2006年10月号  1面

自立のための「サロン」で社会貢献
全国で高齢者の居場所づくりが活発
新介護予防の柱に育つか
 ナルクはシニアの団体として「自立」「奉仕」「助け合い」の理念を掲げているが、「自立」という概念は言うまでもなく「誰の助けも借りずに、高齢者が日々元気に生きていこう」ということである。そのためには経済的自立と心身共に健康であることがまず第一。
 各拠点では時間預託の助け合いと奉仕型のボランティア活動に加えて、ハイキング、ボーリング、ゴルフなどで身体を鍛え、いろいろな趣味の会で心の健康を図っているが、中でも最近注目を集めているのが「ふれあいサロン」である。  
 ナルク豊中・池田・箕面拠点の「わかばサロン」は「居心地の良い場所、何でも気軽に話せる場所、誰もが主役になれる場所、そしてお互いが支え合っていることを実感できる場所づくり」を運営理念に、会員同士のたまり場としてスタートした。しかし2年を経たいま、会員外のシニアにも広く開放されて地域における高齢者の楽しくて健康な居場所になっている。このようなサロンづくりがナルクの全国各拠点だけでなく様々な地域にも徐々に増えつつある。 
 今年4月の介護保険の改定で、給付の節減のために包括支援センターが設けられ高齢者が要介護にならないための予防策を行わねばならないことになったが、サロンはその決め手になるのではなかろうか。

わかばサロン 誕生の秘密
 「活動できなくなったので、ナルクを退会します」
 ある日、豊中・池田・箕面拠点(わかばの会)にこんな手紙が舞い込んだ。代表(日比野昌弘氏)はじめ運営委員一同大きなショックを覚えた。
「そんな時こそナルクじゃないの」「我々は活動、活動と言い過ぎたのかな」「もっと、ざっくばらんに話せる会があってもいいじゃないの」 そんな会話から「わかばサロン」は生まれた。
 一部の人が仕切る会ではダメだ、皆が主役になるはどうしたらいいのだろう。 延べ数十人が意見を出し合った。その結果
   ・毎月テーマを設定しよう
   ・発言の場を皆に与え よう
   ・皆で歌を歌おう
   ・毎月コーヒーマスター とウエイトレスを決 めよう
   ・会費は300円(但し 誕生月の人は無料)
 などの基本コンセプトがまとまった。
「いい大人が誕生会でもないんじゃないの「5,6人来たらいいとこかしら」「何回続くやら」悲観的な意見が圧倒的だった。 色々な意見が飛び交うなか、平成161222日、第1回のサロンがオープンした。会場は38名の会員で溢れた。全ては杞憂だった。
 行くところがある・会う人がいるすることがある・ なんて素晴らしいことだろう
 参加したある会員の声だった。

日本の元気はナルクから
 年が明けた1月の会には44名が集まった。評判を聞いて、全国の拠点、近隣の行政・社協からも問い合わせが増えはじめた。電話が鳴ると世話役は「ぜひ一度見に来てください」、と誘った。
 豊中の社協が「ボランティアトレーニングコース」の体験学習の場としてサロンを取り上げてくれた。
 豊中市の職員、箕面市の社協、池田市の特養関係者、ボランティア団体のリーダーなどの参加で、近隣での知名度も上がった。
 その陰にはスタッフの努力があったことは言うまでもない。さらに「一人暮らしの地域の高齢者などにも呼びかけて、地域に開かれたふれ合いの場にしよう」というのがスタッフの願い。外部の参加者からはこんな感想が寄せられている。
「皆さんがとてもリラックスされている様子に感心しました。外部の初めての参加者にも入りやすい雰囲気です。当番制で動いていると聞いて感心しました。お互いを認め合って自主運営をすることは組織の強みになると思います。和やかなサロンの中に、力強いパワーを感じました」(箕面市民活動センター長)
 「会員の皆様のパワーに圧倒され、逆に元気をいただきました。皆さんのこの元気がある限り日本は安泰だと思いました。高齢者が元気になれば破綻寸前の医療保険や介護保険も立ち直れます。『日本の元気はナルクから』、皆様にこの言葉を贈ります」(特養理事長)。
 日比野代表も「サロンは大きな社会貢献です」と胸を張る。
「ナルクの真の目的は自立だと思います。我々が支え合って自立して生きていくことが大きな社会貢献に繋がるのです。この支え合いの場がサロンです。皆が楽しく生きて、介護保険のお世話にならない人生を送りましょう。
 今後の課題ですが、地域の包括支援センターにも協働を呼びかけるつもりです。いまセンターはケアプランに追われ、一方で予防、予防とかけ声をかけるのが精一杯のようですがナルクと共同で居心地の良いサロンを作るよう、全国の拠点からそれぞれの地域包括支援センターに提案してみませんか」

