2007年10月号  1面
ナルクシニア介護サポーター創設
   まずインストラクター養成講座から
   要支援から介護度Uを担えるスキルと理論
 介護保険が導入されてから6年目、予想をはるかに上回る利用者で、早くも保険財政は危機に直面している。給付額の抑制を図るため、新たに地域包括支援センターが生まれ、要支援と介護度Tの大半がそこへ移された。サービス利用限度額の引き下げ、保険料の大幅な引き上げも実施された。介護大手業者のコムスンの不正請求事件は、ホームヘルパーの不足をも明るみに出し、今後のサービス提供に暗雲を投げかけている。
   将来に備えナルク独自の養成講座
 このような状況から推測すると、近い将来、「要支援」及び「介護度T、U」程度のサービス提供力は不足し、ナルクのようなボランティア団体・NPOがそれを担わなければならない事態が必ず生じる。
 それに備えてナルクでは独自の「シニア介護サポーター制度」を創設することとした。
 当面は会員対象に養成講座を行うが、早い機会に一般市民や他団体に参加を呼びかけ、行政も奨励認知する社会的な制度に育てあげたい。
   地域包括支援センターからナルクに出動要請しきり 
 地域包括支援センターは中学校区毎に設けるのが原則で、小地域福祉の総合相談、権利擁護の機関を目指す一方、介護予防のプランナーとして期待されているが、すでに地域包括支援センターからは保険外の働き手として、ナルク各拠点に出動要請が頻繁にきている。
 ボランティアで「やれることは何でもできる」のだが、介護の予備知識や経験がないと、どうしても二の足を踏む。
 介護保険の未来に危機感を抱いた厚生労働省は東京都稲城市から申請されていた「高齢者が施設や在宅でボランティアをした時間をポイント制にして、その一部を介護保険の支払いにあてる」案件を正式に認めると共に、これに見習って各市町村の裁量でポイント制を実施するよう呼びかけている。
 最近打ち出した政府の施策によれば、政府は退職高齢者・団塊世代を対象に再チャレンジ支援のための簡易な資格制度として「介護サポーター」「育児サポーター」などを2009年度までに創設するという。
 未だ若々しくて元気な退職高齢者が介護のボランティアに大量に進出するという好ましい社会を招来するためには、「金や資格で釣る」という発想だけでは成功しない。必要なのは「最小限の介護理論と実技」を学ぶ事前研修である。
 介護保険が導入される以前、ナルクは厚生省認定のヘルパー3級研修を会員に課してからボランティア活動に入ることとしていた。同時にこの研修を会員外にも解放して、ホームヘルパーの社会的充足に協力した。
 3級に代わる、しかも、もっと簡易な研修を開発しようとナルクはそのための委員会をつくり、拠点で「介護の経験を十分積んでいる会員」に集まってもらい、検討を重ねた末、下表のようなカリキュラムをつくった。
   旧ヘルパー3級を参考に
 養成講座は、旧ホームヘルパー3級課程の中から「絶対必要」と思われるものを中心に作成した。
 週1日午前講義、午後実技、これを2回実施して、あと1日は受け入れていただける特養かデイサービスセンターでチームに分かれて実習する。メニューは@入浴後の着脱介助A食事介助B移動介助となっている。
 全てのチームの実習終了後、全員集まって終了式を行い、修了証書を渡す(但し午前中は最後の講義)。
 終了式とお祝いの会には拠点代表、本部役員も出席する。
   まずブロック毎にインストラクター講座を開講
 シニア介護サポーター養成講座は拠点毎に実施されるが、それを企画・運営するインストラクターの講座を先行して実施する。
 第1回は、びわこ湖西・京都・大阪・奈良・神戸の拠点を対象に表の左欄に示した日程で本部が主催して実施する。
 拠点の規模に応じて1〜5名の受講者派遣を要請している。
 そのあと第2回、第3回で近畿地区のインストラクター養成を終了し、漸次北海道、東北・・・と全国各ブロック毎に展開していく。
 インストラクターは終了式が済んでから、代表・運営委員に諮りながら、拠点の全員を対象に「シニアサポーター介護養成講座」を
逐次開催する。全会員が受講することを願っている。

