほしい物があるのか分からず、入居者に教えてもらいながらやっと目的の売り場にたどり着いた始末。3回目でやっと店内の様子を把握できたが、入居者とのコミュニケーションはまだまだ。買いたい物がある方はまだ対応しやすいのだが、ない方への対応は難しい。買い物ツアーの目的は、買い物をするだけでなく、外の空気に触れ、買い物を済ませた後、皆でたこ焼きなどを食べ、ジュースを飲んで楽しむことにあるようだ。買い物をしている時は、つまらない顔をしていた方が、食べているときには満面の笑みを浮かべる。その笑顔をみた時は、ホットして嬉しくなる。入居者の要望に応えるにはまだ時間がかかると思うが、気長に、末永く続けたいと思う。
                歌って踊ってゲームして
       レディース・パーティ

      日時:平成19年2月10日 正午から
      場所:池田市文化会館
              (阪急・石橋駅下車・徒歩10分)
      会費:4500円
          生バンドの演奏で歌いたい方は本部西村までお申し込みください。