全国各地の拠点では
 筑豊では最近「映画サロン」が誕生した。
 市内の映画館とタイアップすることで、会員は特別料金で映画が見られるようになった。
 第1回の例会は8月21日に行われた。参加者は女性ばかりだったが、映画はアニメの「ゲド戦記」を鑑賞した。映画館からポップコーンと飲み物の差し入れがあり一同大感激。
「劇場映画は家のテレビと違って臨場感、迫力が違いますね」
 コーンを口一杯にほおばりながら参加者からはこんな感想が。
 映画鑑賞の後は近くの喫茶店でおしゃべりタイム。映画の話から最近の世相談義に花が咲き「今度は男性も誘いましょうね」と青春に戻った気分で、サロンは盛り上がった。
 似たようなサロンが大阪にも誕生した。
 名付けて「栄養映画サロン」。世話役の三木正八郎氏は若かりし日は大映のニューフェースという経歴の持ち主。
 わざわざ時間を調べて映画館に足を運ぶのは面倒だ、一人では行く気がしない、など運営委員会での雑談の中からこのサロンは誕生した。
 まず会員を募り、三木さんの映画の裏話などを聞こうというところからスタートした。映画鑑賞のあとに懇談の時を設けるのは筑豊と同じ。
「将来的には近隣の拠点にも呼びかけたいと思っています。映画の自主製作が最終目標です」と三木さんの夢は大きい。
 少し中身は違うが市川には「歌声喫茶」のサロンがある。すでに10回の実績をもち、毎回百人以上参加するという大サロンである。大きな声で歌うことで皆の気持ちが一つになるという。暖かい居場所づくりの成功例であろう。
 札幌が計画しているサロンは毎日開催するというのだから、さらにスケールが大きい。
 その名も「シニアサロン・さくらんぼ」。毎日10時から16時まで札幌拠点の会員がサロンに詰めて、「パソコン教室」「男の料理教室」などを開催、地域密着型の高齢者の引きこもり対策サロンを目指す。「事務所を飛び出し、外へ打って出る攻めに転じます」と、八百坂代表も強気の姿勢。現在札幌市に対し補助金を申請中。


                 2006年10月号 2面

ナルク福祉調査センター

全国展開に向けて邁進

「福祉サービス第三者評価」「認知症高齢者グループホーム外部評価」加えて「介護サービス情報の公表」が始まりました。
 これらは各事業所の質の向上を目的に、利用者が業者を比較検討し選択できるように、介護保険法を改正し制度化したことによるものです。
 公表する情報は職員体制、料金、マニュアルや管理記録の有無などです。 対象となるサービスは訪問介護・看護、訪問入浴介護、通所介護、福祉用具貸与、居宅介護支援、老人福祉施設・老健・各種老人ホーム入居者の生活介護などです。
 ナルク福祉調査センターは、全国都道府県でこれらの調査を担当すべく努力しています。各自治体と活動拠点の方針、実情もあり、状況は様々です。
 各地の「福祉調査センター」の実績と現状は次の通りです。

【大阪】
「福祉サービス第三者評価」認証機関としての実績は1件。「認知症高  齢者グループホーム外部評価」選定機関としての実績は72件。「介護サ ービス情報の公表」指定機関としては、来年3月までに725件。
【神奈川】
 「福祉サービス第三者評価」 実績は12件。「認知症高齢者グループホ ーム外部評価」実績は11件。
【滋賀】
 「認知症高齢者グループホーム外部評価」の契約済みは11件。
【兵庫】
 「福祉サービス第三者評価」 契約は1件、予定は6件。
【長野】
 「介護サービス情報の公表」来年3月までに183件の予定。
【北海道】【福岡】【千葉】【岐阜】
  目下、道・県と折衝しつつ、設立準備中。

                  スイスからのお招き
 
 みなさーん スイスにいらしてくださーい!