2007年10月号  2面
分離独立の第2弾
   ナルク東神戸誕生  9月30日に賑やかに設立総会
 全国128番目の拠点としてナルク「東神戸」が「神戸」から分離独立し誕生した。これは4月の「ちちぶ」に続く分離独立の第2弾である。
 設立総会は9月30日午後1時半 、神戸森南町のフレあいスポットで、近隣拠点の会員多数を迎えて盛大に開催された。
 手作りの拠点事務所も完成、会員数も目標の百名を越え、永年苦楽を共にしてきた神戸の会員も感慨ひとしおであった。会長私案から僅か10ヵ月、この分離独立は崇嶋代表のリーダーシップ、当該地区会員の熱意の賜物であったことは言うまでもない。

ナルク中央福祉調査センター会議
    第3回を9月12日に本部で開催
 第3回の中央福祉調査センター会議が9月12日(水)午後1時から、本部会議室で開催された。
 出席は会長ほか本部役員と北海道・長野・千葉・神奈川・岐阜・滋賀・大阪・兵庫の全国8調査センター代表など16名。 冒頭、挨拶に立った高畑会長は「太田さんからこの福祉調査の話を聞いたときは有望な事業だとは思ったが、ここまでになるとは思わなかった。まだ問題点は多いが今後とも総力をあげて取り組んでいこう」と各センターの奮起を促した。
 全国的に調整を要する事務的な案件が議事の中心であったが、行政や官庁を対象とする以上、組織や役職も改正の必要があるということで、中央センターを例に挙げると「田邊代表、青木事務局長」という呼称で統一することとした。
 庫本事務局次長から会計処理の問題が提起され、来年3月には本格的なシステムが稼働することになりそうだ。
 最後に福祉調査の先駆者でもある神奈川の太田善朗調査センター代表の講演があり、午後5時閉会した。

  男の料理本  残り僅か
 ナルクシニア研究所発行の本「お父さんには初めての料理」は、発売以来順調に部数を伸ばし、在庫も残り僅かとなった。会員諸兄姉のご協力の賜物だが、各拠点の「男の料理教室」のテキストに用いられたのが大きな力となった。
 実例は「記者レポート」などで報じられているが、最近では茨木・摂津拠点「東地区グループ」の「男性の料理教室」でも大活躍した。
 当日は「梅ご飯」「みそ汁」「肉じゃが」「酢の物」の4品に挑戦。4名の男性参加者に対して、8名の女性援軍が加わって万全の体制をとったが、男性軍はテキスト片手に右往左往だったよし。
 どこの拠点の催しも、料理の腕を上げるという本来の目的より、会員のコミュニケーション上大きな効果があったという報告が相次いでいる。
 本の申し込みは本部料理本担当まで

高畑会長杯 ゴルフコンペ (関西大会)
 今年はベストシーズンの実施です。多数の皆様の参加をお待ちしております
                           (多数賞品あり)。
  日時:10月31日(水)7時50分集合  
          8時16分アウト・イン同時スタート
  場所:比良ゴルフクラブ  
     滋賀県大津市小野1611   077ー573ー1100
   名神「京都東」から湖西バイパス(無料)に入り
                 「真野」ICでおり、20分
     費用:1万1千円(昼食・パーテイ費込み)   70歳以上はゴルフ税免除可
   申込:FAXで(077ー594ー0838)   10月20日〆    びわこ湖西 鎌田光三


  女性の視点   トップニュース      吉田志津子(大分)
 昨秋、親戚の小学3年の女の子を父母のやむを得ぬ用件のために2日間預かった。両親と離れて一人で泊まるのは、幼稚園の「お泊まり保育」以来と言うことで、親子ともども気にしていた。
 私は「3年生だもの、大丈夫、大丈夫」と引き受けた。しかしその日はボランティアの日、留守番させることも考えたが、先方へ問い合わせをし、了解をもらってボランティア先へ連れて行くことにした。施設内でのクラブ活動(折り紙)の指導と介助ボランティアである。
 彼女ははじめは緊張していたが、あちこちから「ここはどう折るんだっけ」とか「ウサギの目を入れて!」との要望に応えて動き回って活躍した。皆さんもひ孫と同じ年頃の子に触れ合うのを楽しんでいる。
 瞬く間に1時間余り経過した。帰りに「またね」「また来てね」といわれ、一人一人と握手して、再会を約束してその場を離れた。
 帰途「百歳のおばあちゃんと握手したことが一番嬉しかった」という。
「おばあちゃんたちね、何回も何回も同じこと聞くんよ」と、目を輝かせながら自分なりにお手伝いができたことに満足した様子を見せた。
 両親は自分たちの都合で学校を休ませたことが気になっていたようだが、ボランティアの体験、高齢の方々と接することが出来たのは「何にも優る貴重な経験だった」と感謝する。年末には今年の一番楽しかったことのトップにこのボランティア体験が上がったそうだ。その後も長距離電話で「社会科の勉強してるんだけど、明治とか大正の道具見たことある?」と質問してくる。イヤだ、私は昭和ですよ、といいながらも「昔のこと教えて」といわれる年になったのだとつくづく思う。
私はボランティアを始めて14年になる。年間90日ほど高齢者福祉施設や幼稚園に出かける。90歳の誕生日を迎えた後逝った夫の母も、結婚当初から37年間生活を共にしてきた。多数の明治大正生まれの方と接し、生き様を拝見してきた。
 卒寿、白寿を迎えようとする高齢の方々は弱々しく見えてもお話しすると端正で凛としたものを感じる。長い年月の苦労を乗り越えて生き抜いてきた1本の筋金のようなものを。
 先日まで賑わいを見せていた「花菖蒲」の姿を見るようだ。


   知ッ得  団塊世代 退職金の使い方
 今月も博報堂エルダービジネス推進室の「第5回ホープサーベイ」の分析の纏めです。今回は団塊世代(58歳〜60歳)の退職金に焦点を当てた調査結果です。(文・白石勝也)

                1 退職金の4割は貯蓄
「退職金は何に使いますか」と尋ねたところ、図@のように貯蓄が約4割を占めています。しかし退職直後は退職金の53%が貯蓄されているという現実があります。
 投資運用は19%を占めますが、退職直後はこの数字は16%です。これは貯蓄をへらしてでも将来に備えようという現れでしょう。
 またローンの返済も退職金の約8%を占めていますが、退職直後は退職金の約16%を充当させる予定、という数字です。これは定年後の生活にかかる費用の目途もついたので、ローンは少し先延ばしでもいいと考えたか、現実には思ったよりローンが少なかったということでしょうか。

2 33%が消費に回る
 定年退職後のお金の使い道としては、男女とも「国内旅行」「趣味」「海外旅行」がトップ3でした。また「薄型テレビなどの家電」や「リフォーム」も男女ともに関心が高くなっています。男女差が見られた項目としては、男性が「車(43・5%)」女性が「エンターテイメント(40・7%)」などです。
 家をリフォームして、薄型テレビなどの家電を買い揃えて、車も新しくしてお出かけという新しいライフスタイルの始まりが伺えます。(図3)
3ヨーロッパが人気
 男女とも関心の高い「国内旅行」「海外旅行」ですが、地域別に見ると、国内は「北海道(79・7%)」「沖縄(67・5%)」、海外は「ヨーロッパ(84・6)」に人気が集中しています。
 また海外は、近場のアジアよりも遠い欧米が上位に並んでいます。
 定年退職をしてお金と時間の余裕が出てきたからこそ、国内のリゾート地でのんびり寛いだり、若い頃に憧れていた映画の世界に浸るためにヨーロッパの国が真っ先に選ばれたのでしょう。 

2007年10月号  3面
 福祉調査センターだより 
   意欲ある介護職員に良い労働条件をB
 ナルクは第三者評価調査機関として次のような評価活動をしている。
     @「福祉サービス第 三者評価」
     A「地域密着型サー ビス外部評価」
     B「介護サービス情 報の公表」
 2番目の「地域密着型サービス外部評価」の評価対象は「地域に暮らす高齢者のための小規模多機能型居宅介護」と「グループホームで暮らす認知症対応型共同生活介護」の2種類に分かれている。
 グループホームの調査では、入居者家族からは「本人が入所している自覚がないため、無理を言ったり感情的な態度になるが、職員は笑顔で細やかな気配りをしてくれる」「散歩、買い物など外出もさせてもらって笑顔が戻ってきた」「重度の入居者に手がかかるのか、介護が遅れることがよくある」「医者が来ているが毎回のように診断を受ける必要があるのか」等の意見が寄せられている。
 一方ホーム側からは「外部評価の意味・目的を教えてもらって感謝している」「運営推進会議の意味を教えてもらい、よく分かった」「具体的にとても分かり易く指摘をもらった」「今回もナルクさん
を選んで良かった」などの評価をもらっている。
 我々はこの評価活動の中から多くのことを学んだ。「人生の最後をいかに過ごすか」という問題は、
ナルクの会員一人一人の目前の問題だが、終の棲家を模索するだけでなく、介護職員の労働条件の改善をさらに訴えていかなくてはなるまい。
 「ひょっとしたら認知症?」とお思いの方、下図をご参考に。
                                   常務理事   青木富子