 スイス拠点は日本からの直行便が着くチューリッヒにあります。現在約20名の会員がおり、多くは4060歳代です。在スイス相互援助の会「ケアチームジャパン」www.ct-japan.chと提携して活動しております。
 会員の多くはチューリッヒ近郊におりますが、ドイツ・ オーストリア国境方面、ボーデン湖近郊、サンクトガレン、ユングフラウやマッターホルンといったアルプスの玄関口であるベルンやレマン湖のあるジュネーブなどに点在しています。
 通訳や空港の送迎はもちろん地元ならではのアドバイスとサポートをさせていただきます。もちろん預託点数でどうぞ。点数が不足の方は日本と同じように若干の寄付でOKです。           
    (スイス・神谷未夏)


 詳細は本部仲まで。

         台湾からお客様

 去る8月14日、台南市のコミュニティカレッジに所属する20人の方々が、ナルクの諸システムを学びたいと来所された。
 このコミュニティカレッジは台南市社区大学という名称で市民に「町づくり」「環境保護」などの専門知識を普及させている機関である。
 一行は9時半から高畑会長、藤岡副会長などから時間預託などを3時間たっぷり学び、大阪を後にした。「台湾拠点が誕生すればいいのですが」藤岡副会長は密かに期待している。

          女性の視点
 中国語と私          今泉三千代(寝屋川)

「 好!ニイハオ」「再見!ツアイチェン」 本部で田邊副会長といつも交わす挨拶だ。以前に中国語を勉強されていたそうである。
 仕事で中国語が必要になった人、旅行を楽しむために学ぶ人、目的は色々だろう。旅行はその国の言葉を話せると何倍も楽しくなる。2008年には北京オリンピックも開催されるし、中国語に関心を持つ人がもっと増えるかもしれない。
 私が「中国語」を意識したのはかなり前のことだ。「中国残留孤児」と言われる人々が一時帰国し、テレビで肉親に呼びかけているのを見た。親を慕う気持ちが涙となってあふれ出て、はっきりした言葉になっていなかったが、そのときの中国語の響きが深く印象に残った。
 その後時々テレビの中国語講座を見るようになり、台湾旅行の折、片言が通じると一層欲が出てきた。末の子が大学には入って親元を離れたのを機に、自分も語学専門学校に入ることを決めた。3年間息子や娘のような若者たちと机を並べて頑張った。
 2年を過ぎた頃、学校が関係する団体から中国残留孤児の日本語指導ボランティアを頼まれた。以前から彼らのために何かできることはないかと漠然と考えていたが、それが現実になるとは。語学力はまだまだだが、この巡り合わせが嬉しかった。 
 早速、家族の協力を得て1ヵ月間主婦業の休暇をもらい、語学力向上のために上海の大学に短期留学をした(中国には夏休みを利用したそういう制度がある)
 色々な思い出があるが、一番心に残っているのは陳さんのことである。
 上海では毎朝あちこちで太極拳をしている人々を見かけるが、大学構内でも熱心にやっているグループがあった。はじめは横目で見るだけだったが数日後、思い切って「一緒にやりたいのですが・・・」と声をかけてみた。皆快く歓迎してくれて早速翌朝から仲間に入れてもらった。
 そのリーダーが陳さんだった。彼女は笑顔が素敵な教授夫人だった。皆が解散した後、私のために20日間ぐらい無償で特別レッスンをしてくれた。おかげで型だけはマスターできた。予期せぬ大きな収穫に感激し、陳さんの親切に感謝した。
 あれから4年、陳さんとはいまもメールで連絡を取り合っている。
 まだまだ未熟だがボランティアの依頼があれば喜んで出かけている。中国語を通じてまた新しい出会いがあり楽しみもある。金子満先生も「外国語を学ぶのは認知症予防の1つ」とおっしゃった。
 頭の体操にもなる語学、皆さんも始めてみませんか。