 △▼会員の著書▼△
     絵本・ムツとわたし    著者:大和田啓子氏
        繪: 郡司みはる氏     定価:1200円
 
 著者の大和田さんは芦屋拠点の会員。太平洋戦争中、愛犬を当局の命令で供出しなればならなかった悲惨な体験を、戦争を知らない孫たちの世代に伝えたいと絵本にまとめた。
 二科会会友の郡司さんの繪と相まって、ほのぼのとした素晴らしい内容になっている。
申し込みは「ムツと私を読む会」まで  06−6316−0370

 △▼生涯学習センターニュース▼△
     @J&Bコーラス    第2・4金曜13時
       大阪産業創造間15F     拠点など出演応相談
                               075ー712ー4012 広部
     A劇団ナルク    第2・4金曜15時30
       大阪産業創造間15F     拠点など出演応相談
                               06ー6351ー0733 茶谷
     B司馬「街道を行く」     10月28日(日)
       丹波篠山を歩く
        ・さりげなく風林火山 富士と河口湖温泉を 巡る旅
         11月26日(月)27日 ウインレイクヒルホ テル1泊(先着20名) 
                               06ー6876ー1832 藤岡
     Cケアメイク
        拠点・施設など出前           06ー6941ー5448

 △▼エンディングノート一口メモB▼△
   生前予約
 葬儀の内容や費用を予め業者に予約しておく、または葬儀だけでなく様々な事務処理も公正証書化しておくことが生前予約です。但しこれを保護する法律は現在のところありません。契約の際は家族、親族の同意を得ておくことが大切です。

 △▼文 楽▼△
     11月公演のご案内    11月3日〜11月25日
         電話予約:10月11日から
       第1部(11時開演)
          近江源氏先陣館    (吉田玉男1周忌追善狂言)
          艶容女舞衣
          面売り
        第2部(4時30分開演)
          源平布引滝
          曾根崎心中       (吉田玉男1周忌追善狂言)
     料金:会員及び同伴者は1等席5800円が4800円に 
 拠点で5名以上揃えば、高畑会長との夕食懇談会や楽屋・舞台裏見学も可能です。
                                 (本部佐藤までご連絡ください)
 チケットは拠点備え付けの申し込み用紙に記入し、文楽劇場でお買い求めください。

 拠点リレー訪問 31    ナルク小山(たんぽぽ)
     暖かい心の共有を目指して 
 ナルク小山は栃木県の交通の要衝小山市を中心に、栃木市・下野市・茨城県築西市の30万人をエリアとしています。新幹線を使えば東京まで40分という便利な場所でもあります。
 6月現在の会員は96名で9割の方が小山市在住です。
 女性会員が66%でナルクの平均を上回っています。活動会員もほとんどが女性で、リタイヤ組の男性はあまりおりません。
 会員構成は非常に特徴があり、障害者の方が50%もいらっしゃいます。一方で子育て中の現役の方が15%を占めるなど大変ユニークです。全体の80%が利用目的の会員だそうです。障害者や高齢者の会員の多くは「会報・たんぽぽ」や「情報誌ナルク」によって、社会との繋がりと将来の不安への備えをされております。
「いま私たちが取り組んでいるのは市民病院でのボランティア、資源保護のためのマイバック運動等ですが、社会的に光の当たりにくい方々にナルクが手を差し伸べることにより、在宅生活の実現など社会性の強い活動にも結びつくと思っています」と、大山千加代表は語っております。
 その特徴的な例としてミニデイサービス「おはようの家」での活動があります。重度で多重障害の方が多く利用されている施設なので緊張の連続です。しかし達成感も大きいとのことです。
 また内田邦子事務局長は「一方で軽度生活援助事業もやっております」とおっしゃいます。これは小山市からの委託事業で、家の掃除、庭の草取り、話し相手が主な内容ですが、介護保険を利用できないが在宅で頑張っている方の生活支援です。「安易な行政との協働ではありません。ナルク小山もこういった在宅支援こそが最も大切と考えるからです」と内田さんは強調されています。しかし民間施設での活動については色々と内部でも意見があり、今後の検討課題とのことでした。
 愛称「たんぽぽ」の由来は、「たんぽぽは地味な花ですが、花の終わった後の綿毛が軽やかに種を広げるように、華やかさは無くても、信頼される活動の輪を地道に広げて、エリアの中の全ての人から必要とされるナルク小山を目指して命名した」とのことでした。
 入会の動機は80%が口コミとのこと。この日集まってくださった皆さんから、自信を持っての勧誘の弁を教えていただきました。
「社会に貢献もできますが、仲間が支え合うことにより、人と人との心の通い合う暖かさを共有できますよ。これがナルクの最大の魅力です」
 「ナルク栃木」から独立して5年、「社会的弱者へのサービスの提供」を最大の目標に「ナルク小山」は順調に発展、市民からも大きな信頼を得るまでになりました。これからの課題は、行政や社協との関係を一層強化すると共に、活動会員と男性会員の増強、手づかずの同好会活動の実施などです。
 拠点の最大の誇りは会員の持つハード面(資格や技術)とソフト面(気配り・心遣い)だそうです。それによって「ナルク小山=安心の会」として市民の皆さんから一層の信頼を得られたのでしょう。皆さんの素晴らしい笑顔を後に帰路につきました。
                                       (日比野昌弘)

2007年10月号  4面
 読者の広場 
  短 歌    谷口和子 (大津中央) 
     春雷のとどろき渡る夕暮れに
                友より新茶の配送とどく

     雨上がりコンクリートの継ぎ目より
                はびこる草に初夏の陽きらめく

     秋たけて刈り込みしたるくちなしの
                数輪の花かすかに香る

   相撲甚句   「金色スズメ」    上間茂信(堺)
    
     ゆうべ見た夢金色スズメヨ 世界一なる長寿国
     うれし目出度も早過ぎて団塊世代も幕の内
                       相撲で言うなら関取よ
     長生するのも楽じゃないお世話する人 される
                       人同じするなら喜んで
     楽しい人生創るため金色スズメといきたいね
     心優しく気を遣い身体も使い人の世の
                 お役に立とうよアクティブに
     人生横綱ヨーホホイ  アア金色スズメよ
  コーディネーター体験発表をお聞きし「金色スズメ」の生き方に感動しました。

   随 想     驚きのエチオピア       小野里純子(南横浜)

 皆さんは国民一人当たり1年間に7千円をODA(政府開発援助)のために負担していることをご存知ですか。私は「受注めぐり高官に贈賄容疑」とか「ODAの薬品横流し」などの新聞記事に大いに憤りを感じていました。
 この度、40倍の難関をクリヤーしてODAの実態をこの目で見る機会が与えられたので、東アフリカのエチオピアに行ってきました。
 エチオピアは世界最貧民国の一つですが3000年の歴史のある国で、アフリカで唯一、植民地化されたことのない国です。人類発祥の地であり、国民は誇り高く、コーヒーの原産地国でもあります。
国土は日本の3倍、首都アディスアベバは標高2600mの高地で酸素が薄く、すぐ息がきれます。周辺はモンゴルのような草原が果てしなく続き、放牧された家畜が草を食む長閑な風景が展開しています。農民の住居は、土間に土壁藁葺きのもので、原始時代そのままです。
 乾季と雨季しかありませんが、乾季には全土が茶色に枯れ果ててしまいます。ことに森林が全くなく、僅かに植林でユーカリの木がヒョロヒョロと点在するだけでした。
 貧しさに喘ぐ一番の原因は、すごい粘着力の粘土の土壌と水の不足のためだと思います。給水率は全アフリカの最低で22%だそうです。
 乳幼児の死亡率が高く、平均寿命は何と47歳です。
 今回は地下水開発、水供給の技術協力、農業支援体制強化、住民参加型の学校建設、幹線道路改修、農業組合の施設などを見学し、エイズ指導に当たっている青年海外協力隊員(保健師)の活動現場を視察しました。
 彼らは地域住民に根気強く技術を指導し、地道な支援をしていることが良く理解できましたが、反面アフリカ支援は焼け石に水の印象はぬぐえません。
 今回最も感動したことは、苛酷な環境の中で日本大使を中心にJICA、JBIC、外務省職員、海外青年協力隊員らが一丸になって現地の住民と一緒になって支援に取り組んでいたことでした。
 エチオピア大使館は何とも貧弱な雑居貸しビルの2階、3階にありました。この国に既に714億円も投じていますが、未だに都心の道路は穴ぼこだらけ、ほとんど未舗装なのはどうしてなのでしょう。 各国が競ってODA支援をしていますが、それは未開発の地下資源が目当てのようです。中国は首都アディスアベバの中心で、ODAのマークを誇示して立体交差の工事を派手にやっていました。
 日本は200キロも離れた奥地で黙々と道路改修や学校建設などに取り組んでいますが、支援の仕方が歯がゆい感じがしました。もっと顔の見える支援をして、一日も早く国連常任理事国の仲間入りをはたしてほしいものです。
 エチオピアの子供の澄んだ愛くるしい目はなぜか悲しみをたたえていました。