            知っ得
国民の豊かさ国際比較@

 (財)社会経済生産性本部・生産性総合研究センターでは世界各国の豊かさを知るため、OECD加盟30ヵ国について調査した資料を公開しています。 
 2004年3月時点で発表している「健康」「環境」「労働経済」「教育」「文明」「マクロ経済」の6項目で国際比較を試みました。中国、インド。インドネシア、パキスタンなどのアジア諸国は対象外となっています。
 総合指標では1位はルクセンブルグでした。日本は前回の14位から10位にランクを上げています(図1)。今回は第1回として健康指標をとり上げます。                        (白石勝也)

☆健康指標
 この指標は「平均寿命」「医師数」「看護師数」「病院のベッド数」「死亡 率」「健康支出」などの項目で構成されている。 総合1位はアイスランド 、2位スイス、日本は8位であった。(図2)以下個別に見ていこう

1)平均寿命
 日本が81・68歳で世界一。以下スイス80・49、スウエーデン、アイスランド と続く。最下位はトルコ68歳であった。
2)医師・看護士数
 人口千人当たりの医師数は1位ギリシャの4・4人となっている。日本は下 位グループで 2・0人である。(図3)看護士も19位であった。
3)病院のベッド数
 人口千人当たりの病院ベッド数の1位はスイスで18、日本は17の2位であっ た。日本は 少ない医師で多くの患者を診ていることが明確になった。
4)死亡率
 1位メキシコ、2位アイスランド、日本は9位であった。しかしメキシコは 乳児の死亡率では ワースト2位である。 乳児1,000人当たりの死亡者数は トルコ33人で30位、メキシコ   23人で29位、日本は4人で3位だった。
5)健康支出
 国民一人当たりの年間健康支出は1位のアメリカが約76万円と圧倒的。2位はルクセンブ ルグで約38万円。日本は31万円で17位であった。


                 2006年10月号 3面 

              ご存じですか
          マイケアプラン

 介護保険を使う時は、必ずケアマネージャーにケアプランを作ってもらうものと決めていませんか。

 ところが今回の介護保険法の改正で、ケアマネジャーがプランを作るのは「要介護」に限定されたため、「要支援」の方のプランは包括支援センターが作ることになりました。
 しかしセンターでは希望者全員に対応できないのが現状です。巷にはケア難民が出始めています。 厚労省はケアプランの自己作成と言うことを言い始めましたが、要支援の高齢者が自己作成できるはずがありません。
 そこで元気な頭脳明晰な会員の皆様は、ケアプラン作成に挑戦してみませんか。拠点でケアマネや、地域包括、支援センターの専門家などを招いて勉強会を開いてください。
 高齢者による高齢者支援はナルクの原点です。すでに京都には「マイケアプラン研究会」という組織があります。こちらに相談するのも良いでしょう。電話は075ー313ー0661です。ケアマネからも見放されたケア難民を救いましょう。                                                                             (藤岡)

         記者レポート
  芦屋  ある会員の軌跡を追って

 ナルク芦屋の会員S夫妻が長年住み慣れた芦屋を離れ、淡路島のホームに転出されました。

 Sさんの歩んだ道は「元気なうちは奉仕活動、動けなくなったら仲間の助けを借りる」といった「自立・奉仕・助け合い」のナルクの理念を地でいく一つの見本です。 Sさんの7年間の軌跡を追ってみました。 (芦屋・本郷孝) Sさんご夫妻は平成11年、設立間もないナルク芦屋に入会されました。ご夫妻は2人暮らしでご子息は海外在住でした。温厚で誠実なお人柄。人のお世話が大好きですぐに会にも溶け込まれ、エルホーム売店での活動にも活発に取り組まれていましたが、3年ほどたつと、とっさの応対や商品の計算に戸惑われるようになりました。
 平成16年、ご子息からナルク芦屋にご本人の預託点数を使った助け合い、「話し相手」「散歩時の介助」の依頼があり、もちろん拠点としても喜んでお引き受けしました。旧知の会員同士なので双方何の抵抗感もなく2年半にわたり、総勢13人が携わりました。
 当初はお二人とも軽度の認知症(ご主人は介護度1、奥様は要支援)はみられるものの、いたってお元気でケアマネージャーをはじめ多くの専門家のアドバイスと地域の支援に支えられて、住み慣れた芦屋での生活が続きました。
 しかし日が経つにつれ、症状は少しずつ進んでいきました。ご子息は外国で一緒に住もうとも考えられたようですが、専門家の薦めもあり、ご夫妻が一緒に暮らせる介護付有料老人ホームへの転居を決意されました。
 新しいホームは海に面した建物で、7階の部屋は眺めも良く快適で、お二人は旅行にでも行くようなルンルン気分で過ごされているとのことです。
 お二人が新しい生活に早く馴染まれて、幸せな第4の人生を送られますよう祈って止みません。

  横浜  高木敏之初代代表追悼の記

  ナルク横浜、初代代表で本部の副会長も勤めた高木敏之氏が平成18年6月29日多臓器不全で81歳の生涯を閉じられ、横浜の大林寺で多くのナルク会員、同窓会会員に見送られてしめやかに告別式が行われました。ご霊前にはナルクの顕彰制度に基づく3人目の表彰状が額に入れられて飾られていました。
 高木さんは定年後、東海短期大学の教授を務めながら10年以上大学の同窓会長をされ、その間に関東で初めての拠点「ナルク横浜」の設立に格段の努力をされてこられました。
「自立・奉仕・助け合い」というナルクのモットーに加えて、「広げる・固める・続ける」の横浜独自の行動指針を示され、関東22拠点の先導役を果たされてきました。
 だがこの頃から、重度の狭心症を患っておられ、ナルク横浜の設立総会の翌日に入院され、6ヵ月の闘病生活を送られました。しかし入院中にも運営委員会の資料と議事録に目を通され、指示連絡されるというこの会に寄せる思いは人一倍のものがありました。
 病気快復後は以前にも増して精力的に活動され、温顔に微笑みをたたえながらも運営に対する厳しい指摘をされていました。
 東横浜・南横浜の独立総会や各拠点の設立総会には欠かさず出席されていました。いま振り返ればこれからのナルクに大きな期待と希望を持っておられたと思います。どうぞ安らかにお眠りください。
                                       

     時間預託利用   文楽へのお誘い

 国立文楽劇場がナルクの時間預託ボランティアを評価し、これを支援する制度の一環として平成12年から特別価格で鑑賞することができ、好評を得ています。
11月公演は芸術の秋にふさわしい大作揃いですが、この制度が利用できます。 拠点で5名以上揃えば高畑会長との夕食懇談会や楽屋・舞台裏見学も可能です。
           【11月公演詳細】
      期間:4日(土)〜  26日(日)まで  但し15日は休館
               第1部 (11時開演)  心中天網島
               第2部 (16時開演)  伊賀越道中双六   紅葉狩
                      16日から1部2部入替
     料金:取扱いは1等席のみで4800円(通常5800円) 
 チケットは申し込み用紙に会員名などを記入して文楽劇場チケット売り場でお買い求めください。同伴は何人でも可。 グループ観劇の場合は事前に本部佐藤までご連絡ください。  後日チケット1枚に付き2点清算。

                                         (横浜・谷口幸造)

   ナルクの歌のテープと楽譜をどうぞ

 ナルクのテーマソングともいえる「輝く未来へ そして愛」のカセットテープと楽譜を希望の拠点にお分けします。
 数に限りがありますので個人ではなく拠点単位でお願いします。
 申し込みは本部中島まで(郵送費拠点負担)。

 この曲は江別の斉藤正志さんが作詞作曲をし、大阪の松下仁美さんが編曲をしました。
 斉藤さんの曲は素晴らしく、ナルクの精神を謳った詩も感動的です。松下さんの編曲もシニアが歌いやすいと評判です。

斉藤正志氏のプロフィール
 北海道二期会に所属、オペラ公演など音楽活動に従事。北海道国際音楽交流会会員。
松下仁美氏のプロフィール
 83年大阪芸術大学卒。アンサンブルピアニストとして多数のステージで活躍。J&Bコーラスをはじめ合唱団伴奏者としても著名。