 御 礼       唐澤友江(奈良)
 亡夫・唐澤今朝利死去に際しましては、会長様から身に余る感謝状をいただき厚く御礼申し上げます。
 ナルク入会以来、何の働きもしておりませんのに、破格の光栄に浴し、泉下の主人も感激しておると存じます。益々のご発展お祈りします。

 記者レポート 
  [南横浜]  スイスナルクのメンバーと交流
 7月12日に小野里代表宅で、スイスナルクの運営責任者である神谷未夏さんとの交流会を開催した。
 神谷さんはヨーロッパでビオラ奏者として活躍されている傍ら、ナルクスイスの責任者として時間預託方式のボランティア活動を推進されている。
 鎌倉のご両親を訪ねた帰途、南横浜の皆さんと懇談したいというご希望で、今回の催しとなった。
 当日は11人の会員が集い、双方の活動状況、遠距離介護の実例など活発な意見交換が行われた。
 「機会を作ってスイス観光に伺います」との申し出に、神谷さんも「観光ガイドはぜひ預託点数で」と双方大いに盛り上がった。(佐藤文俊)
  [大分]  市民も参加して国体マスコット作り
 来年大分で開かれる国体のマスコットは「メジロン」。それをペットボトルで作ろうとナルク大分が広く市民に呼びかけた。地元日刊紙にも取り上げられたので、7月21日の当日は高齢者から小さな子どもまで40人以上の参加者で会場は超満員。
 このペットボトル製のメジロンを考案したのは、副代表の岩男稔さん。製作の指導にも当たったが、国体だけでなくナルクのPRにも一役買えそうな見事なグッズである。
                                        (荒巻信子)

  [茨木・摂津]   市民対象の学習会を計画
 住み慣れた街で、快適に暮らせるようにという願いで、地域住民を対象に講義と実技を組み合わせた学習会を開催する。
    日 時:10月20日(土)  午後1時〜4時
    場 所:あいおい損保ビル3F大会議室    茨木市東中条町1
    講 演:「助け合いの街づくりの提言」
    講 師:山田稔代表他
    参加費:無料
    申込み:拠点事務所    072ー620ー5088   (奥村妙永子)

  [伊賀名張]  介護予防サポーター養成講座
 同拠点では9月1,2の両日、デサントヘルスマネージメント研究所と提携して表題の講座を開催した。これにより10名の新会員が入会した。

 エンディング・エピソード 
  優秀賞  愛知県豊田市  長谷川知子
   大切な宝物
 財布の中のおびただしいカードの片隅にいつも入っているドナーカード。「脳死後、臓器の提供を希望します」そう書かれた文字の下に私と主人の署名が仲良く並んでいる。
 このカードを記入して間もなく、私は胎盤早期剥離の状態で子どもを出産した。
 出産は一刻を争う危険な状態だった。もうろうとする意識の中で、手術室にこだまする看護師さんたちの声と、あわただしく聞こえる足音を耳にしていた。
 麻酔が切れかけた頃、先生がぽつりぽつりと話し始めた。「赤ちゃんは1610グラムという未熟児で、母体は極めて危険な胎盤剥離状態でした。もし家で出血が始まっていたら母子ともに助からなかったかもしれません。きっと赤ちゃんが陣痛を起こして危険を知らせてくれたのですよ」
 2週間後、保育器越しではあるが赤ちゃんと面会が許された。「1秒でも早く、我が子の体温をこの手で感じたい」。私が手を伸ばした瞬間、まるでガラス細工のような細い指が私の手に触れ、さらには私の指をギュッと握りしめてきた。
 何とも言えない幸せな温もり。「私を救ってくれたのはあなただったんだね」
 しかし間もなく、我が子は早急に手術を要する心臓病であることが判明した。
 主治医の言葉に従い、すぐに大学病院に入院した。
 小児病棟では、生と死の狭間で懸命に生きようとしている多くの子どもたちがいた。普通は垣間見ることもできない世界である。私は人間の死について改めて深く考えさせられた。  我が子が私の命を救ってくれたように、このドナーカードで誰かを救えたらどんなに素晴らしいだろう。そのとき我が子は何歳になっているのだろう。何歳でもいい。そこにいてくれるだけでいい。私にとってこの子は大切な宝物なのだから。
                 (作者の了解を得て原文より抜粋させていただきました)