     拠点リレー訪問R

丹波 
  子供たちに挑戦と創造と発見の場

 7月下旬の梅雨明け間際、大雨注意報が発令中の里山の中、子どもたちの歓声が飛び交っています。「危ないよ」「気をつけてね」、お母さんお父さんの声も明るさが一杯、そして笑顔が一杯。
 靴も服も泥んこの3つの女の子に誘われて、私も雨でできた流れから石を拾い、カメさん作りに挑戦しました。
 ナルク丹波の会員は102世帯、165人。エリアは篠山市と丹波市の2市からなり、「農山村地域の唯一の拠点」と自認するように、水田や黒豆などの田畑が一面に広がるのどかな風景が自慢です。活動範囲も広く、車の運転が会員の必須条件とも言われています。免許がないために活動できないという人もおられるのです。
 和田道春代表のもと、ナルク丹波は「子育て支援」では、兵庫県内はもちろん色々な所で脚光を浴びています。
 実働グループの牽引役は、挑戦心に燃え気が優しくてパワフルな笹倉武史事務局長です。それを支えるのがたくましいパワーの女性陣とフットワーク抜群の男性陣です。
 今回は運営委員の岩垣加代子・木下裕子・笹倉千代・柳川咲笑子に集まっていただきました。
 まず注目の「子ども冒険ひろば」について、笹倉事務局長は「多世代が助け合う社会の実現を会の目標に、地域とのネットワークや他団体との関係の強化、行政との積極的な協働をベースに、会員のたゆまざる努力と活動の結果が、多方面から高い評価をいただくことに繋がったと思います」といわれます。
 地元の篤志家から千坪の里山を無償で借り、自然の生態系に詳しい「バイオマスフォーラムたんば」と協力して、1年かけて里山を再生しました。そして子育て支援事業の「子どもの冒険ひろば」の内容を充実させ、月1回のイベントを含め、毎週土曜の午後を子どもたちに開放しています。ここでは「少々の怪我はいいじゃないか、子どもたちを自由に遊ばせ大人は遠くから見守ろう」というのが原則です。自然の中で子どもたちが「自由に挑戦し創造し発見してもらおう」という精神で運営しています。
 毎週水曜の午後に行っている同種の子育て支援と合わせ、この活動は兵庫県青少年本部支援事業、丹波県民局補助事業、国立青少年教育振興機構の子どもゆめ基金の助成事業として、全国的にも高い評価を得ております。
「自然という環境が色々な面で子どもも親も変えるのです」と柳川さん。
「この冒険ひろばの道具(ターザン遊びの滑車ロープ・回転ブランコ・滑り台・モンキーロープなど)は全て会員の手作りです。遊びも子どもたちが創っていきます。先日も保育園児など90名が団体で遊びに来られました」と岩垣さん。
 「私たちは子育て支援と同様に通院支援にも力を入れています。この2つが支援の2本柱です。でも悩みはあります」と皆さんはおっしゃいます。
 「悩みの1つは会のエリアが広いことです。車社会なので新年会もお酒抜きのお好み焼きパーティでした」と笑顔で笹倉千代さん。
 「会員は順調に増えていますがボランティアに参加するのはUターン組が多いようです。会費を払ってボランティアに参加するという感覚はまだ地元の方に理解されないようです」と木下さん。
 「活動できる会員を如何に増やしていくかが今後の課題、待つのではなく行動によって解決したい」、という笹倉事務局長の力強い発言がとても印象的でした。                    
              日比野昌弘


                2006年10月号 4面
           読者の広場

  俳句

           ・喜寿近くなき父母より年をとり 飯塚冷奴
           ・百穴の古き昔を 知る桜 芝尾英三
           ・羊歯分けて老いの仲間と低き山 服部珍念
           ・黄山や元祖の里で 粽食む 石橋遊閑
           ・山道の無口な二人 花ウツギ 梁島風花
           ・大鳴門橋下大潮 卯波渦 鈴木桜子
           ・夏の夜や文章解き困じ爪を切る 小林滝水
           ・苔の花蛇の日傘干す寺の庭 川端昌
           ・掌にいただく幸せ木の芽和え 須藤堅香子
           ・穏やかに四万十川は流れ行く 鈴木風鈴
           ・下町の夕顔の花しらじらと 服部美穂子
           ・ 浴衣着てもてなす夕べ夫の喜寿 矢内幸子
                 ※ ナルク栃木「五七五を楽しむ会」例会入選句



  随想
             点字版エンディングノート
 −ピッ ピッ ピー
「あっ、終わりました」若い看護婦が思わずつぶやいた。
「何言ってるの。失礼な」と家族は気色ばむが、心の中ではやれやれと思う。
 命の終わりの時には尊厳ある姿でいたいと願う。
 作家の吉村昭は自宅で延命管を自らはずして旅立った。見事な最後である。生きているときは酒を飲んで家族に管を巻いて、最後の時には管に巻かれて死ぬのは寂しい。あくまでかっこよく死にたい。
 ナルクの「エンディグノート」は、命の終わりの時の尊厳を保証してくれる素晴らしい出版物である。
 点字図書の仕事をしていたとき、早速この本の点字版、大活字版を出版した。10冊売れればベストセラーという点字出版界で、たくさんの方から注文があり話題になった。点字の技術が未熟な人には記入の手助けもする。
 我々何の障害もない者からすると、目が見えない人は何もできないかと思う。そんなことはない。単独歩行で日本中どこへでも出張する人もいれば、インターネットやメールはもとより、完璧なワード文書の報告書を提出する職員もいる。家族の食事を全て作る全盲の主婦もいるのだ。

                  点字版の照会先

        名古屋ライトハウス 盲人情報文化センター
                 電話 052ー654ー4521(藤川さん)
                                  (名古屋・近藤豊彦)
生涯学習センターニュース

@文章教室
 講座は5回目に入り
 活況を呈している

AJ&Bコーラス
 第2/4金曜13
 大阪産業創造館15

B劇団ナルク
 2/4金曜1530
 団員募集中 茶谷迄

C司馬「街道を行く」
 嵐山・大悲閣散歩
 1022日(第4日)
 12月「山内一豊・高 知紀行」
             計画中

D口腔ケア出前講座 
 受付中 担当:中島

Eケアメイク講座
 受付中 担当:安藤

      会員の著書      寝ころんで筋トレ

        発行:(株)文芸社 定価:1200円(税別)

 岡山日生拠点代表の 奥本志朗氏が表記の本を出版した。
 氏は「ボタンティアをやるにはまず自分が健康でなければいけない」という思いから、かねて独自で健康法を考えてきた。
 6年前、激しい腰痛に悩まされた折に、試行錯誤の末、寝ころんでやれる筋力トレーニング法に行き着いた。ナルク日生でも皆と一緒にやることにしたが、これが大変効果を発揮し、問い合わせが殺到した。おかげで会員も増加したという。
 昨年は本部でも3回にわたり講習会を開き、この筋トレ法を多くの会員が学んだ。「マシンによらない筋トレ」なので、誰にでもできて腰痛だけでなく、健康増進にも極めて有効。
「3日家で寝込んでコロリと死にたいと最近皆さんおっしゃいますが、ピンピンコロリのためにもぜひこの筋トレ法を身につけて、毎日の活動を頑張っていただきたいと思います」と奥本氏は言っている。
 今も彼の元には全国の拠点から講師派遣依頼が絶えないという。

おもしろ京都学

 京都には「雲が愛宕さんに参ると雨、お稲荷さんに参ると晴れ」という言い伝えがあります。雲が北西に流れると雨、南東に流れると晴れと言うことです。
 気象的に見ると、低気圧では時計と逆回り、高気圧では時計回りに風が吹いているとされています。このため低気圧が接近すると北西の風、高気圧が接近すると南東の風になるそうです。
 昔からの言い伝えは気象学的にも正しいと言えます。
 もっとも「女心と秋の空」という言い回しは、時雨が降る京都の不安定な秋空が元になっているそうですから、雲が南東に流れていても安心はできません。         京都の秋は 一入でっせ。

北から南から
 栃木 高原ハイキング
 7月13日、2台の車で出発。霧降高原道路を経てキスゲ平に到着。リフトに乗ると冷風が心地よい。キスゲ、バイケイ草が目に飛び込んでくる。標高1600メートルの小丸山に到着。日光連山、女峰山が目の前。さらに上がっていくと富士山がかすかに見える。休憩の後、反対に下る。キスゲをめでながらのおにぎりはとても美味しい。散歩道終点である霧降の滝は、水が岩にあたり霧になるところからその名がつけられたようだ。梅雨の晴れ間の楽しい一日であった。
 かずさ 鳩に変身
 8月8日、浜子子供会の子供14人と親達5人が参加して、折り紙ボランティア教室を開いた。まずに紙鉄砲を折って、その作品でお互いに鳴らし合うという遊びをする。子ども達はそれに超のり。まずは大成功!続いて羽ばたく鳩やペンギン、最後は回る駒に取組み、完成した駒を廻してその色の美しさに魅入っていた。子供たちの興味も尽きず、折り紙教室を再開することになった。
 東京 納涼そば打ち 
 7月23日、池袋の生活産業プラザでそば打ち教室が開かれた。例年、夏と秋の年2回開かれているが今回参加は10名。各人に渡された二八のそば粉には抹茶が入っていて、今回は茶そばとのこと。そば粉に藩領の水を加えて混ぜ、練って延ばして切るだけだが、なれない作業なのでここが一寸難しいところ。練り上がったものは、人によって硬さが違うし、切りあがったそばを見ても、各人各様の出来上がり。先生によれば「これがそば打ちの面白いところ」とのこと。試食では先生が打ったものをいただいた。楽しい一日だった
 岐阜 心から感謝 
 月に2回〜3回ほど、都合の良い時にデイサービス施設へ手伝いに行っている。私の心が暗い時、また主人に対して腹立たしく喧嘩になりそうな時には、特に手伝いに行く。家にいれば口争いになってしまうのに、手伝いに行くと、そこではいろいろ障害を抱える皆さんに会え、自分自身病を持ちながらも、こうして毎日の生活が無事送れることに感謝ができ、心からありがたく、心穏やかに帰宅できる。今生かされて、皆さんのお手伝いができる幸せに、心から感謝している。
 亀岡 「日々健やかに…」
 夫は告知から3年半後の平成17年4月末に遠くへ逝ってしまった。闘病10年の人もあったと聞いてからの合言葉「新記録を作ろう!」を果たせずに…。夫の死を否応なしに認めざるを得ないそんな時、ナルクのことを聞いた。人は独りで生きていくのは難しい。人と交わり、見守り見守られ、互いに支え合えれば、どんなに安らぎ元気を与えられることか。ナルクへの入会は、そんな思いと合致した。昨年10月に入会後、カメラ部の会合に4回参加した。大きなカメラを持った男性に混じって、小さなデジカメを持って楽しんでいる。誰にも束縛されず、それでいて共有の時間が心を和ませてくれる。仲間にはいれたことを嬉しく思っている。
 寝屋川・四条畷 子育て支援出前 
 7月28日、10人で「もくれん保育所」を訪問した。パネルシアターを楽しんだクラスは、テーマソングを合唱しながら、全員が一つずつ動物をあやつり、大変な盛り上がりであった。桃組の水遊び、年長組の元気いっぱいのプール遊び。焼け付くような暑い日には、子供たちにとってこれが一番。プールサイドで見守る人達も、時々すごい水しぶきを浴びながら、童心に返って楽しんだ。
 宝塚 夏祭りボランティア
 8月5日、7回目の夏祭りが行われて、ナルクから8人がボランティアで参加した。夕方4時から始まり、夜7時半の花火まで色々趣向をこらした遊びや盆踊りで大賑わい。近所の人も親子づれで訪れ、猪名川町の夏の行事になった。ナルクのメンバーは食事介助に汗を流した。やきそば、たこ焼き、ちらしずし、炊き込みご飯などの屋台が出て、それらを運ぶのに一苦労。 同じ日、特養「宝塚ちどり」の納涼祭が行われ、ナルクから5人が参加した。会場には、おでん、焼きそば、かき氷、生ビールの店や、射的などのゲームコーナーもあって、大変な賑わい。当日の人出は300人ほど=写真。会場中央で盆踊りが始まったので、車椅子を推して会場を回った。おでんを買って部屋に戻る途中、ありがとうのお礼の言葉をいただいた
 福岡 主なボランティア活動の内容
 
  @「家庭内外の仕事援助と精神的援助」庭の手入れ、他をしながらの話し相手。
  A「家事援助」部屋だけでなく、玄関・廊下・風呂・トイレなどのガラス拭きとヘルパーができない部分の掃除や、前述の「話し相手」、洗濯、買い物、役所、金融機関での手続き同行、留守番、旅行付き添いなど多彩。
  B「介助・介護」ヘルパーの領域に踏み込まないよう、身体接触の少ないものを主としている。要請が多いのは外出介助(車椅子を含む)。
  C「少子化対策援助」では、子育て支援、産後の家事支援など。